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nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

シンゴジラ「私は好きにした。君らも好きにしろ」の意味を考察してみた。(勝手に)―防ぐことはできなくても、止めるのが人という物語

未然に防ぐことができるに越したことはない。

防ぐことができなかったのなら止めるしかない。

 

帆場暎一と被る牧悟郎

 

牧悟郎博士は日本から追放されるように米国に渡りエネルギー関連の研究機関に帰属した。

東京湾羽田沖で漂流しているプレジャーボートから姿をくらました牧博士という設定から1989年公開の映画のシーンを連想してしまった。

 

 

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事前に防ぐことはできなくても止める物語

 

 帆場暎一が身を投げた時点で手遅れでした。

牧悟朗が姿を消した時点で手遅れでした。

「私は好きにした。君らも好きにしろ」というメッセージを残してプレジャーボートに履物(と折り鶴一羽と宮沢賢治の詩集「春と修羅」)を残して姿を消した。

 

私は好きにした。

政府、学会が想定を超える出来事に翻弄される。誰も防ぐことはできない。止めることはできない。顛末を見届ける必要などないと自ら命を絶ったのではないか。

 

君らも好きにしろ。

止めることができるのなら止めてみろ。

それとも解析結果を利用して新たな生命を生み出すか。

☆★☆ 

パトレイバーでは劇中冒頭 OSの開発者である帆場暎一東京湾に身を投げた。死体は上がらなかった。

 

レイバーの稼働率を向上させるという触れ込みで装備された新OS(オペレーションシステム)に人の耳には聞こえない低周波をレイバーのセンサーが感知すると操縦者のコントロールを離れて暴走を始めるというプログラムが隠されていた。バグではなく意図的なものという犯罪行為であった。(停止中のレイバーも起動して暴走する。)

 ※レイバー 人が搭乗して操縦するロボット型の作業機械という設定で、劇中では建設用、警察用、自衛隊用のレイバーが登場した。

 

接近する台風により東京湾上に建設中の方舟(はこぶね)と称される構造物が鳴動し低周波を発する。吹き抜け構造の高層ビルは風があたるとでかい笛のように低周波を流す。ハープ橋を吊るワイヤーが風にうなりを上げる。それをトリガーに首都圏で稼働する新OS装備のレイバーが起動暴走して首都圏を破壊する。

 

台風が接近しており関係各署を説得する時間がない。(立証できていないから同意を得るのは困難)

首都圏全域レイバー暴走を阻止するには方舟を解体するしかない。

☆★☆

主人公たちが出動の時点でOSの全貌はまだ解明されていなかった。(犯罪行為であることの証明はまだされていなかった。)

OSに仕組まれた犯罪を証明できなければ主人公たちは方舟を解体した廉で犯罪者になってしまいます。

台風が接近している状況なので証明されてから出動したら手遅れになります。

証明されていない以上関係各署の応援も受けることはできません。

 

警察官である主人公たちは東京湾開発拠点である方舟を解体(ぶっこわす)します。

方舟の解体によって首都圏のレイバー暴走は未然に阻止されました。

しかし方舟の解体によって湾岸開発は大幅な後退を余儀なくされました。

方舟の解体で方舟内の大量のレイバーが東京湾に沈みました。

それまでにつぎ込んだ予算がパーになりました。

台風の最中(もう応援に行くことはできない)にOSのプロテクトが突破されて全貌は解明されましたが公務員である主人公たちの行動をヒーロー扱いするわけにはいきません。

映画の後日譚で主人公たちの所属部署は人事の嵐にさらされました。

☆★☆

 

シンゴジラでは長期潜伏することなく早々に災厄となって姿を現わします。

 

劇中でゴジラは海中に不法投棄された核廃棄物を食べたとされています。

不法投棄が考えられる場所は人目につかないように、人口の多い国からは離れた世界の辺境ともいえる海域です。

大陸から最も遠い南太平洋のある海域と考えられます。

それがなぜはるばる日本にまでやってきたのか。

☆★☆

巨大化する前に東京湾に持ち込まれたのではないか。

 

足が生えてから手が生えた。口は小さくエラがあった。大きなおたまじゃくしのような姿だったのではないか。

放射能によって遺伝子が改変されて生殖なく自己分裂する完全生物となった。」

「個体が群体化し小型化、そして有翼化して世界に」飛翔するという。(「 」内 劇場プログラムより)

尻尾からも熱線を発するのは分離前の個体の口とも考えられる。

生体原子炉の機能で海中、空気中から取り込んだ分子で生命を維持し、成長し(巨大化)、同族を分裂する。

☆★☆

東京に現れた個体が唯一という確証はない。

別の個体が上海やロサンゼルスに上陸する可能性がある。(劇中ではアメリカに上陸する可能性は13%と語られた。)

 

円、日本株の暴落が劇中で語られていたが、個体が群体化し小型化、そして有翼化して世界に飛翔するという話が伝わればゴジラショックで世界同時株安も起こり得る。

ゴジラが来ると被害甚大だが来る前でも経済的損失を被る。

もはや対岸の火事ではない。

 

通常兵器では倒せなかった。

(ハリウッドゴジラには通常兵器は有効だが、東宝ゴジラには通常兵器は効果がない。武器の力を信じるアメリカ人と敗戦で武器の力を信じなくなった日本人の違いか)

