nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

競争を禁じると忠誠競争が始まります

平等を実現するために競争を禁じた社会がありました

 

疑問を差し挟む人は“反動”“帝国主義者”というレッテルを貼られました。

 

理論が正しいのだから結果はついてくるはずだ。

論より証拠ではなく、証拠よりも論でした。帰納法(事例や実例から傾向、結論を導き出すこと)はご法度でした。

思想と理論は正しいはずなのに、事実と現実が追いつかない、矛盾の責任はスケープゴートを仕立て上げて大衆の目をくらましました。

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(※ソ連政府はミハイル・ゴルバチョフ書記長の時代に1930年から1953年の時代に786,098人が反革命罪で処刑されたことを公式に認めた。)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%B2%9B%E6%B8%85

 

「過酷な取調べ・尋問の過程で死亡した者や、有罪判決を受けて劣悪な環境下で服役中に死亡した者の人数については正確な統計が残されていないため、その人数を合わせれば死亡者数は増大するはずである。また農業集団化に伴う「富農」追放や、飢饉によって死亡した人数は、推計によって最大約700万人に達する可能性がある。」

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資本主義の要素を全否定したカンボジアポル・ポト政権

 

通貨の廃止、私有財産の没収が行われた上、教育や医療も否定され、国立銀行を初めとした国家機関はその全てが廃止された。

また、カンボジアで伝統的な上座部仏教も弾圧の対象とされ、全ての僧侶が強制的に還俗させられ殺害され、寺院は破壊された。

ポル・ポトは米の生産量を3倍に引き上げることを目標に掲げ、この目標の下、都市住民を農村に移住させて農作業や灌漑施設の建設などのために、劣悪な環境のなか朝5時から午後10時まで働かせました。

近代的な機械は資本主義の罪悪の象徴とされたため、機械の使用は許されず、全ては人間の手作業によって行われた。

過酷な労働環境の結果、過労により死亡する者が相次いだ。また生産も計画通りとはいかず、貧しい食生活と劣悪な労働環境は多くの国民を飢餓、栄養失調、過労による死へと追いやっていった。

 

このような惨状を目の当たりにしたポル・ポトは、自身の政策の失敗の原因を責任転嫁しました。裏切り者やスパイが潜んでいるためであるとしてスケープゴートを仕立て上げて粛清を行いました。反革命分子であると。(本人は信じ込んでいたかもしれません。)

 

眼鏡をかけている者、文字を読もうとした者、少しでも学識がありそうな者は片っ端から殺害された。

ベトナムが支援するヘン・サムリン政権は1975年から1979年の4年間の死者数を300万人とした。(これはのちに下方修正された)(カンボジアの人口は約800万人 、国民の3分の1以上が文字面通りの革命実現のためと称して殺害された)

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イデア競争はご法度―許されたのは忠誠競争

 

自分が生きるために、上の覚えをよくするために隣人を売る。隣人を売ることで権力に対する忠誠心をアピールする。

粛清、強制収容所送りを怖れ、濡れ衣をいつ着せられるかわからないと疑心暗鬼になり、自分が売られる前に人を売って忠誠心をアピールする。

それは気休めにもならなかった。

もはや気休めという感覚もなく思考停止をして罪悪感もなかったのか。

恨みと憎しみと軽蔑を買い、独裁政権が倒れたら、売られた側が許さない。

本人が生きていなくても周囲は知っているので吊るし上げにされました。

独裁者に媚びを売って人を売った協力者は独裁者が倒れると吊るし上げになります。

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忠誠とは

 

自らが所属する国家、団体、それらの権力者、または思想に対し,尊敬の念を伴った献身と服従の態度を示すこと]

英語では

  1. Fidelity:約束・主義などに従うこと
  2. Loyalty:個人の心、感情から来る献身を表す
  3. Allegiance:国や組織への義務的な忠誠

忠誠は狭義の意味で③と捉えられ、権力・党への忠誠の証として密告、民族浄化が忠誠競争でエスカレートして、捕えられる前に身の危険を感じた人とその家族は亡命者、または難民となりました。

アメリカに亡命する場合、申請時にアメリカ国外にいる場合は難民申請、国内にいる(ビザ入国済み或いは不法入国)場合は亡命者保護認定申請)

①も②もなく狭義だけで捉えられた③だけの忠誠心は危い

 

忠誠という名の下に不正、不法、不道徳、無慈悲な行為が行われる。③しかないのは忠誠といえるのか。

広辞苑では まごころ、まことを尽くす心

なんでもかんでも上の言いなりになるのは忠誠ではない。

 

忠誠の名の下に 密告、民族浄化、不正が行われる。

まごころ まことの心を尽くして 不正を行うって支離滅裂で破綻している。

忠誠を誓え、忠誠心が大事 と言っている側のその行動が忠誠でない場合もある。

鵜呑みにしないで気をつけよう。

 

 それではまた。