従来はなぜ問題に発展しなかったのかー体で覚える世代と理屈で覚える世代のジェネレーションギャップ
(日本経済新聞2018年3月1日朝刊3面)
「川重、事故招きかねず悪質」「川重は製造現場で規定以上に鋼材を削ることを禁じていたが、班長が現物を確認しておらず、安全に関する教育が欠如していたという。」
神戸製鋼所、三菱マテリアルや東レの子会社の製品検査データの改ざん、日産、スバルの無資格者による完成検査といった日本の製造現場でのモラルハザードを警鐘する報道が相次いでいる、現状の仕組みで以前は問題なかったのに、なぜ今は問題になるのか。
以前はチェックされなくても加減ができたからです。(でも自制心の問題ではありません)
ルールがなくても、チェックされなくても、体が覚えていて「これ以上はヤバいんじゃないか」と思ってやめていた。
今はルールに書いてないと、チェックされてフィードバックされないと、どこまでもどこまでもやってしまう。
体で覚えるのではなく、基準や手順を明確にされないとわからない。
体で覚える世代から理屈で覚える世代には継承ができない。
なので新たにルールとチェック体制を作らなければならなくなった。
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いじめ も 不正製造、検査も加減ができないから問題になった
これ以上やったらヤバいよ死んじゃうよ。これ以上やったらヤバいよ自殺しちゃうよ。と気が付いて途中でやめることができない。
オトナになっても徹底的に追い詰めることをやめられない。
チェックされなくても、これ以上削ったらヤバいんじゃね と以前は途中でやめていた。
チェックされなくても、オレが検査したらマズくね、あいつが検査してるのはマズくね。とやめることができた。
今は報道ネタになるまでやめられない。
なぜか
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自分で考えることを禁止されたコドモがオトナになった(過剰適応 ひっかかりを感じても心に自動ブレーキがかかって抵抗・抗弁ができず、途中でやめることができない)
言われたとおりにしなさい、どうしてとかつべこべ言うんじゃありません。
余計なことは考えないでとにかく勉強しろ。
なんで とか どうして とか言うのはウザイコドモだ。
とにかく何も考えずに信じてついてこい。意見を言うなんて100年早い。考えるな、言われた通りにしてればいいんだ。
と言われ続けて従って適応したらどうなるか。
一々チェックされて止められないとやめられないオトナになります(悪気はありません)。
言ってくれる人がいないと自分でやめられないオトナになります(悪気はありません)。
重症になっていると 言ってくれるだけでは不十分で強制的に止められないとやめられないオトナになります。
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大人になるまでケンカをしたことがない
手加減を知らないオトナになります。
大人の暴力は子供にとっては、プロレスラーや相撲取りが一般人に暴力をふるうほどの威力があります。
痛みを知らないままオトナになったのでそこの加減がわからない。
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ウザイコドモにならないと生き残れない
社会は残酷です。言われた通りにしてきてチェックされて止められないとやめられないオトナは機械に取って代わられます。
ウザイコドモの定義は変わります。
昔はロボットがなかったので機械のように働く人が重宝されました。言いなりになる人が重宝されました。
これからはロボットがあるので言いなりになるだけの人は需要がなくなります。
人の話を聞くとは何も考えないで言われた通りにすることが常識でした。
話を聞いて疑問を感じて言われた通りにしないと、人の話を聞かない人と言われました。
人の話を聞くとは何も考えないで言われた通りにすることが常識ではなくなりました。
なぜ、どうして と考えるのはウザイコドモではなくなりました。
ロボットに取って代わられる食いっぱぐれになってほしいとは思いませんから。
それではまた。