不祥事の報道を見て聞いて、バカだな、何をやっているんだ、しょうがないな、こんなこともできないのか、どうかしているんじゃないか。
私には、私たちには、わが社には、うちの組織には…関係ない、ありえない、起こり得ない、こんなことするわけがない。
嗤ったはずなのに、バカにしたはずなのに、見下したはずなのに、同じ目に遭う。
事例が研究され、原因や経過が発表されるのに、同じことをしてしまう個人や組織が後を絶たない。
同じ失敗をしてやろう なんて誰も思わない。
気が付いたら同じことをしていた、やらかしていた、まさか自分が、自分達がやらかすとは思っていなかった。
まだ大丈夫、まだ平気、関係ない、心配しすぎ、杞憂に過ぎない、もう後戻りできないところに追い込まれていた。
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自分がやらかすかもしれない
まさか!全然違う人じゃないか、似ても似つかないじゃないか、想像もつかない。
全然似ていないからといって油断できない。
置かれた立場が変わっても冷静でいられるか、環境が変わっても平常心でいられるか。
自分を信じるのと自分を盲信するのは違う。
自分を疑うのと自分に絶望するのは違う。
自分を信じて疑うことを繰り返す。
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自分たちもやらかすかもしれない
うちも確認したほうがいいのではないか、研究したほうがいいのではないか、対策を立てたほうがいいのではないか。
まさか、やめてくれ、縁起でもない、そんな話は聞きたくない、みんなが嫌な気分になるじゃないか、和を乱さないでくれ、連帯感を壊さないでくれ、信じていないのか、忠誠心に欠けているのではないか、本当は反抗的だったんだな、猫を被っていたんだな。
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不祥事だって?
うろたえるな、落ち着け、何かの間違いに違いない、誤解に違いない、そのうち解ける、様子を見よう、そのうち収まる。
意見するのは面倒、骨が折れる、睨まれる、損をする、何ができるわけでもない、しょうがない、今さらどうしようもない、流されるしかない、成り行きを見守るしかない。
不祥事に塗れた他所が可哀想だと思った、自分たちは幸せだと思っていた、まさか自分たちがなるとは思わなかった、
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どうしてこんなことが罷り通っていたのか
自分は叩かれたくない、敵をつくらない、みんなで決めましたという形を取りたい、責任を分散する、根回しをする、できるだけ関係者を多くしたい、みんなが賛成している、自分が反対するのは野暮で空気が読めてない、何も言えない、みんなの責任、つまり誰の責任でもない、だからどんなことでも決められる、間違っていても反対じゃない、賛成している人が間違っていると思っていても決められる。
みんなが反対している、自分が賛成するのは野暮で空気が読めてない、何も言えない、みんなの責任、つまり誰の責任でもない、正しくても賛成じゃない、反対している人が間違っていると思っていても潰せる。
「賛成の反対なのだ」(天才バカボンのパパ Ⓒ赤塚不二夫) 奥が深かった。
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怒られることを想定しているのに穏やかに対応されると恐縮する、背筋が凍る、想定通りだ、怒った、証拠を録音できる、怒らせるためにわざと間違えたのではないか、怒らないほうが怖い。
怒った、怒鳴った、落ち込んでいる、言い過ぎた、あんなこと言わなければよかった、フォローしなきゃ、次は褒めよう、怒らないようにしよう、叱りと怒りは違う、冷静にしよう。
怒りに呑み込まれて自分が怒っていることもわからない状態だったのか、相手が落ち込んでいることに気が付く余裕も失われていた。
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舌鋒鋭く批判した、それなのに自分もやらかした。
他人がやったらおかしいこと、自分が、身内がやったらおかしいことだと気付かない。
徹底的に批判して追い込んだ人は徹底的に追い込まれた。
末路を知っている人は追い込まない。
忘れた人は追い込む、そして自分も追い込まれる。
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ポリシー(信条、思想)が違うから同じことをするわけがない。
ポリシーが違うからといって機械になるわけではない。
隙も油断も欠点もある人間だ。
社会主義だから資本主義と同じ失敗をするわけがない。支配層の入れ替えだった。
自由主義だから保護主義と同じ失敗をするわけがない。寡占の入れ替えだった。
理想は迷信だった。適応した者が勝つことに変わりはなかった。適応できる人がより多い体制を築くことが体制維持の道だった。
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火消しのつもりが油を注いでしまった。
日替わり弁当、およげたいやき君(JASRAC 014-2586-2)のように毎日毎日マイナス材料のネタが提供される、これは陰謀だ、水を撒いたつもりがガソリンだった。
勝てなくても負けなければいい、肝にもないことをいけしゃあしゃあと言っておけばよかった、正直に言ってしまった。
よく言うよ とか 狸 とか言われることに我慢がならなかった。
何と言われても負けなければいい。
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同じことを違う言葉で批判される。
考え方が違う人は 傲慢だ、間違っている、と批判する。
考え方が近い人は 能天気だ、危機管理の欠如だ、と批判する。
本音を言って誰にも批判されない人なんていない。(口に出すか出さないかは別にして)
負ければ全否定されるが全部やめる必要はない。
勝てば全肯定されるが全部やる必要はない。
どっちに転んでも必要なことをやる。
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人は人と同じ失敗をするようにできている。
人類史上初のオリジナルな失敗なんて中々出来ることではない。
それではまた。
やっちまった。予約投稿なのにUPLOADしてしまった。