ほくそ笑む、海外の官僚
日本で燃費測定の不正だと騒ぎになっている。
騒ぎになっているクルマは我が国の法律では問題がない。
日本以外の国では問題になっていない。
今後 貿易振興のために通関手続きを簡略にするには保安基準等ルールの国際共通化が必要だ。
その際、我々の経済共同体の基準を国際ルールに適用させたい。
なぜかって? 域内ルールの変更は、政治家や関係団体への根回し、法律改正など厄介だからだ。
日本のルールを適用されたら厄介だと他の国々にも働きかけよう。
日本に譲歩してもらおう。
(燃費だけではなく他のルールもだ。)
厄介な国内の調整は日本の官僚にしてもらおう。
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燃費試験をするために乗用車のメーカー8社がそれぞれ設備投資をする。
国がやるのと、8つの組織が別々に設備投資するのとどちらが投資効率が高いのか。
よほど無駄遣いをしない限り1つの組織で投資したほうが効率がいいんじゃないか。
その測定方法に人類普遍の価値はあるか。
カタログ燃費リッター30キロ、でも実際の路上ではリッター20キロ、30%以上も違う。
でも違反ではない、国の定めた試験方法でちゃんと行っていたから。
誰も「30%も違うじゃないか」とメーカーに苦情を言いに行かない。
カタログ燃費とはそういうもんだと思っていた。
(nikoichiも言いに行ったことはない。20世紀の車を知る身には夢のような燃費です。)
マスコミの社用車も、政治家、官庁の公用車、私用車もカタログ燃費と実際が乖離していても気にしなかった?けしからんとは思っていなかった。そんなものだと思っていた。記者会見があるまでは。
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揉める理由はエコカー減税
エコカー減税対象車の使用者は取得税や重量税の軽減措置を受けられます。
エコカー減税対象車の認定を受けた、ちゃんと国のルールどおりの測定をしていたのならば実際の路上でかけ離れた燃費であってもエコカー減税は適用されます。
減税を受けるために必要なのは実際の路上で燃費がいいことではなく、国のルール通りの測定方法で行っていることです。
国のルール通りの測定方法ではないから測定をやり直したら10%違った。
エコカー減税ランクが下がった分税負担が増える。
エコカー減税制度があるからユーザー負担が生じた。だから揉める。
その分をメーカーが負担して納税せよ。という話になった。
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トヨタ プリウス 新型、米国仕様の燃費公表…量産乗用車で最高 | レスポンス(Response.jp)
トヨタ プリウスはアメリカのルールで測定したらリッター22キロでした。
当然 アメリカで販売する車のカタログの数値はアメリカのルールに則っています。
ところが国のルール通りの試験方法ではリッター40キロです。
でもカタログ数値通りに走らなくても誰も文句をいいません。
実際にカタログ通りに走らなくてもいいんです。減税さえ受けられれば。
現実に合わない測定をするために8メーカーが設備投資をすることが合理的と言えるのか?
(※アメリカはすぐ裁判になる国です。カタログ燃費と実際の燃費の差が甚(はなは)だしいとすぐ裁判になります。だから実情に近くなるように国もルールを定めます。)
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みんなわかっています。
カタログでもっとも燃費がいいグレードが一番の売れ筋ではありません。
燃費スペシャルは転がり抵抗の少ないタイヤを履きます。
指定空気圧も高めです。
転がり抵抗が少ないということは路面に強いグリップをしないことです。
タイヤが路面に粘りついたら走行抵抗で燃費が低下します。
しかし道路の条件は変化します。
雨で濡れたり、砂埃で滑り易くなったりします。
ある程度 グリップしてもらわないと止まらない、曲がらない。
疲れないためには静かな車内がいい。ゴーゴーとタイヤの音が入らない方がいい。
せっかく大枚はたいて何年か使う車を買うのだから、同じ車種の中で選ぶならば装備が充実して、しっかり止まって曲がって静かでと考えて値段と相談して選ぶ。
燃費スペシャルと他のグレードを乗り較べたら「曲がらないじゃないかぁ」「止まらないじゃないかぁ」「うるさいじゃないかぁ」(程度の話です)
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逆らうと面倒だ。泣く子と地頭には敵わない。言われた通りにやっておけ。
上の方ばかり見ている人のことを ヒラメ と揶揄します。
しかし ヒラメ は目は上(こっち)を向いてますが
お腹は下(あっち)を向いています。
そして背中が上(こっち)を向いています。
面従腹背そのものです。
何かあったらあっちに行ってしまいます。
目もお腹も上(こっち)を向いているラッコがいい。
しかしラッコは石を持っています。
石を捨てなさいと言ったら背を向けてあっちに行ってしまいます。
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忠ならんと欲すれば孝ならず。
言われた通りにするだけで意見もないということはどうでもいいと思われている。
言っても無駄だと思われている。
怒られても一方的に謝るだけ。
メーカーは言いなりになる。
中で勝った。
国際共通ルール策定の場で現実離れしていると交渉相手国から変更を求められ、他の国も同調する。
外で負けた。
親分が外で負けないためには子分の意見が必要なのです。
親分は子分の意見を受け入れる度量が必要なのです。
それではまた。