nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

平和を守れ とは 力を以て平定しろという意味だった。

平和とは 国語辞典では 戦いや争いがなくおだやかな状態。とあります。

 

日本で「平和」という言葉が生まれたのは明治時代に入ってから、外来語のPeaceが入ってきてからです。

 

それまでは「天下泰平」と言われました。幕府の力により全国が平定された状態です。

 

Peaceは、ラテン語のPaxを語源とする言葉です。

パクス・ロマーナ(ローマによる平和)とはローマ帝国の力による平定です。

戦争のない平穏な状態を表すというよりも、強い意志と力を以て平定された状態を表します。

帝国の安全のために遠征と戦いを繰り返しました。

 

大英帝国の最盛期である19世紀から20世紀初頭までの期間は砲艦外交と植民地支配によるパクス・ブリタニカと呼ばれ、第二次大戦後から現在は覇権国家アメリカ合衆国の力によるパクス・アメリカーナと呼ばれています。

 

19世紀に欧米列強による侵攻を受ける前までは中国はアジアにおける覇権国家でした。かつての覇権国家の地位を取り戻そうとすることは覇権国家アメリカとの摩擦や対立を引き起こしかねません。

 

トルコがオスマントルコの再興、イタリアがローマ帝国の再興、モンゴルが元の再興(中国・ロシアが併合されてしまう)と言い出したら収拾がつきません。

 

明の再興ならチベットウイグルと東北部(タタール)は別の国ということになります。

 

パクスを語源とする「平和」も古来の「太平」も力によって平定された状態を表す政治的な言葉です。

※因みに同じく漢字を使う中国語では「平和」ピンホーは 性格がおとなしい という意味やマージャンの上がりの手になります。

 

造語された「平和」という言葉は年月をかけて日本人が願う「平和」戦いや争いがなくおだやかな状態 を指すこととなりました。

 

しかし「平和主義」「平和外交」「平和を守る」とは聞く相手、民族、宗教によって捉え方が変わります。

キリスト教イスラム教といった一神教の中には神の名において平和のために戦うという考え方もあります。

必ずしも日本人が考えるような穏健な意味に受け取られるとは限りません。

 

「平和」と言うことで説明したつもりになると誤解を生むことになります。

日本人同士でも国会の中と外でデモする人と周辺で意味が違ってきているのですから。

 

それではまた。

 

 

世界史年表・地図(2015年版)

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