早くゴジラを始末しろ。

国連で東京にいるゴジラに向けての熱核攻撃が決議され、政府は容認した。(拒否できない)

潜水艦からの弾道ミサイルでゴジラを攻撃する。

人道的配慮から都民の避難が優先される。という。(それがなんだ。)

日本は3度目の核攻撃を受けることになる。いくら標的はゴジラだと言われても、日本の都市が巻き添えで核攻撃を受けることに変わりはない。

 

臨時政府(永田町に迫るゴジラから避難するために閣僚の搭乗したヘリコプターにゴジラの熱線が命中したため)の下、武器は補助的に使用され、多大な犠牲を払いながら武器ではないもの、1954年版のようにある博士の発明でもないものでゴジラを仕留めます。

☆★☆

事前に防ぐことができるに越したことはない。

防ぐことができなかったのなら止めるしかない。

 

事前に防ぐことができなかった。FBIはCIAは警察は何をやっていたんだ。

将来何かやらかすかもしれないから だけでは逮捕することはできません。

準備していることを証明しなければなりません。

おたまじゃくし みたいな生物を遺伝子操作しているからといって、巨大なゴジラが出現するなんて誰も予測できない。

そんなことを言ったら、この捜査官は頭がおかしい ということになってしまいます。

組織からはじかれてしまいます。

 

仮に専門知識のある共同研究者がいたとして、捜査機関に訴え出たとしても誰も信じられなくて相手にされない。

そうして脅威は現実となっていく。

☆★☆

事前に阻止できなかった、もうだめだ、何をやってたんだ、責任者出てこい。

と言ったところで事態は収束しない。

ゴジラ(虚構と裏返しの現実)が勝手に死んでくれるわけでもない。

 

選択の余地は残されていない。

作戦が成功しなければ東京は核の火の海となる。

 

事前に阻止できなかったことをいつまでも悔やんでも仕方がない。

仕方がないで終わらすなと言われても仕方がない。

できることは起きていることに対処するしかないということ。

事前に阻止できなかった責任はどうするんだ。と言われても、それは事態が収束してからの話だ。

 

シンゴジラが何でパトレイバーと結び付いたのか?それは今日の台風のせいだ。

それではまた。

☆★☆

おまけ 怪獣らしさとは姿勢がいいことなり。

 

ハリウッド版のゴジラは姿勢が前かがみです。

東宝ゴジラは胸を張って直立です。

ゴジラに限らず二足歩行の怪獣は直立しています。ウルトラマンに出てくる強そうなレッドキングから弱そうなシーボーズまで直立です。

 

どうして怪獣は直立しているのか。

着ぐるみの中に入る人が前傾姿勢を維持するのは体力的に困難だからじゃないか。

しかしガメラは前傾姿勢だ。着ぐるみの甲羅が重たいから直立すると後ろに倒れてしまうのではないか。バランスを取るために演者が前傾姿勢を取ったのではないか。

そんな身も蓋もない理由はさて置いて、怪獣らしさとは直立しているものというビジュアルが焼き付いた。先入観を持った。

CGだから、中に人が入るのではないから前傾姿勢を実現できた。そんな前傾姿勢のハリウッド版ゴジラを見て、恐竜じゃん、トカゲ野郎と悪態をついていた。

☆★☆

シンゴジラはフルCGだ。着ぐるみではない。技術的には前傾姿勢を実現することが可能だ。

それでもシンゴジラは直立姿勢で現れた。

怪獣というもんは直立しているものだ、イメージを裏切ってはいけない。前傾したら恐竜だ。

ラジオ体操で胸を張って、朝礼で胸を張って、そんなの関係ないと思っていても日本人の生活習慣に根付いている。

プログラムに載っているデザイン画も直立姿勢だから直立しているのはデザイナーの意図なのだろう。

 

海中生物に先に足が生えて、後から手が生える。順当に考えたら4足歩行になりそうなものが立ち上がっていきなり2足歩行になった。

予告編が公開されたときは貧弱な前肢にがっかりしたが、その理由は生えたばかりだったからというオチが付いた。

貧弱な前肢では歩行の助けにならない。陸上を進むためには後肢で立ち上がるしかない。

次回作以降のゴジラは前肢がより発達していることが想定されます。

☆★☆

なぜ二足歩行に進化したのか。DNAに人の遺伝情報があるのか。

牧博士はなぜ東京湾で行方不明になったのか。死体が上がらなかったのか。

なぜゴジラの分子解析情報を残して命を絶ったのか。

「私は好きにした。君らも好きにしろ」

好きにした?何を?ゴジラのことを好きにした?

これは犯罪の匂いがする。

で冒頭のブログになった次第です。

☆★☆

もう一説。

「私は好きにした。君らも好きにしろ」

庵野秀明監督は好きにした。本作に捉われずに次回作以降を撮る人たちも好きにして下さい。というメッセ―ジだったりして。

 

再び現れたゴジラに人類はどう対処するのか。

今度は第五形態以降に進化しているだろう。虚構でも現実でも打つ手はない。想像できない。

想像できない映像を再び見せてくれるのか。

もはや人間では打つ手がなくなってVS(怪獣同志の対決)ものというお約束になるのか。

それでも掟破りのお約束を見せてほしいと思う。

 

 

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