パワハラ セクハラ モラハラ マタハラ行為をするのは人間です。
表向きの残業時間と実際の残業時間の二重基準を設けるのは人間です。
人が余っているから自主退職を強要したり、人手が足りないから退職を拒否して拘束するのは人間です。
定時に帰る人に舌打ちしたり、つきあい残業を求めるのは人間です。
ブラック企業といわれる組織はなぜブラックなのか、それはブラックな人間がいるからです。
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長時間働いた仕事の成果を見たクライアントは「常時これくらいできる」と誤解してしまいます。
価格も納期も次回はもっと頑張ってください。
そうして無理を重ねた揚句にその後の業務に支障が出て迷惑をかける恐れがあります。
ライヴァルも巻き返しを図ります。価格競争に終始するとどんどん泥沼に嵌っていきます。
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1週間に80~100時間の労働は、健康や精神に悪影響を与えてしまい、長続きせずに退職する人を生み出す原因になり、求人の経費が増大します。
サービス残業で人件費を抑えたのに、度重なる求人と研修の費用で帳消しになっている。
無理を重ねた揚句に事故、事件になって評判を落とす。マスコミ、ネットのネタになる。
評判がよくないので、いい人が来てくれない。すぐやめる。採用したらロクでもないことをやらかす。会社の評判を落としてくれる。
自分で自分の首を絞めることになる。
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納期までに仕事を終わらせるため週末や遅くまでの残業が必要になるということは、時間配分ミスなどの問題を抱えていることの証明になる。
会議会議で仕事はいつやるのか。(表向きの)終業後。
家族サービス・食事・家事・睡眠・趣味もなく生活リズム、体内時計が狂ってしまう。
医療費が嵩む、健保組合が料率を上げますよ。出て行って下さい。
これで景気がよくなるわけがない。
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残業は指示していない
会社側が設定した残業制限時間では、こなせない仕事量になっていた。
こんなもの〇〇分でできるはずだ。
自分でやって見せて。できやしない。
(本当にできて、やって見せたら著しい業務改善になるのに残念)
業務の中身とは無関係に単に残業時間の規制をしただけ。
その結果カウントされない不払残業が構造的に行われる。
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やりたいこと、実現したいことのために夢中になった結果の長時間労働ではなく、価値を生み出せないから許してもらうために長時間労働をする。
前者(ホワイト)は他人が先に帰っても気にならないが、後者(ブラック)は他人が先に帰るのが気に入らない。
他人より長時間働くことで自尊心を満たす。長時間働いている俺ってステキ。みんなも俺と同様にやるべきだ。
早く帰って脳をリフレッシュした方がワンパターン思考から脱せられるんじゃね。
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上司に守られていたことを忘れてしまった上司
無茶振りを言われてきた。怒声と罵詈雑言を受けてきた。それに耐えてきた。それで今がある。だから新人にも同じことをする。耐えてこられたのは自分の精神力と根性の賜物。自分の実力。
それは本当か。あなたの上司はパワハラ一本槍だったのか。手加減、匙加減はまったくなかったのか、メリハリはなかったのか。ワンパターンではなくて柔軟性があるのではなかったのか。継承したつもりになっているだけではないのか。
同期は知っている。忘れたのか、失敗をフォローしてもらっていたじゃないか。人のせいにしない人だったじゃないか。お前とは違う。
上はもっとすごいことを言う。上から言われたことをそのまま下ろすのか、自分で咀嚼してから下ろすのか。部下を守るための叱りなのか、自分を守るための怒りなのか。
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誰もこんなことをしたくて入社したわけではない
名案がない。成果がない。表向きの終業後も会社に留まる。仕事をしてるフリをする。徹夜をする。みんなが残ってるから自分も残る。それが連帯感。成果が上がるわけではない。光熱費の無駄はサービス残業でカバーする。
長時間働く(滞在する)のが忠誠心。いつまでもこんなことを続けていられるわけはない。待っているのはリストラ。
(「1時間あたりに生み出される国内総生産 日本39ドル、米国62ドル」 日本経済新聞 2016年11月8日 19面)
請け負った、受注した、利幅が少ない、予算が足りない、納期が短い。サービス残業でカバーする。
