中国軍が埋め立てを進める南沙諸島(スプラートリー諸島)にアメリカ海軍が駆逐艦を派遣したことについて米中の対立という報道があるけど。他人事か?
南沙諸島はシンガポール(マラッカ海峡)から日本への最短航路にあります。
アフリカ、中東、タイ、インドネシアからの貨物船、タンカーの主要航路です。
韓国や台湾にとっても同様です。
ベトナム、マレーシア、フィリピン、ブルネイ、オーストラリア、そして当事国のアメリカと中国にとっても貿易の航路です。
★☆★
何故ベトナム、フィリピンも領有権を主張していたのに強引に埋め立てたのか?
各国にとって経済の血管にも等しい航路に規制をかける。そこを一人占めして政治的圧力をかける。
(台湾に対して一つの中国であることを認めさせる。)
貴国の血管を止めようとすればいつでも止められるのですよと無言の圧力をかける。
中国が共産主義国家だということを欧米は忘れていた。
共産主義革命においては「革命無罪」と唱えられ革命のための暴力は正当化されています。
鄧小平主席の改革開放路線により、中国はソ連とは異なる社会主義国で暴力革命は目指さない開かれた国になったという認識を持たれました。
アメリカに経済力で追いつめられるソ連の姿を見て、中国は革命にはカネが要ると悟ったのです。
EU加盟国のイギリス、ドイツは中国との経済関係を重視してアメリカとは距離を置いた態度をとっています。
中国はカネ(経済)を使ってアメリカとEUを分断しました。
★★★
20世紀の革命はゲリラやテロ、暴動で政府を倒して社会主義政権を樹立するというものでした。
21世紀の革命はカネを使って同盟を結ぶ相手を分断し翻弄して、正規軍で無言の圧力をかけるというものです。
圧力に屈しない相手に対する実力行使で負けたら恰好がつかないので軍備に予算を費やします。資本主義国に朝貢させて社会主義中国の地位を高めて(見返して)人民の不満を抑えて社会主義体制を安泰にする。
日本を非難するのは日本の真似をしているから。
チベット、ウイグルの中国化をはじめ欧米から人権問題を非難されると戦時中戦前の日本の話を蒸し返します。
70~100年前の日本と同じことを(周回遅れで)やっているんだ、文句を言うな。
川や海や空気を高度成長期の日本のように汚しています。(もっと大きなスケールで)
日本は欧米に習ったのです。先生である欧米を非難しない(できない)のは何故なのか、欧米コンプレックスまで日本の真似をしているのでしょうか。
遅すぎたアメリカの対応。
アメリカの軍艦の派遣は中国が埋め立てを始めて、ベトナムやフィリピンの船と中国の艦が衝突したときに行わなければ意味がありません。
中国とフィリピン、ベトナムの仲裁を取り持つという大義名分が立ちました。
埋め立てが終ってから党大会の最中というメンツを潰すタイミングで行ったのではお互いに引っ込みがつきません。
あまりにも利害の絡みが複雑な海域なので13カ国の共同管理というカタチにしてうやむやにしたいと考えるnikoichiです。
それではまた。