総務省仮想課の菊岡はSAOをクリアして目を覚ました桐ケ谷和人に、調査のためのヒアリングを求めると条件を出されます。
知っていることは可能な限り話す。その代わりに俺の知りたいことを教えろ。
結城明日奈の居場所を教えろ。と
規定に反して菊岡は和人に入院先を教えました。(個人情報の漏えいです)
夫婦(SAO内では)なんだから教えていいじゃないか。と粋な計らいをしたのか。
規定は行動を規制するための手段であって目的ではない、SAO事件の解明という目的のためには桐ケ谷和人の協力は欠かせない。教えるメリットと教えないデメリットを天秤にかけて規定違反をするワルなのか。
石頭やくそ真面目でないことは確かです。
石頭だったら、「個人情報の漏えいになるので教えられません。」と言い、
くそ真面目だったら、規定に違反しないように明日奈の家族に事前に了解を求めようとしてシャットアウトされます。
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明日奈と再会できると思っていた。しかし明日奈は目覚めていなかった。
和人は明日奈を含む300名のプレーヤーが目覚めていないことを伝えられました。
見舞いに来た和人に対して、実業家である明日奈の父は「おおっ来ていたのか桐ケ谷君、たびたび済まんね」 (3巻)
家族が当然のように容認している。
そうか? と思った。
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???現実の知人ではない和人が明日奈の入院先の病室に入ることを明日奈の家族が容認している。
明日奈の入院先は守衛に誰何され、受付で通行パスを発行してもらって入ることができるセキュリティ管理の厳しい高度医療機関の その最上階です。(料金も高い個室です)
和人が1人で病院に行って中に入れてもらえるのか。
病院側が部屋を教えるか。
明日奈の家族は訝しむのではないか。
「どうして娘の入院先を知ったんだ、情報漏洩だ、どうして知ったんだ。」という騒ぎになりかねない。
総務省の官僚 菊岡にとっては最悪のシナリオです。
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騒ぎになってはまずい。
最初の見舞いには菊岡は和人と同行することが必須です。
面倒臭がったり保身ばかり考えて同行せず、和人に一人で行かせると逆に自爆します。
でも恩着せがましく、規定違反であることをほのめかして、君の頼みならと和人を公用車で明日奈の入院先へ連れて行き、明日奈の家族に紹介します。
公用車を使用する以上、公用です。SAO事件の調査という名目です。
キリトがSAOをクリアする前、菊岡は桐ケ谷和人の家族に「ゲーム内でのレベルが全体のトップ数パーセントに位置すること―常に危険な最前線で戦闘を行う、数少ない攻略プレーヤーの一人であることを」伝えます。(原作3巻)
キリトと一緒に行動するアスナの家族にも同じことを言っていたのではないか。
総務省SAO対策室チームのメンバーとして明日奈の家族にも面通しは済んでいた。
最初の見舞いは守衛、受付、家族に対して総務省の菊岡として対応して和人と一緒に明日奈の病室に入ります。
覚醒してリハビリ中の和人は松葉杖をついて明日奈を見舞います。
官僚 菊岡は桐ケ谷和人(キリト)を結城明日奈(アスナ)の家族に紹介します。
モニタリングのデータを示して2人がSAOで同行していたことを示します。
彼はSAOをゲームクリアした英雄です。
彼の活躍で6000人がSAOから解放されました。
残念なことに300人がまだ目覚めていない状況ですが。
お嬢さんが生きているのは彼のお陰です。
※(SAOで4000人が犠牲になりました。)
和人は戸惑いました。違うと言いました。俺こそ明日奈に助けられていた。
明日奈がいたから希望を持てた。現実に還りたいと思った。必ず現実に還すと誓った。
アインクラッドで最後の瞬間まで一緒だった、二人とも一緒に現実に帰ってくるはずだった。
それなのに自分の意識だけ戻り、明日奈が解放されていないという理不尽に憤りと悲しみの想いが湧き上がるのを止められない。
頬にふた筋の涙が流れる。
和人と眠る明日奈の二人を残して看護士、家族、菊岡は一旦退室します。
(モニタリング装置完備の部屋です)
別室で和人の様子を家族と病院関係者はモニタリングします。
監視するつもりでしたが、痛々しい思いが伝わってきました。
明日奈の父は和人に いつでも来て下さい。と伝えるのでした。
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石頭とくそ真面目は菊岡を非難します。規定違反だ。許されないことだ。と
菊岡は軽蔑します。ならばお前が300人を救ってみせろ、何もできないくせに。
桐ケ谷和人を300人を拉致しているシステムにダイブさせる以外に突破口はない。
桐ケ谷和人を突き動かしているのは結城明日奈への想いだ。
桐ケ谷和人を眠り続ける結城明日奈に面会させるべきだ。
ワルだと思われても、二人から利用されていると思われてもいい。
規定を守ることを最終目的にして300人が犠牲になることを厭わない愚か者めが。
300人が眠っているのは自分の責任ではないといって時間を浪費するつもりか。
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正論をふりかざしたつもりの人は規定も守って300人も救うべきだと、もっともらしいことを言います。
どうやって? と問われると答えられません。
みんなで考えましょう。とか、あなたの考えることです。とか言って逃げます。
答えられないから もっともらしいことを言えるのです。
考えていたらもっともらしい結論を言えるものではありません。
考えていたら手段、方法を語ります。
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前回、開発者もSAOにプレーヤーとして参加した。(身柄の確保ができなくなった)
と書きました。
原作4巻では開発者は信州の山荘に潜んでナーヴギアはログアウトも自由の状態で参加していました。
???でした。
2年も見つからないで、身柄が確保されないのだろうか。と思った。
見つかったら当然途中でゲームを中止させられます。
途中でゲームをやめる可能性を残したのか。(身柄を確保されて受動的にやめる。)
万が一のことを考えて、現実世界からコントロールして参加者をログアウトすることも考えていたのか?
それならば4000人も犠牲者を出すまでゲームを続けないのではないか。
最後までゲームをやるためには、他のプレーヤーと同様にゲームクリアまでログアウトできない状態でダイブするしかない。
なので、開発者もSAOにプレーヤーとして参加した。(身柄の確保ができなくなった)
と書きました。
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全部説明されている必要はない。
???と思ったら自分で補完する楽しみができたと思えばいい。
“おかしい” とか “説明不足だ” とか “矛盾している” とか批判するよりも楽しいじゃん。
それではまた。