質よりも接待、注文を取らなければ意味がない。無茶な要求も受ける。それでやってきた。それでいつまでも続けられると思っていたわけではないが続けてきてしまった。要求がエスカレートする。部署が疲弊する。それでもやめられない。
売上が足りない。お客様が買っても売上、従業員が買っても売上、株主も銀行も税務署も区別がつかない。事実上の自家消費を売上計上して帳尻を合わせる。
(株主に対する偽装ではないか)
社会保険の出入りが多い、人の入れ替わりが多い、労働局が社会保険をチェックすれば人の入れ替わりの頻度を把握される。そうだ社会保険に入れなければいいんだ。
人手が足りない。試験があるから休みたい。辞めたい。ダメダメ休ませない、辞めさせない。出てきてる。いい子だね。大学辞めた。仲間だよ。新入りを任せるよ。君と同じ道に道連れだよ。やらせる人もかつてそうだった。
そんなことを続けていたら募集しても外国人しか来なくなった。
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能率が落ちる。品質が落ちる。クレームが起きる。残業してカバーする。もっと能率が落ちる。打開策はない。寝ていない。鬱かハイになっている。頭が回転していない。回っているのは目。
事故が起きた(を起こした)、事件が起きた(を起こした)、検査が入る、捜査が入る。
誰もこんなことをしたくて入社したりしない。
周りを引きずり回したつもりで実際は引きずり回されていた。回っているのは周りではなくて自分だった。中心だと思っていたら周辺に過ぎなかった。
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なんでこんなことになっているのか。
人を辞めさせ難いから好況でも下手に人を増やせない。企業も労働者もチャンスを逃している。
金銭解決を許したら首切り横行するから反対!で結局労働者はタダ同然で鬱にされて放り出される。
入り難く辞め難い労働市場で被雇用者は辞めることに悲壮感が漂っている。
「出勤するのが苦痛、仕事を押し付けられていると感じている。いやいや働いている。」これで生産性が上がるわけがない。
雇用側、被雇用側双方にとって不幸。
再出発を図った方が雇用側も被雇用側もお互いにハッピーではないか。
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やりたいこと、実現したいことで出来そうもない事にチャレンジするのはいい。
価値が見出せない。やりたくもないこと、実現しなくてもいいと思っているのに出来そうもないことを言われるのは苦痛でしかない。
そんな気持ちで仕事をされても顧客に迷惑。
どうしてここにいるの。ここはいるべき場所ではない。
再チャレンジすべきだ。と思う。
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一方でそれでも居座り続けるブラック社員。
周りを疲弊させる。顧客が逃げる。嫌な仕事をやってる自分ってエライと思っている。
硬直した雇用制度が珍種を生み出した。
企業社会における進化論ではないかと思う。
自分が正しいと思っている人を是正しようとしても暖簾に腕押しです。
周囲が、無関心、黙認するのであれば増殖していきます。
組織がブラック化していきます。
ブラック社員が蔓延ると組織が自壊していきます。それが自然淘汰というものです。
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電通鬼十則 より抜粋
「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……」 「周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。」
必死になってやれという意味だけど見殺しにしたらシャレにならないよ。目的完遂のためには周りの協力が必要だ。必死な姿を見れば人は手を貸したくなる。
「計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。」
新しいことを始めると最初のうちは意味や価値が理解されなくて揶揄されたりするかもしれない。惑わされるな。
「自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。」
「摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。」
自信がない、摩擦を怖れるからブラック社員に引きずり回される。嫉妬して正義面してもっともらしいことを言ってサービス残業に巻き込もうとする。負けるな。
「頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。」
そうありたい。ああすればよかった。説明が足りなかった。もっと工夫の余地があった。終ることのない改善、反省の日々。