森友学園の問題を機に氾濫しはじめた「忖度」―籠池理事長につられたの?
籠池理事長が記者会見で連発し、国有地売買において官僚の「忖度」があったのか、なかったのか、国会の与野党の議論で日々飛び交い報道されました。
「忖」は りっしんべん→こころ→人の心を推測すること。 「度」は、はかる意味あいもあります。つまり「心を推測する+はかる」 相手の心を推し量るという意味になります。
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忖度する時
そっとしておいてほしい。
彼氏彼女と別れたばかりだから、しばらくそっとしておくことにして飲み会の話は伏せた。
体調がよくない
様子がおかしい、予定変更だ。
落ち込んでいるときに早退を促された。
落ち込んでいる部下を「今は正直仕事どころではないだろうな」と部下の心を思いやり、早退を促した。
言ってもいないのに訊きたいことを答えてくれた。
ただお客様からの取引先からの質問に答えるのではなく、その裏にある状況と意図を推察する。
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使い方が変わった
論理性、合理性、採算性から逸脱して
こんなことをするとエライ人が気を悪くするからやめておこう
こうしたらエライ人がお喜びになるに違いない。
具体的な指示がなくても、自分の立場についてエライ人の覚えを目出度くしたいと先走って行動することを「忖度」という言葉で揶揄されるようになった。
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これって忖度なのか
戦時中に戦争の行方に不安を口にすると「非国民」と罵った人は憲兵隊に忖度していたのか。
戦後は正反対のことを言って 子供に 大人って嘘吐き と思わせた。
欧州戦線のナチスドイツ占領地でユダヤ人の隠れ家を密告した人はナチスに忖度していたのか。
戦後はナチスの協力者として吊るし上げられた。
「忖度」という言葉は似つかわしくない。
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「忖度」という言葉が汚れてしまった
「もっと人の心を忖度しなさい」と言うと、いい意味(損得抜きで相手を思い遣る)
だったのに悪いイメージになってしまった。
ウルセー とか イヤラシイ とか思われる言葉になってしまった。
損得抜きで相手を思い遣った結果 得になるのは結果論であり、最初から得を狙うのは忖度じゃない。
役人が政治家の考えを想像して行動すること=忖度するになってしまった。
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便宜的に使われる「忖度」
新聞で週刊誌でTVで
“長いものに巻かれたい” とか“エライ人の覚えを目出度くしようと思って想像して先走って行動する”とか書いたり言ったりしたら長ったらしい。
短くまとめるための便利な言葉として「忖度」が多用されるようになった。
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「損得」を当て字にして ソンタク と読ませたらいい
最初から得を狙うのは忖度じゃない、みんなで籠池理事長の真似をすることはない。
損得抜きで相手を思い遣るのが「忖度」
相手の気持ちを推し量るときに損得勘定が入るのは「損得」と当て字にしてソンタクと“ふりがな”を付けて読めばいい、その方が実態が分かり易い。
それではまた。