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nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

小説家の日常は小説よりも奇なり

 

時をかけるゆとり (文春文庫)

時をかけるゆとり (文春文庫)

 

 

最初は買って後悔した。

目次の「便意に司られる」という見出しにお腹の弱い私は共感してレジゴー♪レジゴー♪と衝動買いしてしまったが、読み始めると学生作家のユルくも不器用な日々が綴られている。

もしかして選択を誤ったのかと(衝動買いのクセに)悶々と読み進んでいくと「母校を奇襲する」で気を取り直し、「黒タイツおじさんと遭遇する」では、笑いを堪えている顔を電車の中で向かいに座っている人に見られないように逸らしたら、隣の人と目が合う醜態を演じてしまった。通勤電車の中で読むことは避けた方がよいかもしれません。

 

「旅行を失敗する(その2)」では失敗のやり方が違うことにハラハラしてしまった。

GWに車で北海道旅行を企てるという暴挙を犯した。

予約も何もしてないけど行けば何とかなる。ならなければ東北旅行にすればいいと夜通し東北道を北上し未明に青森に到着した。

青函フェリー(あるんですよ)に予約してなかったけど偶々マイカーが載れてしまった結果、北海道に渡ることができた。筆者たちに申し訳ない。

 

「眼科医と衝突する」

マジか、フィクションではないのか、或いは患者が小説家と知ってのウケ狙いの所業ではないかと疑ったが、巻頭の年表(付いてるんですよ)を参照するとデビュー作「桐島、部活やめるってよ」発表前の邂逅であったことがわかった。

時間軸の辻褄が合い疑惑は解消した。

 

文庫化に際して年表をつけたいと編集者を困らせた筆者の所業が、私のような疑り深い読者の存在を察知してのことだとしたら鋭い。

 

本書は「学生時代にやらなくてもいい20のこと」を文庫化するにあたり改題されたものだが、原題のままであれば私は興味を惹かれず手を出さなかった。

角川ではなく文春なのに「時をかける少女」に引っかけて、ゆとり世代作家を組み合わせた編集者のセンスに嵌められた。

 

尚、本書は親戚から「飛行機の中で読むから貸して」と言われて貸したが、後で12時間半のフライトと知り、いつ戻って来るかわからないからまた買った。

まさか最初に買って後悔した本をもう一度買うことになるとは思わなかった。