つてモーターファン速報シリーズではスバル車のマイナーチェンジ版を出していました。
レガシィ(2、3代目)、インプレッサ2代目、フォレスター3代目以来のマイナーチェンジ版です。
最近のマツダ車の並々ならぬ進化振りに、出版側が紹介する意義を感じての刊行と思います。以下477弾フルチェンジ版は “F版”、505弾マイナーチェンジ版は “M版” と表記します。
試乗記は単独試乗、比較試乗ともにF版、M版のレポーターは同一であり、表現の統一が図られている。このアテンザに限らず通常F版では発売前の試乗となるため、初期試作ロットにありがちな、こなれていない動きやフィールの渋さを看て取ったレポーターがエンジニア氏に質す場面があったりする。
M版では発売から2年を経過しているため、そのようなことはなく市販車とほぼ変わらないコンディションでの試乗レポートを読むことができるので、事情が許されるなら他のブランドでもM版の記事を読みたいと思う。
マイナーチェンジといえばお化粧直し、装備の見直し程度と思われる向きもあるが、目に見えるところ見えないところのコストアップの場合もあれば、支障の起きないように原価低減を図って目論み通り支障がない場合もあれば、支障が看取される場合もあって悩ましい。マイナーチェンジ前の方がよかったと言われることも起きたりします。
アテンザについてはダンパー径の拡大やシートの改良、内装の大幅質感UP等、見えるところも見えないところもコストダウン目的とは見受けられません。
最初に買ったユーザーはがっかりか? たゆまぬ改良で人気を持続させることが出来れば中古車価格、ひいては下取り価格の安定に結び付き、ユーザー利益になるというのがマツダの戦略。成功すれば良い循環が生まれる。
比較の相手はF版は BMW320d、レガシィ5代目、パサート。M版はBMW320d、レガシィ6代目、アウディA4です。F版ではドイツブランドに対して物足りない印象が語られていますが、M版では“同じ土俵で語れる魅力を備えている。”に変わっています。
メカニズム解説は双方とも8P構成でM版では新採用の4WD、マツダコネクト、昼夜全天候360度認知支援、防眩ハイビーム、の紹介を網羅するため、F版に較べてイラストが小さめになっています。
静粛性、乗り心地改善の記事があり、i‐ELOOPの記事は割愛されています。
デザインインタビューはM版では大幅に変更された内装がメインになります。F版のように世界各拠点の競作はありません。しかしマイナーチェンジのためにグリルを6種類も検討するとは思わなかった。
使い勝手のページはレポーターが代わっています。そのせいかトランクの表記が
F版は横幅1025~1430㎜、後席使用時の奥行き1180㎜、後席格納時の奥行き2070㎜、天地高500㎜、
M版は最少奥行き1130㎜、最大奥行き2020㎜、最少横幅1030㎜となっており天地高の表記はない。統一してほしいしF版の方がわかり易い、それにも増して後席格納時の奥行き(F版)と最大奥行き(M版)は同じ意味ではないのだろうか。数値が違うのはどういう訳だろう。
ボリュームは双方とも80頁。M版には東京伊勢往復1000キロ弾丸ツアーなる旅行記事があり、F版はデザイン関連の記事が豊富です(F版10p、M版6p)。
デザインの記事が読みたい、マイナーチェンジ前の車を買う予定の方はF版を、そうではなくてアテンザに興味がある方はM版を。あとはこのM版の発売でF版の中古価格が(本の)どう影響を受けるか興味のあるところです。
出版元は価格を税込500円にするために80Pに抑えたのだろう。私的にはアクセラ、デミオと同じ96Pの税込540円にして欲しかったので☆は4つにしました。