(2017年9月12日 日本経済新聞 2面)
「漁業資源ウォーズ」「漁場も商売も奪われた」
「サンマの昨年の水揚げ量は2年前の半分に」「中国でサンマを食べる習慣はない……台湾船や中国船がロシアへの輸出用に漁獲を増やした」
「カツオの水揚げ量20年連続日本一の宮城・気仙沼。例年、最盛期の7~10月は1日500~1000トンの水揚げがあった。しかし今は多くて400トンくらい」「カツオの漁場である南太平洋での漁獲合戦だ……中国、台湾、米国など様々な国の漁船が入り乱れて漁獲している。」
「1980年代に養殖を合わせて1200万トンあった日本の水産物生産量は、今や3分の1の400万トンまで落ち込んだ。」
「世界の魚介類の1人あたりの消費量は、この50年で2倍以上に増加した。欧米の健康志向の高まりや、新興国の台頭が背景にある。」
文化発信が裏目?
日本文化の発信、和食はヘルシーですと宣伝した結果が行き過ぎたのか。
世界で今まで食べてこなかった人々まで魚を求めるようになり、魚介類の奪い合いになって資源が枯渇、価格高騰、日本人の口に入らなくなるという事態になりかねない。
☆★☆
和食はヘルシーは全地球的な普遍性があるのか
腸にある酵素、腸内菌は全地球的に共通なのか、腸の長さは全地球的に共通なのか(個人差も当然あるでしょ)。
親から祖先から受け継いだ酵素、腸内菌がある。歴史の中で積み重ねてきた食生活で腸内環境があるのではないか。
栄養分析でどんなに優れていても体との相性というものがあるのではないか
栄養学的にどんなにいいと言われても消化できる人と消化できない人がいるのではないか。
海がない国の人々に海産物を分解する酵素が備わっているのか。
アレルギーを起こさないのか。
肉の消化に適した体と魚の消化に適した体があるのではないか。
海藻を充分に消化できる体とできない体があるのではないか。
日本人でも青魚が苦手な人がいるのに、たとえ栄養分析上優れていても青魚を摂る習慣がない国の人が食べて、長年の蓄積で身体に異変を起こさないのか。
☆★☆
宗教上のタブーには宗教上の理由だけではなく科学的にもよくない可能性がある
先祖代々忌避してきたのだから体に分解する酵素が備わっていない。長期に亘って摂取して体に悪影響を与えずに分解することはできないのではないか。
迷信ではなく科学的にも問題があるではないか。
日本人が肉食ではなかったというのは迷信
鯨(魚片がついている、昔の日本人は哺乳類ではなく魚だと思っていた)、猪(山の鯨だと言い訳をして食べていた)、雉、軍鶏鍋
井伊家・彦根藩から将軍家に献上された反本丸(へんぽんがん 薬みたいな名前)は牛肉の味噌漬け
滋養をつける薬ですと言って献上、受け取る側も禁忌だ嘘をついたなと咎めず舌鼓。
近江牛のルーツ。
表向きは肉食忌避があったので「薬喰い」と言いました。
猪肉は牡丹、鹿肉は紅葉、馬肉は桜、鶏肉は柏という隠語を使いました。
兎を1羽2羽と数えるのは獣ではなく鳥ですというこじつけ。
なんだかんだと言い訳をして、柔軟な発想でこじつけて肉を食べていました。
肉を扱う店は百獣屋(ももんじや)と呼ばれました。
日本人は小麦にも親しんでいる
日本人の主食は米だ、という。うどん、素麺、ほうとう、きしめん、おやき、団子、饅頭 という小麦文化があったから外来のパン、パスタが浸透したのではないか、ラーメンに お好み焼き、たこ焼き(粉もの)が発展したのではないか。
☆★☆
栄養分析をしたら優れている、ヘルシーだ、それは食べ物だけの話。受け取る側の体の遺伝情報は加味されていない。
栄養がある、体にいいと言われてもアレルギー反応を示す人もいます。
アレルギー反応を示さないから大丈夫だと長年摂取を続けてから影響が出てくることもある。
塩分が多いか少ないか、脂肪分が多いか少ないか、必要量は生活環境や生活習慣で異なる。
暑いか、寒いか、乾燥しているか、湿度が高いか、気圧、肉体を酷使しているか、肉体の負荷が少ないか、条件によって必要摂取量は変わる。
全世界全人類一律の基準なんて無理!非現実的。
☆★☆
低脂肪だから科学的に消化がいい、全地球的に消化がいいはず?
人間の体は宇宙の謎に満ちている。まだまだ解明されていないことがある。昨日までの常識が覆ることがしばしば。
健康にいいと言われブームになる、違いました。別のものが健康にいいと言われブームになり違いました。の繰り返し。
栄養学は万能か、正しいとか間違っているということではなく、現時点でわかっていることが発表されている。これから解明されたり、発表されることがある。
現時点で判明していることが最終回答、結論で新事実、新発見はありえないと決めつけることが間違いにつながる。
栄養士だって がん にもなれば病気にもなる。正しいか間違っているかの話ではなく万能ではない。
☆★☆
祖先から積み重ねてきた遺伝情報を持つ体に未知の物質が入る。
長年摂取を続けて蓄積した結果の科学反応は未知数
宗教上のタブーがなければ、たまに食べるくらいならいいかもしれない。でも常食はしないほうがいいかもしれない。
中国人は中国料理を、フランス人はフランス料理を完全消化できても、日本食を完全消化できていないかもしれない。腸で消化できたように分析されても養分の行き先の体の各器官でどんな影響が出ているかわからない。
栄養学的になんだかんだと言われても各国それぞれの伝統的な料理が、家で代々受け継いできた料理が体の遺伝情報と相性がいいのではないか。
それではまた。