ザフト最高評議会議長ギルバート・デュランダルは戦争の要因は自身への不当な評価や現状への不満であると考え、より効率的な社会システムの構築を目指した。
デスティニープランの施行下ではナチュラル・コーディネイターを問わず全人類の遺伝子を採集、解析し、各自の適正職業が選択される]。そしてその解析結果は各自に伝えられ、最適職種に振り分けられるというものである。
このシステムは基本的に強制であり、職業選択において自由意志は存在しない
遺伝子のみを判断基準とするため、後天的な努力によって職業を得た者などはその職を追われる事となる。
競争の否定です。
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競争の否定とはじつは努力の否定です
才能がないのに努力をしなかったら何が残るのか、何も残らない。
あなたには才能がないのですから無駄な努力はしないでください。遺伝子の解析結果で適性があることにだけ注力してください。
何か違うとか、他の道を なんて考えなくていいです。その考えは愚かです。その考えを改めないのなら矯正施設に送ります。
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遺伝子情報とは確率です
宇宙のことがすべてわかっているわけではない、空・海のことがすべてわかっているわけではない、陸上のことがすべてわかっているわけではない、地中のことがすべてわかっているわけではない、人体のことがすべてわかっているわけではない。
永遠に途上かもしれない。
遺伝子だけですべてを決めるのは危険です。
データ上で確率がないことに挑戦することを禁じられたら、過去のデータのない新製品、新サービス、新発明、新発見はできなくなります。
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ここでも忠誠心競争が始まります
コズミックイラ以前の先史時代の独裁制のようなことが起こります。
忠誠を自認する人はわたしはデスティニープランの忠実な信奉者ですと自己PRするために、道に悩む人をデスティニープランを信じていない不心得者として密告します。
道に悩む若者は矯正施設に送られ、遺伝子のエラー扱いされて手術されます。
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遺伝子レベルで探究心を奪われる
余計なことを考えるのは探究心、好奇心があるからだと断じてついに遺伝子レベルで奪う改造術を編み出しました。
最初から仕事を完璧にできる人はいません。
努力や向上心を支えるのは好奇心や探究心です。人の技術技能に興味をもつことです。
何の関心もなく興味もわかないことに人は惜しみない努力を続けることはできない。
強制されてイヤイヤやっているのは努力ではなくて心は奴隷です。たとえ報酬を得て体は奴隷ではないとしても。
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きれいな人を見て自分も努力してきれいになろう
遺伝子上無理です、とシャットアウトされるのがデスティニープランです。
密告されて矯正施設に送られますが、容姿ではなくて心が矯正されます。
先史時代の民主主義国家で非難された差別がコズミックイラで行われます。
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好奇心、探究心を奪うと向上心、努力を奪われ、気力を失います
技能を高める気も、子育てする気も失って、プラントを維持できなくなります。
でも地球に戻る気力もないので地球との戦争は起こりません。
プラントで種としての滅亡を待つばかりです。
デスティニープランで確かに戦争はなくなります。戦争を起こす前に種として自滅するのですから戦争を起こしようがないのです。
戦争を無くすために人類を滅ぼす。
なんという皮肉に満ちた計画でしょう。
目的は戦争で人類が滅びないようにするためだったのに、戦争以前に人類が自滅するプランだったのです。
作中でデスティニープランの発表で全人類がブーイングしなかったのがコワかった。
それではまた。