「日本の役員報酬が低すぎるからカルロス・ゴーン氏は所得を過少申告せざるを得なかった。」
それは本当か。
J・P・モルガン「いかなる組織においても、いかなる企業であっても、トップの人間が一般社員の20倍を超える給料を得るようであれば、それは誤った経営である。」
ヘンリー・フォード「利潤とは仕事が立派に遂行された場合、結果として、後から生じるものであると考えている。」
まずはじめに、一定の利潤を得ることから出発することについて「馬車を馬の前につないで馬車を走らせようとするのと同じである。」
最初に利潤から考えるのは本末転倒である。創りたいもの、世の中に提供したいものが先にあるのではなく、何か儲かることはないかと先に考えるのは本末転倒と言っています。
世の中にはそういう人も結構いると思うけど、現代社会なら給料や年収ランキングで就職先を選んだりとか、それも否定しないけど本人と組織に親和性がなかったら続かない、その仕事の目的は何なのか、仕事の成果は何なのか、そのために何をすべきか、を考える気にならなければ続かない。
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「不景気に対する私たちの処方箋は、常識に反し、価格を下げ、賃金を増加させることである。」
当時の不景気はインフレだったから常識は値上げで、賃金は下げたり解雇が行われた。
そんなことをしたら購買力が低下して不景気のスパイラルに陥って結局企業経営の首を絞めることになった。
「深刻な社会的損失が襲ってくるのは、太陽が照り輝き、万事、至極うまくいっているときに、私たちが経済問題について考えるのを拒否するからである」
「不景気の種は、私たちが好況期に犯す過ちの中にある」
「好況期には、自分が犯しているかもしれない過ちに、誰も耳を傾けようとしない」
「このとき(好況期)にとられる方針は「儲けられるときには儲けておこう」ということなのである。」
将来への備えはおざなりになり、配当の、株価の、資本回転率の、含み益の最大化を目的にするというバブルを演じて本末転倒が行われて競争力を失う。最悪の場合はバブルがはじけた(化けの皮が剥がれた)ときにユーザーにも株主にも見捨てられる。
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カリスマを唾棄せよ―ピーター・F・ドラッカー
「私たちは誤ったリーダーの例を数多く見てきました。」
熱狂で迎えられたが、国民を奈落の底に沈めたリーダーもいた。
好決算の連続でカリスマ経営者と崇められたが粉飾決算だった。
「私たちに必要とされているのは、リーダーを待望する姿勢ではなく、リーダーの登場をおそれることなのです。」
「カリスマ性というものに対しては、不快感を抱くべきです。」
古代や中世なら天才に頼る組織はありえた、日本も戦後の勃興期なら天才に頼る組織はありえただろうが、組織の数が膨大な現代社会において天才がそんなに大勢いるわけがない。カリスマなんて眉つばと思ったほうがいい。
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「欲望は善」なんてウソ
人間は怠け者で自己中心的で強欲だ、市場の声がすべて、人間の欲望で市場は動く、すべてを市場のメカニズムだけに委ねればいいという市場至上主義。
それがすべてか、それだけか、それ以外の要素はないのか。
「自分は怠け者で自己中心的で強欲だけだと思っている人、手を上げて!」
いるの? そんなステレオタイプで人間が割り切れるわけがない。
ありえない話を前提条件にファンタジーを騙っている。
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富の偏在は市場の流動性を損なっている
1人で100人前を食べたり、100着着れるわけがない。
成功の証として豪勢な生活を送るのでもいい。
国の将来のために、国際社会のために子供や若者の育成に社会還元をする篤志家もいる一方で、既得権益を守ることや私腹を肥やすことに使われたり、死蔵されて社会、市場に還元されない大量の資金も発生する。
租税を回避してインフラ公共サービスはタダ乗りで、払っている個人や法人に負担させる。
3カ国、4カ国を年中飛び回って定住せず、課税を逃れて公共サービスだけ受け取る。
グローバル経済の徒花です。
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グローバル経済の権化になってしまったフランス
2018年はデモやストが頻発しました。経済格差が広がり若年層の就職が見捨てられた状態で、友愛 平等を謳われても うそつけ と反発を受ける。
国民の反発をやわらげるためにルノーと日産の統合を急ぐのではないか、世界最大級の自動車メーカーの本社がパリにあると政治的成果のアピール、選挙目的のために。
それはギャンブル以外の何ものでもない、泥沼の離婚劇が予め約束された結婚のようなものだ。
政治利用するどころか政治が離婚劇に巻き込まれて国民の支持を失って政権交代になりかねない。
結婚なんて考えないで、いいお友達でいたほうがいい。
会長は3社で輪番制でいい。
(じゃ 三菱の会長が三社連合の会長になることもあるんだ)
それはいい、大きい者が小さい者を支配するのではない、リスペクトの対象はカリスマではなく3社連合、3社で一番規模が小さい会社からも会長が出る。それこそ日仏連合を世界にアピールすることになる。
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自分で会社の私物化を証言してます
損害を与えてないから潔白だと主張する。
損害の有無の問題じゃない。
会社の私物化が問題なのです。
そこまで感覚が麻痺してしまったのか。
投資で損失を被って銀行に追加担保を求められて、名義を会社に替える。
個人的な損失を会社につけかえるのは不正じゃないとのこと
ならば会長以外の社員や役員も投資で損失を出したら会社の名義に替えるのを認めるのか。
(銀行が認めるわけないじゃない。)
だから地位を乱用した私物化なんだ。
ミシュランなら通るのか、ルノーなら通るのか、日産なら通るとなめられた。
正当というならば日産の損失をゴーン氏の資産につけかえても文句はないのでしょ。
従業員が私的な投資を会社名義に付け替えるのを承認するのでしょ。正当というのですから。
それではまた。
※続きのエントリーは1月19日です。
来週12日は12月29日のテーマの続きです。
- 作者: ピーター.F・ドラッカー,窪田恭子
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