nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

『人口が減ると国が滅ぶ』 と 『人口が増えると地球が滅ぶ』 のジレンマ

前者は政治・経済の話であり、後者は生物学の話です。

人間以外は後者の説で話は済みます。

人間は他の生物と異なって生存と政治・経済を切り離しては成り立たない存在なので二論が成り立ちます。

矛盾していてもどっちも間違っていないというジレンマです。

☆★☆

食糧の自給率が低いのは問題だ と言いながら 人口が減るのは問題だ と言う。

 

人口が減れば国全体の食品の需要は減るから自給率の問題が解決に向かうのに、人口を減らすなと言う。

人手の不足には農業の大規模化、自動化 IT化で対応するという。

一方は人手の不足でIT化の開発が進まず間に合わないという。

☆★☆

年金制度を維持するためには世代別人口構成をトライアングル(高齢者が少ない、若者・子供が大勢)の社会に維持しなければならない。

(現実と大きなギャップ)

少数の高齢者を大勢の就労人口で支える。

1人の年金生活者を9人で支えることを前提に制度設計していたが、1人を1.5人で支えることになる(2030年見込み)、大変だ!

 

国の存続よりも年金制度の維持が目的ということです。

年金がない時代の日本は滅んでいたの?

☆★☆

空き家が増える、家主と不動産業界と建設業界が大変だ!

 

市場が縮小する、企業の国内販売が減少する。だから税収が減少する。大変だ!

 

人口が減れば行政サービスの予算も縮小する、職員数も減少する、それなのに税収を増やす意味があるのか。

☆★☆

日本の人口1億2800万人

2100年には6400万人に半減するという、これでは日本が滅ぶという。

 

江戸時代の日本の人口は3000万人

江戸時代の日本は滅んでいたの?

☆★☆

人口構成の逆ピラミッド化は避けられない

 

団塊の世代の大半が2025年に後期高齢期に突入する、団塊ジュニア世代は長時間労働や保育園不足で子育て不安となり人口ボーナスはなかった。

9人で1人を支える想定で設計された社会保障制度が結局は1.5人で1人を支える社会になる。(2030年見込み)

☆★☆

逆ピラミッドはやがて解消される

 

人は永遠に生きることはできない。

2040年以降 順次に団塊の世代の寿命がきて人口構成は三角形から四角形に移行していく。

永遠に下広がりの三角形の人口構成であることを前提とした社会政策を採り続けると過渡期を乗り切ることが出来ずに社会を破綻させてしまう。

☆★☆

恐ろしい論法 下広がりの三角形の人口構成を維持すべし

 

年金不足を補うために、赤ん坊をどんどん産んで、高齢者に経済が押しつぶされないようにすべし。

誰が産んで育てるのか。

目標ノルマを達成できなければ移民でもクローンでもいいという恐ろしい話になりかねない。

 

政治で解決できないから、生物学的な無理をやる。

数合わせで移民を受け入れて失望を招いたら社会の分断を招く。

 

日本経済新聞 2017年7月21日 朝刊 8面)

「難民、希望の欧州遠く」「ギリシャの離島に滞留」「受け入れ制限 暗い影」

ギリシャ東部のレスボス島にトルコからの密航が殺到

「トルコと欧州連合(EU)が流入抑制策で合意し水際での取り締まりが強化されたためだ」

メルケル独首相は世論の反発を受けて当初の寛容な受け入れ姿勢を撤回した」

「EUは15年(2015年)にギリシャやイタリアから16万人の難民を分担して受け入れる計画を策定したが、実現したのは2割にとどまる。」

☆★☆

その分、日本が受け入れればいい と簡単に言う、欧州と同じ失敗を繰り返すことになる

 

失望させないために参政権を与えればいいという。

移住入国後に特定の自治体に集中的に移住する、同族で集まって暮らしたい、そこはもはや事実上日本ではなくなる。

そうなってから制限をかけると軋轢が生じる、移民の母国との外交問題になる。数合わせのために参政権を与えていいものではない。

☆★☆

母国の政情不安で善良な市民が避難する。移民として受け入れるべきだと言う。

一方で政情不安の国への介入には反対だという。

善良な市民が帰れない、生活できない国になって復興が進まない、テロリストや武装勢力の思うつぼになるというジレンマ。

 

☆★☆

少子化なのに保育園が足りない

 

目標ノルマ達成のために認定する、実態が伴わなくても書類が整っていれば認定される。人手不足で実態を確認することができない。

定員割れ、基準に満たない授業内容の学校に補助金を出すよりも保育園を公立の義務教育にしたほうがいいのでは。

 

産めや増やせで学校の建設費補修費管理運営費維持費補助金が膨らんだ。

自治体の財政事情で地域格差が生じた、教育格差も生じた。健康格差も生じた。

 

子供は勿論就労納税者ではない、細る就労世代が増える子供と高齢者の両方を支えるのは無理がある。

三角形の人口構成では社会が持続できない。

 

☆★☆

なぜ三角形の人口構成を維持したがるのか。

 

永遠に成長シナリオを描くためには人口構成は三角形でなければならない。

 

人口が増える、消費が増える、売上が上がる、そのためには人口は増え続けなければならない。そうでなければ出資者に説明できない。

 

増加する食糧需要に応えるため森林、ジャングルを切り開いて畑にする。気候変動で食糧生産に支障が生じても知ったことではない。

食糧の余剰と不足が偏在する。

気候変動は森林伐採二酸化炭素の吸収が減る)のせいではない。そんな報道は嘘だ。と切り捨てる。

 

