今日、自衛隊と日米同盟を否定する意見は少数派です。
憲法9条を文言通りに捉えると自衛隊も日米同盟も成り立ちません。
日本人は憲法を文言通りに受け取らずに解釈するという選択をして戦後70年を迎えました。
そんな器用なマネができないドイツ人(当時西ドイツ)は1954年国防軍創設、NATO加盟にあたり憲法を改正しました。
憲法を文言通りに受け取れば集団的自衛権のみならず、自衛隊も日米同盟も違憲です。
それは言わないお約束(空気)でした。
自衛隊は違憲と言っていた共産党も(事実上)持論を引っ込めました。
国会の一番右から左まで憲法の読み方は文言通りではなく解釈することで統一されました。
その空気を第二次安倍政権は破りました。
自衛隊も日米同盟も違憲ではないのなら、集団的自衛権だけ切り離して違憲と言うのは欺瞞である。
個別的自衛権のみで運用される国防体制は第一に永世中立である。
(第二は同盟を結ぶ相手がいない国です。)
集団的自衛権を行使したら中立とは言えない、スイスは他国の助けを借りることなく兵力不足は徴兵制で補って中立政策を維持している。
(スイスの場合、個別的自衛権=徴兵制です。集団的自衛権=徴兵制と決め付けるのはデマです。)
しかし日本は永世中立国ではなくアメリカと同盟を結んでいる。
集団的自衛権は既成事実である。
ベトナム戦争や湾岸戦争で日本は米軍の後方支援基地として機能し、今も機能し続けている。
外国から見たら日本が集団的自衛権に参加していないなんて嘘です。
国会も学会もそれは言わないお約束にしてきたのに第二次安倍政権に破られてみんな怒った。
言い出しっぺは民主党
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/h22-dex.html
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shin-ampobouei2010/houkokusyo.pdf
新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会
第四章 安全保障戦略を支える基盤の整備
「自衛隊の任務として、他国の要員の警護や他国部隊への後方支援を認めるべきであり、これらは憲法の禁ずる武力行使の問題とは無関係であり、必要であれば従来の憲法解釈を変更する必要がある。」
この考えは野田内閣、第二次安倍内閣へと引き継がれました。
国会の論戦は原案通りに採決か廃案かの二者択一を迫られました。(失われた第3の道)
民主党の採るべき道は「我々が考えた集団的自衛権はそんなものではない」と政府に対して修正を求める第3の道でした。
学者の違憲発言と世論調査の結果を受けての判断か、集団的自衛権=違憲に終始して落とし所を探る話し合いには至らず国会は対立の場になりました。
学者の意見と世論調査に左右されることなく党の考えを示してほしかった。
これでは政治家の顔が見えません。
世論調査とは市場調査のようなもの
市場調査では今存在していないものに対する選択肢はありません。
世論調査では第3の道を提示されることはありません。
政党のチャンスは世論調査に出てこない第3の道を示すことにあるのに追随してしまったのか。
与野党間の調整
日本経済新聞 2015年9月20日 総合政治面
“鴻池氏は休憩のため自民党控室に戻るたびに民主党の北沢俊美筆頭理事と電話で連絡を取り合った。野党が抵抗を続ける17日未明の採決は見送る代わりに、17日中には採決に踏み切ることを伝えていたのだった。”
“18日夜にかけて抵抗のヤマ場をつくりたい野党の要求を自民党の吉田博美参院国会対策委員長らが受け入れた。”
最初は採決する気のなかった与党参院議員
“来夏参院選の改選組には「一番良いのは、採決せずに衆院が再可決することだ」との声が漏れていた。”
デモがなければ衆院に任せて採決はしたくなかった。
小沢一郎 生活の党党首にデモ隊からの「帰れコール」なし
小沢一郎党首といえば、1990年の湾岸戦争当時は自民党の幹事長でアメリカからの協力要請に慎重な海部俊樹総理(当時)をプッシュして自衛隊の海外派兵への道を開いた先駆者(賛成派にとって)、張本人(反対派にとって)です。
反対デモ隊の前に張本人が現れたのに「帰れコール」があったという報道はなかった。
大人の対応をしたのか、誰も知らなかったのか。
20代は生まれる前、もの心つく前の話だから知らないかもしれないが、40代後半は当時成人していた。
新聞テレビで大きく扱われていたから知らないということは考え難い。
忘れたのか、知らないフリをしたのか。
岡田民主党代表に対しても「帰れコールなし」
「憲法守れ」と言っているのに党の方針が改憲の民主党党首が目の前に現れたのに「帰れコール」があったという報道はなかった。
将来はともかく今反対してくれるのなら誰でもよかったのか。
シールズは野党に辛口のエール
朝日新聞 2015年9月20日 総合2面
デモの主催団体 “シールズの奥田愛基さんは19日朝、国会前のデモを終えるあいさつで「また選挙の前になったらバラバラになるかもしれない。全然信じていないです、すみません。野党が協力して、次の選挙に勝って下さい」
大人の事情を見抜いた? ある意味 鋭いじゃん。
それではまた