VWのディーゼルエンジンは排気ガスの浄化と燃費がトレードオフの関係にありました。
排気ガスを浄化すると燃費が悪化する。
燃費が良くないと車を買ってもらえない。
買ったユーザーからは燃費が良くないとクレームになる。
両立するにはお金がかかる。コストが上がる。コストが上がると利益が減る。
売れないと、利益が上がらないと、上席からプレッシャーを受ける。
やれと言われなくても、(違法ソフトの搭載を)やらなくてはいけないと思いつめたのか。
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上意下達が当たり前。モノを申せばどのような指示命令が待っているか分からないと委縮する。
「コストがかかってもやらなくてはならない」「これだけはやってはいけない」と言うことが出来ない社内の空気に支配されていた。
経営者が前年度より業績を上げます、前年より〇〇%成長させる、などと出資者にコミットメント(約束)をする話を報道で目にします。
達成できなければ立場があやしくなる。
VWでは(東芝でも)プレッシャーを与える動機になったのではないか。
元々そういう会社だったのか?
VWは企業統合という手段で販売台数を増やしてきました。
ドイツ東西統一前の傘下の企業はアウディのみでした。
統一後はセアト(スペイン)、シュコダ(チェコ)、ベントレー(イギリス)、ブガッティ(フランス)、ランボルギーニ(イタリア)、ポルシェ、2輪のドゥカティ(イタリア)、トラック・バスのスカニア(スウェーデン)、MANNと吸収を繰り返して10社に及びます。
VWがスズキとの提携解消を拒んだ理由は、ゆくゆくはスズキを子会社にして販売台数を合わせればトヨタを上回って世界一という目論みがあったのだと思います。
(2014年世界販売台数 トヨタ 1,020万台、VW 1,014万台、スズキ 300万台)
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VWの2004年の販売台数は508万台 10年で2倍です。
製品とサービスを世界一にした帰結による販売世界一ではなく、販売世界一自体を目的化してきた10年だったのではないか。
トヨタの販売が500万台の大台に達したのは1980年です。その後バブル崩壊を経て1997年に500万台に復帰してから上昇を続け、延べ34年の歳月をかけています。
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トヨタのハイブリッドに手持ちのクリーンディーゼルで対抗しようとした。それがクリーンではなかった。功を焦った。
販売台数世界一を目指すのではなく製品・サービス世界一を目指していたら無理に違法ソフトを使用してまでディーゼル車を投入することはなかった。
排気ガスと燃費と出力トルクを同時に検査できれば不正を防げる。
VWのディーゼルエンジンは排気ガスの浄化と燃費がトレードオフの関係にありました。
排気ガスを浄化すると燃費が悪化する。
燃費が良くないと車を買ってもらえない。
買ったユーザーからは燃費が良くないとクレームになる。
だから違法ソフトを使用して浄化を止めた。
排気ガスと燃費と出力トルクを同時に検査する装置があれば
「VWさん排ガス合格です。でも燃費よくないですね。」
これを公証値にする。
ずるいソフトウエアは間抜けなソフトウエアになる。
違法ソフトウエアを搭載する動機がなくなる。
他社ライバルに劣る公証燃費を見て消費者は購入を躊躇する。
健全な競争になる。
同時測定機を開発して世界の自動車管轄機関に売り込む企業はどこか。
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2014年 日立グループの連結売上高は9兆7619億7千万円
東芝 6兆6559億円
日立、三菱に負けるな、追い抜くぞと積み上げた数字の実態はHPのIR情報が修正中のため見ることができません。
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/finance/pl.htm
ライバルに勝つ、実態よりも数字が先行するおそろしさを忘れない。
それではまた。