nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

「美女とふたりの野獣」―“野獣の姿をした人”と“人の姿をした野獣”

www.disney.co.jp

www.newsweekjapan.jp

 

 

このお話には野獣がふたり登場します。

見かけは粗野で獰猛な野獣ですが繊細さと知性を備え、村では変わり者扱いされるベルの進取性、積極性、自由奔放さに戸惑いならも惹かれていく純情さ。

・父を突き飛ばして牢から出し、自ら身代わりとなって牢に入る。

・野獣の求婚に対して「嬉しいけど自由がないのは無理!」とハッキリ言う。

そんなベルに「父を助けに行け」と言って野獣はベルを解放します。

 

方、外見が所謂イケメンで弁が立ち、村中の女性(ベル以外)を虜にする戦争の英雄 ガストン。

ナルシストで自分の尺度が正義と信じて疑わず、ベルは自分に傅(かしず)くべき存在であり、自分に靡(なび)かないベルを振り向かせようと、父親が亡くなれば生活が成り立たなくなったベルは自分を頼る他なくなると考えて、ベルの父を亡きものにしようとします。(なんて自己中)

 

目論みが外れてベルの父が生還し、ガストンの所業を告発するベルの父を狂人扱いして、英雄である自分と狂人とどちらを信じるのかと村人を扇動します。

ベルが駆けつけて父を弁護すると、自分に靡かないベルを、狂人の娘も狂人だと言って、父娘共々、精神病院に送り込もうとします。

最初は求婚していたのに、願いが叶わないと見て取ると一転して精神病院に送り込んで社会的抹殺を謀ろうとするストーカー野郎です。

「この化け物め!」

「お前に言われたくない」です。

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自分たちとは違うという理由だけで簡単に排除する村人たち

 

ヴィルヌーヴ村の大多数の村人たちは、よく考えず、変わり者であるベルを「自分たちとは違う」という理由だけで簡単に排除し、外見が「イケメン」「口が達者」であるガストンに扇動されてしまいます。

 

女のクセに読書をするだけではなく、村の女の子に読み方を教えている。(女に学問は不要という古い風習、村の男だけではなく、村の女も同意見。)(ベル父娘はパリからヴィルヌーヴ村に越して来たことが劇中で語られます。)

 

馬を使って、洗濯を半自動化させる「発明」をしている。(村人は便利で手間が省けるとは考えずに止めさせます。)

 

村人たちは終始、本質を見ようとしません。本質を見ることは想定外のことでした。本質という言葉は辞書にはありませんでした。

ガストンに煽られた村人たちが野獣の城へと押しかける際、ガストンの腹心ル・フウは呟きます。

「野獣が走り回っている、それは間違いない、でも違う野獣が放たれている。」

ル・フウはガストンがベルの父を亡きものしようとした現場を目撃しています。自分が仕えているガストンこそが野獣だ、と遅まきながら気付きます。でも反旗を翻すほどの勇気も力量もないので渋々ついて行きます(良心は痛んでいる)。ついて行かなければ、自分がガストンに抹殺されてしまいます。

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実は世相を反映する映画

自分とは違うという理由だけで排除しようとする。

2016年のイギリスEU離脱投票、アメリカ大統領選挙、2017年のフランス大統領選挙、どっちが野獣なのか、どっちも野獣なのか、どっちも野獣ではないのか。

 

メディアが野獣扱いする候補は本質も野獣なのか、メディアが真人間扱いする候補は本質は野獣ではないのか。

 

中間層、低所得者層が野獣扱いする候補は本質も野獣なのか、真人間扱いする候補は本質は野獣ではないのか。(他の陣営からはそう見える)

 

高所得者層が野獣扱いする候補は本質も野獣なのか、真人間扱いする候補は本質は野獣ではないのか。(他の陣営からはそう見える)

右が、左が、中道が野獣扱いする候補は…、真人間扱いする候補は…

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ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

(ニューズウイーク2008年7月23日発行)より抜粋

北朝鮮の交渉術

 

南北の外交団が平壌で離散家族問題や南北縦断鉄道について話し合いが行われていた。2000年8月、午前3時頃、代表である朴在圭(パク・ジュギュ)統一相はノック音で叩き起こされた。北朝鮮の交渉団長、全金鎮(チョン・クムジン)に呼び出され、北の言い分を1~2時間に亘ってとうとうと語り、韓国の交渉団を眠らせなかった。(相手に冷静に考える余裕を与えない)

