日本の企業は撤退判断が遅いと言われるが、日本人のDNAではないかと思う。
太平洋戦争ではミッドウェー敗戦は講和の機会ではなかったかと思う。
日露戦争の日本海海戦で敗れたロシアの立場を自らに置き換えれば講和の機会と判断できたのではないか。
アメリカはドイツとの交戦に戦力を注ぎ込みたいから講和に応じる可能性があった。アメリカが欧州戦線に戦力を集中できればソ連が入り込む隙を与えず東欧州の歴史が変わっていたのではないか。
その後のサイパン陥落で講和を求めていれば、ヤルタ会談の前だからソ連に北方領土を取られることもなかったし沖縄戦もなかった。犠牲者300万人の内200万人はサイパン陥落後の犠牲者だ。
原爆を落とされても、天皇の玉音放送を阻止しようとして、まだ続けるつもりの人達がいた。一億総玉砕だと。そう言う人こそ最初に玉砕したらどうだろう。
戦後45年を経てバブルがはじけた。
案件が不良債権と化してもせっかくここまでやったのだから後には引けない、いつか価格は戻るはずだと処理を先送りに先送りして損失を膨らませた結果、公的資金の投入額が1999年時点で日本興業銀行6000億、第一勧業銀行9000億、富士銀行1兆、みずほグループでしめて2兆5000億円、さくら銀行8000億、住友銀行5000億、三井住友はしめて1兆3000億円、住専が6兆円とかすごすぎる。(みずほ、三井住友 とも2006年に公的資金は完済)
国連予算1200億、土星探査機4080億、全世界の地雷撤去3兆9600億円の費用がまかなえてお釣りが来る。
金融業の問題が鎮静化しても、流通業や製造業でも撤退判断が遅れて損失が膨らみました。
日航のように国の救済がある場合もあれば、自力による再生、業界での再編成を経てリストラ(リストラスクチャリング 構造改革です。本来人員整理という意味ではありません、人員整理はあくまでも改革の一環です)が行われました。
あきらめの悪さが良い方向に作用するときは、IPS細胞やLEDといった発明や発見、世界初の公害対策エンジンの開発がなされました。
今では当たり前の自動車のエンジンの排気ガス対策がアメリカで法案化された時、当のアメリカでは地元のビッグ3(GM、フォード、クライスラー)は抵抗し、アメリカ議会の公聴会で対策が可能と答えたのはホンダとマツダだけだった。
ハイブリッドカー,内視鏡や炭素繊維といった世界に貢献する技術を生み、他の国が匙を投げた研究開発テーマをモノにすることにも繋がっている。
或いはモノにできないまま潰れた会社もたくさんあるのだろう。
変わるべきだと言う人もいるけれど、代を重ねて人が全て入れ替わっても変わることはなかった。
これはもうDNAで変わることは出来ないのではとこの頃思う。
変わることではなく、歴史を忘れずに、あきらめが悪いことを自覚して付き合っていくしかないのではと思う。
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