製品の売上が伸び続けるシナリオを描くためには人口が増え続けなければならない。

 

増えすぎた人口で誰もが豊かになれるわけではない。

 

限られた資源の争奪戦になる。敗者は企業が期待した消費者にはなれない。

 

人口が増えた分だけ売上が上がるというのは幻想。

 

☆★☆

経済の健全性の尺度は住宅着工数

 

景観が損なわれようが資源を消費しようが開発業者の売上と関係者の仕事になることで正当化される。それのどこが悪いのかと。

 

やがて空き家になる。

高齢で買い物に難渋する、完全自動運転の自動車が実現しても今さら車を買う気になれない。徒歩と無料のバスで用事が済むコンパクトシティに移り住む。

低家賃の公営住宅と税の低減で移住を促す(消費も促す)。

自治体全域、広範囲に上下水道等インフラを提供維持すると自治体の財政がもたないので居住区域を限定する。

 

 

災害被災のおそれのある土地は非居住区域にして自然に返す。

急坂で積雪時は自動車の走行困難、普段の買い物に困難な土地は自然に返す。

人が住んでいれば自然災害、人が住んでいなければ自然現象です。

☆★☆

相続対策のために土地を切り売りしなければならない、賃貸経営をしなければならない。

公の代わりに住宅を用意するから税を減免するという。

人口増加時代の遺物政策となった。

 

空き家が増えたら家主は建築費の借金の返済に難渋して不良債権になる。逆に社会のお荷物になってしまう。

 

空き家が増えて人口密度が低くてもインフラを維持しなければならない。

それでは自治体がもたない。

 

税を減免せずに寧ろ空き家の家主にインフラの使用料を請求する。そんなことになるなら建てないという判断になり物納する。物納された土地は形状に応じて自然に返す、まとまった土地は事業地、生産地として売却する。

☆★☆

そんなことをされて建てないという判断をされたら職人の仕事がなくなる。

人口が減れば人手不足になりその仕事にあぶれる職人もいなくなる。

 

 

開発会社、管理会社の社員の仕事がなくなる。

 

人口が減ればその社員はいない。

 

☆★☆

日本は失われた20年と言われた時期に少子化が進みました。

もしも不況時に就業年齢に達した若年層の人口比率が高ければ失業率を押し上げていました。

 

 

人口が国土の生産力を越えたら食料自給率が低下して安全保障にもマイナスです。

(食糧供給を取引材料にされて言うことをきかなければならなくなる)

一人あたりのGDPも低下、人口減少なのに世帯数が増加して(1人2人世帯が増えた)宅地の乱開発で国土も荒れました。

昔は人が住んでいなかった土地にも家を建てた結果、自然災害の被災地になりました。

 

人がいれば自然災害、人がいなければ自然現象です。

☆★☆

朝日新聞 2017年7月17日 朝刊 1面)

「老朽橋・トンネル 進む撤去」「危険判定の340カ所中73カ所」

「橋の補修費用は痛み具合や規模などに大きく左右されるが、数千万円から数億円にもなることもあるとされる。撤去なら数百万円から数千万円で済むことが多い」

増税してもいいから全部直せとは誰も言わない。

自分の家の側の橋やトンネルがなくなるのは嫌だと誰もが思う。遠回りをしなければならない。と

☆★☆

過剰な便利は遠慮する。24時間営業は便利なのか?

 

開いててよかったのか? 開いているから残業させられる。

開いていなければ残業したら店が閉まって行けない。みんな買い物ができなくて困る。生活に支障が出る。

なぜ夜遅くまで、休日も、正月三が日まで仕事をするようになったのか? 店が開いているから。

店が閉まるなら帰らなければならなくなる。

 

みんなの便利のために店を開けた。卵が先か鶏が先か みんなを残業、休日出勤させることになった。

必要があって出勤しているのか? 全員本当に必要があって出勤しているのか? 必要がない人まで出勤していないか? 全員平等で必要がない人まで呼んでいないか? 必要がないのに店が開いているから出勤していないか? 却って効率が低下していないか? 終わらなかったから休日に出てやればいい。と(終わらなかったのではなく、終わらせられなかったと見られている)(終わらせられなかったと見られたくないから終わったふりをするのは論外)

☆★☆

トマス・ロバート・マルサス、 ジョン・スチュアート・ミル、 アダム・スミス

「経済成長は、地球上のほかのあらゆるものと同じく、資源の限界に支配されている」

人口が増えたからといって、それに合わせて地球の表面積、質量が増えたりはしない。

 

そんなことはわかりきっている、でも考えたくない、関係ない、今がよければいい…それも結構。

気候変動の影響で同じ国の中で、水の過剰で災害に巻き込まれた土地と、水不足の土地に分かれているし、亜熱帯の生物が海にも陸にも来ている。日本は亜熱帯化している。とうとう北海道に梅雨が来るようになったようだ。

 

不漁、不作で価格が高騰、生活の実感としてすでに巻き込まれている。

 

年金は元本を返してくれればいいと思っている。

 

それではまた

 

環境白書

 

 

 

 

滅亡へのカウントダウン(上)人口危機と地球の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

滅亡へのカウントダウン(上)人口危機と地球の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

 

滅亡へのカウントダウン(下)人口危機と地球の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

滅亡へのカウントダウン(下)人口危機と地球の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)