最小限の譲歩で最大限の利益を手にする。

 

要求を小出しにして相手が譲歩し過ぎたと気付いたときには大半をかすめ取っている。

相手を破滅寸前まで追い込む手段の行使を示唆して、妥協を引き出す。

テーブルについた時点で(事前の調査により)ある程度、交渉は終っている。

 

選挙を控えている国は強気の交渉ができない。

べらぼうな高飛車な要求を突き付けるのは国内外で支持を取り付けるため。

(国内)親愛なる指導者への忠誠心を示し、(国外)日米の「敵視政策」の犠牲者であるというイメージを強調することで米国を仮想敵国と見做す国から同情を買うため。

2002年の核危機でブッシュ政権が本腰を入れて交渉に臨まなかったため北はその間に7~8個の核兵器を製造できる量のプルトニウムを抽出してしまった。

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北朝鮮は交渉を通じて相手側の「鎖の最も弱いつなぎ目」を見定め内部分裂を図る。

 

米代表団は一枚岩か、意見の相違点はないかなどを探る。

無関係な問題や過去の諍いを持ち出して引き延ばしを計る。

 

「ある問題について解決済みだと互いに了解していると思っていても、北朝鮮はそれを蒸し返すことがある。」(米 アイホーン国務次官補)

「拉致と核問題は無関係」と6カ国協議で取り上げることを拒否。

一方で北朝鮮関連口座の凍結につながる制裁を解除しなければ6カ国協議には応じないと言って、非核化交渉を1年半近く遅らせた。

(交渉したけど結局 核兵器を製造した。)

(口座凍結と核を関係づけるなら拉致も関係づけないと交渉に応じない、とは誰も言い返せなかった。)

 

揚げ足をとる。

曖昧さを貫いて相手に真意を悟らせない。

 

ミサイルの輸出規制はすべてのミサイルが含まれるのか、一定の飛距離のミサイルだけなのか、答えない。

「そちらの立場がよくわからない。あいまいな点を明確にしてほしい。」

「総書記を侮辱するのか。」

「なぜ侮辱になるのか。」

「立場がわからないと言ったではないか、総書記の立場は明快そのものだ」

(明快なことは認めるが明確じゃないぞと突っ込めなかった。)

(一方は相手を怒らせても構わない、相手は結局何も出来ないと考え、一方は相手を怒らせてはいけないと考えているので一方的な交渉になった。)

任期切れが迫っていたクリントン政権は合意に至らなかった。

(核能力を把握するための検証は国家主権の侵害として拒否した。)

抜粋以上

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核を手放せば、シリア、イラクリビアと同じ目に遭う。

中国も信用できない。自分を降ろして兄とすげ替えるつもりだと疑って、急いで兄を暗殺させたのではないか。

西側メディアからは野獣扱いされている。ところが相手の指導者も西側メディアから野獣扱いされている。

見返りに経済援助を要求する。

 

ちょっと待て、その金でミサイルを作るんだろ。その金を国民のために使うのか検証させろ。栄養状態が、衛生状態が、農業が、インフラが向上しているのか検証させろ。(核とミサイルにつぎ込む余裕がないほど)国民生活の向上に金をつぎ込んでいるのか検証させろ。

内政干渉だ、それでは外敵から国(体制)を守れない。体制維持を担保するものを示せ。

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目的は体制の維持、核とミサイルはその手段。しかし体制も国家運営の手段の一つ。

手段が目的化している。手段維持のための交渉に臨んでくる。

目的だと思っているものは手段である。目的を見据えて交渉に臨むのか。手段のための交渉に終始するのか。

交渉の舞台はスイス?

平壌に訪問をしたら、将軍様が呼びつけた と国民にPRする。

ワシントンに招待し(呼びつけ)ても交渉で都合が悪くなると、盗聴されたとか言って難癖をつけてくる。

日本も中国もアジアのどこの国も中立とはいえない。

警備や治安も勘案すると指導層の子弟の留学先でもあるスイスが交渉の舞台に選ばれるのではないか。

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(何の話だっけ)

美女と野獣の話が大統領選挙の話になって米と北朝鮮の話になって、これからどこに行くの)

(もう行かない。連休は終り)

 

それではまた。