自動車に限った話ではないけど、欠点を見つけ出して指摘して分析して解説することが鋭くて賢いことだという風潮があるのではないか。
かつて一億総白痴化、一億総中流と言われ、今は一億総活躍という標語もあるが、一億総批評の時代でもある。
予め文句を言うことが想定されているのではないか、その期待と注文に応えるべく文句を言うテレビのコメンテーター。
あれもダメ、これもダメ、ここがダメ、だからダメ という批評が巷にあふれている。
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モノを悪く言うのは簡単ではないのか。
Google検索すれば、罵倒罵詈雑言はすぐにヒットする。
モノを悪く言うのって簡単だ。
褒める方が難しいのではないか。
よくもないモノを褒める提灯記事に釣られたくないという警戒意識が働き、提灯記事に対する批評が始まるという予定調和。
いいモノを見出して褒める方が難しいのではないか。
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いつも褒めていると提灯記事と言われる。
いつも厳しいのに偶に褒めたりすると裏に何かあるのではないかと疑われる。
あんまりきつい事を書くと、この前の記事は何ですか。とか言われて取材がやり難くなることはないのか。
取材時の約束事で出せる話と出せない話がある。
時期を見て解禁となる話もある。
取材先の信用を失えば取材の制約が生じたり広告収入に影響が出る。読者の信用を失えば売れない。という板挟みではないのか。
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褒めても提灯と言われない稀有なメディア
メーカーの広告がない。発売前の試乗を行わない。コネがない。弱みが逆に利点になる。
輸入車ばかりを褒めている訳ではない。国産でも褒められる車種もある。
輸入でも国産でもダメと書かれる車種もある。
1985年(昭和60年)の創刊以来 遠慮のない歯に衣を着せない過激な批判記事を売りにしてきた。創刊当初の記事の過激な言いっぷりには引いたものだった。
しかし、初代日産プリメーラ(1990年発売)の評価が高いところは波長が合うところもあった。
(古くは初代トヨタ・エスティマ(1990年)、6代目三菱ギャラン(1987年)、8代目日産スカイライン(1989年)、最近ではマツダCXー5(2012年)、アクセラ(2013年)、スバル・インプレッサ(2011年 新型はどう評価されるか)、フォレスター(2016年マイナーチェンジ版)、スズキ・アルト(2015年)、ソリオ、バレーノ(2016年)の評価が高い。)
誰が買うのか。
中身は月刊誌の連載の再録記事です。
連載のファンが買うのでしょう。
月刊誌の購入者が買うのでしょう。
ファン以外は買うのか。
大メーカーの人気車種の二つ星評価を見て、実際に車を買った人は面白くない。
人気車種を検討している人も面白くない。
スルーされるのではないか。
購読した後で本棚や端末に残すのか。
二つ星や三つ星の記事を読んでもワクワクしないから飽きて保存版とはならず雑誌媒体ならブックオフ行き、端末のメモリーからは削除。
四つ星以上の記事だけなら保存版にしようと思う。
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評価メンバー エ=エンジニアリングコンサルタント(クライアントの製品がお題になったらどうするんだろ)、T=ベテラン実験ドライバー(現役なのかな?自社の製品が俎上に上ったらどうするんだろ)、チ=チューニングショップの社長兼エンジニア。元部品メーカーのエンジンニア。(定年退職した人かな?)通=自動車界の事情通。(ジャーナリストかな?)
評価の見かた ★=まったく買うに値しない。★★=ちょっと考えたほうがいい。★★★=一応オススメできる標準作。★★★★=積極的に買いの秀作。★★★★★=買わなきゃ損する超逸品。
……とあります。 ※( )内は推測です。
四つ星と五つ星のみ特集したならある意味バイヤーズガイドになるのではないか。
よいと思うモノを載せて、おすすめできないと思うモノは載せない。これなら検討する人の参考になるのではないか。
検討中に匿名の座談会形式で三つ星以下の記事を読んでもうんざりする。楽しくない。
実車を買った人が四ツ星以上の評価を見たら「うちはいい買い物をしたんだ。」と肯定感を得られて記念にとっておこうとするのではないか。
褒めるのが難しいモノの評論は月刊誌の連載でもう十分。
マガジンX/商品詳細 「ざ・総括。」 いま日本で買える24車総まくり
「クルマを愛するからこそ飛び出す、ホンネや辛辣な意見…」とあります。
褒めるのが難しいモノは別冊では無視する。
良いモノを これがいい と一冊にまとめる。
それを辛口のマガジンXがやるのは痛快ではないか。