nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

非電化区間の車両は電気式ディーゼル化で推進軸脱落トラブルの根絶になる。(人手とノウハウが失われる前に)

JR北海道における特急車両の推進軸脱落の事例とJR九州ななつぼし を比較して考えた。(なんでそんな比較の仕方をする)

 

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2011年5月27日 JR北海道 石勝線において 釧路発札幌行きのディーゼル特急 スーパーおおぞら14号において 車輪の摩傷(摩耗傷)剥離により振動が発生。

そのためにボルトやナットが緩んで※減速機や※推進軸が垂下(垂れ下がり)、外れた部品を車輪が踏んで脱線。歯車が飛んで燃料タンクを損傷させて燃料が漏れて火災が発生するという事故がありました。 

列車には、乗客248名、運転士1名、車掌1名及び客室乗務員2名が乗車していたが、全員が徒歩でトンネルの外に避難した。

このうち、乗客78名及び車掌が負傷した。

 

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北海道に限らず鉄道のディーゼルカーは車体の床下にエンジンがあり、エンジン、変速機から推進軸を通して台車に動力が伝えられる構造です。

 

自動車の場合はボンネットのエンジンから変速機を通して※プロペラシャフト(鉄道車輛の推進軸に相当)が減速機、後輪に動力を伝えます。

 

※飛行機のプロペラ軸や船舶のスクリュープロペラ軸と同様 軸の向きが進行方向と平行だからプロペラシャフト。

 

根本的な違いがあります。

自動車のプロペラシャフトの動力を受ける減速機は左右に首を振りません。

鉄道の台車は線路のカーブに合わせて向きが変わります。

推進軸の力を受ける台車が左右に首を振ります。

 

接続部は自動車よりもはるかに強大なトルクを受ける上に左右に偏移する。

直線方向のみならず斜め方向からも力を受ける。

高度な加工技術、保守点検技術が求められることは想像に難くありません。

 

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JRグループで最も高速で複雑なディーゼルカーを最も経営の苦しい会社が扱っているという現実。

 

 

安全確保の上で、整備不良の問題以前に、疲弊した現場で保守が困難な車両を整備するという二重苦の状態を軽減することが求められます。

 

技能や部品の交換時期が適切であるか以前の問題として、エンジンの力を台車に伝える推進軸自体がない構造であれば推進軸の脱落事故は起こりようがないからです。

 

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JR四国のディーゼルの軽快な加速に感動。

 

 ディーゼルカーと言えばゴロゴロした重ったるいエンジン音が相場です。

ところがJR四国の特急ディーゼル車輛2000系(1989年デビュー)は速度を上げるときにキーンというターボのよう高周波の音を発して(ターボはついてません)背中から押されるような加速をします。

体感は電車よりも速いんじゃないかと思うくらいです。

重々しい音が響かないのでうるさく感じません。

ええぞええぞ これならディーゼルいいと思える出来です。

 

JR北海道のキハ281系は期待外れだった。

 

 1994年デビューの在来線最速と謳われた四国よりも新しい車輛は 音はなぜかゴロゴロと先祖返りしていました。

メーターで計ったら速いかもしれないけど、ゴロゴロ音が軽快さを損ねていました。

どちらもコマツのエンジンなのにどうしてこんなに音が違うのか。

 

推論だけど音はエンジン単体で発するものではなく、変速機、推進軸、自在継ぎ手、減速機といった車軸に繋がる駆動系全体で発するものではないか。

駆動系バランスの違いが音に顕れたのではないか。

 

設計の違いなのか、整備状態の違いだったのか。

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JR貨物、JR九州 ななつぼし のディーゼル機関車 DF200は電気式ディーゼルです。

 

 

ディーゼルエンジンで発電機を回し、台車に架装したモーターを回す電気式ディーゼルです。

電気配線でモーターに電力を伝えるのですから推進軸はありません。

自在継ぎ手も減速機もありません。

付いてないのですから脱落事故は起こりようがありません。

 

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ディーゼル特急を電気式ディーゼルにすれば電車特急と台車を共用できるのではないか。

