(逆さ立山 夏の室堂みくりが池にて)
前回、長崎新幹線(新鳥栖~武雄温泉間建設)はフリーゲージはやめて山形、秋田と同じミニ新幹線にした方がいいと書きました。
時速300キロ運転が出来ない車輛を開発しても山陽新幹線運行のネックになるから、結局乗り入れが出来ずに開発費が無駄になるからです。
(試験車両は台車の樹脂部品が割れたり欠けたりするトラブルに見舞われている。/2015年8月19日 朝日新聞 夕刊) 軽量化にも苦心している様子が伺えます。
本当に必要なのはJR西日本の大阪から北陸へのルートです。
北陸新幹線は時速300キロ運転を行っていません。
平日はガラガラの北陸新幹線
需要と供給で考えたら東京~金沢よりも大阪~金沢の方が優先順位が先です。
大阪・金沢間は特急サンダーバードが30分刻みで運行され、北陸本線の近江塩津からは名古屋・金沢間運行の しらさぎ が1時間刻みで入ります。
北陸新幹線開業前の東京からのルートは 上越新幹線の越後湯沢と金沢を往復する はくたか がほぼ1時間置きに走っていました。
金沢を中心にして列車の密度は大阪方面は東京方面の3倍なのです。
順当に考えれば新大阪からも名古屋からも東海道新幹線を通って米原から新設した北陸新幹線を走ればいいと思われます。
しかし、東海道新幹線は3分間隔で運行されており、間に北陸方面の列車を入れる余地がありません。
新大阪~米原~名古屋間に別途高架軌道を建設しようとすれば、高度成長期ならいざ知らず、沿線自治体の合意、地権者の合意、建設予算の獲得のための国会審議、実際の工事の人員確保を考えたら完成まで何年、何十年かかるかわかりません。
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大阪からの暫定ルート(将来は大阪・金沢はフル規格になる)
大阪から(新大阪からではありません)フリーゲージ列車で湖西線を走って北陸本線との合流地点 近江塩津付近から新設した専用軌道に入りゲージを切り替えて金沢に至る。
これで東京から日本海側を経由した関西へのルートができます。
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名古屋からも東海道線を走って米原から北陸本線を北上し近江塩津付近から専用軌道に乗り入れて金沢に至る。
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金沢から先は糸魚川付近でゲージを狭軌に切替えて、えちごトキメキ鉄道で直江津を経由して信越本線に入り日本海の名所 鯨波海岸を眺め 長岡から再度ゲージを標準に切替えて上越新幹線に乗り入れ新潟に至る。(2016年1月3日追記)
これで関西、北陸から新潟への貫従ルートが完成します。
(荒天時の迂回ルートとして直江津から先、犀潟で北越急行線に乗り入れ(北陸新幹線開業前の連絡特急)681系はくたか と同様時速160キロ運転で運行し、合流地点の六日町付近で再度ゲージを標準に切替えて上越新幹線に乗り新潟に至る。)
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北陸新幹線が開業したのに所要時間がほとんど変わらない富山~新潟
北陸から新潟に向かう場合、北陸新幹線開業前の所要時間は
特急 はくたか 金沢~越後湯沢 2時間40分
富山~越後湯沢 2時間
上越新幹線 越後湯沢~新潟 50分 でした。
(所要時間 3時間30分と2時間50分 乗り換え時間含まず)
北陸新幹線開業後は
(所要時間 3時間4分と2時間40分 乗り換え時間含まず)
金沢~新潟間は26分の短縮ですが、富山~新潟間の短縮は10分です。
しかも はくたか は約1時間間隔でしたが、しらゆき は1日5往復です。
需要予測として5往復で十分という結果だったのでしょうが利用者は時間の融通が利かなくなりました。
フリーゲージ従貫ルートが完成した場合
富山~糸魚川 26分
上越新幹線 長岡~新潟 22分
(所要時間 2時間28分と2時間4分です。金沢からは北陸新幹線開業前より1時間2分短縮、現行より36分の短縮になります。 さらに現行は乗り換え時間がプラスされます。2016年1月3日追記)
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何のためにフリーゲージトレインを開発するのか。
九州新幹線、長崎ルートの途中の鳥栖~武雄間の在来線を走らせるため では強い動機にならないから、開発に時間がかかるのならフル規格にしようという話になるのではないか。
長崎県と佐賀県しか関係ない。しかも完成しても山陽新幹線を時速300キロで走れないのなら足手まといだと。
大阪・名古屋から新潟まで繋げる話なら 大阪府、京都府、滋賀県、岐阜県、愛知県、福井県、石川県、富山県、新潟県が関係する。
金と人(知恵)が集まるのではなかろうか。
それではまた。