どちらもモーター内蔵台車になるのですから、構造は似たようなものではないか。

 

台車部分について整備士は電車の整備の免許で電気式ディーゼルの整備もできるようになるのではないか。

 

将来 電車のスーパーカムイ(札幌~旭川)と ディーゼル宗谷(札幌~稚内)、オホーツク(札幌~網走)の台車が共用にできる。(勝手に)

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鉄道の台車は線路のカーブに合わせて向きが変わります。

推進軸の力を受ける台車が左右に首を振ります。

 

接続部は自動車よりもはるかに強大なトルクを受ける上に左右に偏移する。

直線方向のみならず斜め方向からも力を受ける。

 

となるとカーブでは電車よりも速度を落としたくなります。

 

JR北海道スーパー北斗(札幌~函館)、スーパーおおぞら(札幌~釧路)はカーブで速度をあまり落とさずに走ることを目的に開発された※振り子式車輛です。

(※車体そのものを内側に傾斜させることによって遠心力を打ち消し、スピードアップとあわせて乗り心地の向上が図れる。)

 

通常のディーゼルカーよりもカーブで自在継ぎ手にストレスがかかります。

職人芸のような整備技術で支えられているのではないか。

(JR四国の2000系、JR西日本のキハ187系、智頭急行HOT7000系も振り子式特急車輛です。)

 

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JR東日本のHPを見ると 

http://www.jreast.co.jp/order/procurement/

 

新潟地区(2017~2019年度)・秋田地区(2020年度)に電気式ディーゼルカーの投入を計画しています。

電車で培ってきた技術を共用することによって質の高いサービスを提供するとあります。

 

JR北海道は2017年度に試作車を導入予定となっています。(東日本の支援を受けるのでしょう)

https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150610-2.pdf#search=%27JR%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93+%E9%9B%BB%E6%B0%97%E5%BC%8F%E6%B1%BD%E5%8B%95%E8%BB%8A%27

 

いずれも各駅停車用の車輛です。

 

今後JR各社の非電化区間用の車輛が置き換えられていくのだろう。

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特急用車輛はJR東海のキハ85系 ひだ(大坂・名古屋~高山・富山)、南紀(名古屋~紀伊勝浦

JR四国の2000系 南風、うずしお(岡山・高松~徳島)、しおかぜ(岡山~松山・宇和島

JR九州のキハ71系 ゆふいんの森(博多~湯布院・別府)

が2019年に運行開始から30年目を迎えます。

 

次期型から電気式ディーゼルカーへ置き換えられていくのだろうか。

 

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将来 JR西日本の電車特急 くろしお(京都・大阪~白浜・新宮)、やくも(岡山~出雲市)とディーゼル特急のスーパーシリーズ(列車名にスーパーがつく)いなば(岡山~鳥取)、おき(鳥取新山口)、まつかぜ(鳥取~米子・益田)の台車が共用だったりして。

(どちらも振り子式車輛です)。

 

JR四国の8000系電車特急と2000系ディーゼル特急後継車輛の台車が共用だったりして。

(どちらも振り子式車輛です)

 

 

遠い将来 鉄道の整備工場で「推進軸って何ですか?」 

 

それではまた。

 

 

 

JR北海道 石勝線 スーパーおおぞら14号 脱線火災事故 

国土交通省 運輸安全委員会報告書

http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1799

 

事故の概要

「2011年05月27日

列車が清風山信号場に向かって走行中、4両目の車掌室にいた車掌が異音を聞くとともに振動を感じ、その旨を運転士に連絡した。

運転士はそれを受けて直ちに停止手配を執り、列車は同信号場内の第1ニニウトンネル内に停止した。  その後、列車から発生した火災の煙が列車内に流入した。運転士は、トンネル内に停止した列車をトンネル外へ移動させようとしたが、列車は起動しなかった。」

 

※運行規定では火災発生時はトンネル内に停止しないことになっているが、火災発生の認識がなかったために停止した。

停止後、火災に気付いたが列車は再起動しなかった。

 

(1972年に起きた北陸トンネル火災事故(大阪発青森行き急行 きたぐに で電気暖房装置のショートで火災が発生 死者30名、負傷者714名)の教訓を受けて車輛火災走行実験を行った結果、 

トンネル内火災時には停止せず、火災車両の貫通扉・窓・通風器をすべて閉じた上でそのまま走行し、トンネルを脱出するほうが安全であることが証明されたため、火災発生時は停止→停止せずに通り抜けるに運転規程が改められた)  

「列車には、乗客248名、運転士1名、車掌1名及び客室乗務員2名が乗車していたが、全員が徒歩でトンネルの外に避難した。

 

このうち、乗客78名及び車掌が負傷した。  ☆★☆

列車は、前から数えて5両目後台車第1軸が進行方向左へ脱線していた。

列車は4両目後部の動力伝達装置が損壊しており、列車の停止位置の約2km手前から、脱落した動力伝達装置等の部品が軌道上に点在していた。

また、火災により全6両が焼損した。」

 

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事故の経緯

「列車の4両目後部の※減速機を支える吊りピンが脱落したため

※減速機 歯車で動力の回転速度を減じて出力する機械装置。出力として、減速比に比例したトルク(捩じる力)を得ることができる。例えば、入力の回転速度を2分の1にすると得られるトルクは2倍になる

 

減速機が車輪の軸を中心として前方に回転しながら垂下し(垂れ下がる状態になり)、それにつられてエンジンから減速機、車輪の軸を結んで動力を伝える推進軸も垂下したことから、※自在継手が破損し両者が分離した。(外れた)

※自在継手 減速機と推進軸の接続部の部品、鉄道の台車はカーブで左右に向きが変わる。斜め方向にも動力を伝えることが出来ることを指して自在という。

 

減速機の吊り部が清風山信号場構内の12ロ分岐器(線路のポイント)のリードレールに接触したことにより、4両目の後の台車がレールに沿って左へ押されて同台車の第1軸が脱線した後に第2軸が脱線し、その後、11イ分岐器において2軸とも復線した。

 

4両目は脱線してから複線したんだって。(またレールの上に戻った)  

垂下した減速機からかさ歯車(X軸とY軸に交わる2軸間に運動を伝達する円すい形の歯車)が脱落して軌間内(レールとレールの間)に落下し、5両目の後の台車がこのかさ歯車に接触したことにより、台車が押し上げられて第1軸が脱線した。

 

5両目が脱線した。

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減速機を支える吊りピンが脱落した原因

 (1) 吊りピンの溝付き六角ナットの割りピンと吊りピンの頭部側に取り付けられた脱出防止(抜け防止)割りピンに、他部材との接触により局部的な摩耗が生じた。  (2) 溝付き六角ナットが緩み、同ナットの割りピンが、緩んだ同ナットから繰返し荷重を受けて脱落した。(押されて緩んで脱落した)  (3) 溝付き六角ナットが更に緩み回転して脱落した。  (4) 続いて脱出防止割りピンが、同吊りピンからの繰返し荷重を受けて脱落した。  (5) 付き六角ナット及び割りピンが脱落した後、減速機を支える吊りピン自体も減速機支え棒から抜けて脱落した。

 

火災の原因 脱落した※減速機の※かさ歯車によって6両目前部の燃料タンクが破損したため、漏出した軽油がその付近の木まくらぎ周辺に飛散し、発電機若しくはエンジン後端部上面付近で出火。

その火が延焼拡大したことによるものと考えられる。

 

 

考えられる と結んでいる理由は

 なお、火災による被害を特に強く受けている床下機器、運転中に高温になる機器等を分解調査した結果、いずれも外部加熱により焼損したと考えられることから、詳細な出火箇所及び出火原因を特定することはできなかった

※抜粋、省略、注釈を加えて編集しています。

 

http://www.mlit.go.jp/jtsb/railkankoku/railway-kankoku3re-2_20141222.pdf

 

ナット、ボルトが緩んだ原因は車輪の摩傷(摩耗傷)剥離による振動

 

中間報告では 原因としてベテラン社員のノウハウが一部継承されず、検査の結果に個人差が生じて使用限度を超えた車輪を使用してしまった。とあります。