これからは電気自動車の時代になる、ディーゼルはもうおしまい、それは本当か。
原油精製の過程
https://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/1-11.html
「製油所に運ばれてきた原油は、蒸留装置や分解装置によって、ガソリン、灯油、軽油、重油などのさまざまな石油製品に生まれ変わります。高さが50メートルもある蒸留塔の中に、加熱炉で350度に熱した原油が吹き込まれ、沸点の差によって各種石油留分に分けられていくのです。」
原油を加熱して石油蒸気を蒸留する過程で蒸留槽の最下層350℃以上は重油・アスファルトに、240℃~350℃の層は軽油に、170~240℃の層は灯油、ジェット燃料に、35~170℃の層はナフサ(精製してガソリンになる)に35℃未満のガス化した分はLPガスです。
道路のアスファルトや船舶の燃料、ガソリンや航空燃料、灯油を作ろうとするとどうしても軽油が出来てしまいます。
ディーゼル車いらないと言っても軽油を捨てる訳にはいきません。
☆★☆
ウエル・トゥ・ホイールという考え方
環境に与える負荷は車輛の走行時だけではなく、資源の採掘から生産工程、車輛の走行まで含めて考えるべきという考え方です。
電気自動車は走行時の環境負荷は小さくても、資源採掘、発電、車体及び電池の生産、廃車に伴う廃棄・リサイクルまで含めてトータルに考えると環境負荷が小さいとは言い切れないという考え方です。
電気自動車の普及を目指す中国は電力不足を補うために原子力発電所の増設がセットです。
途上国で電気自動車の普及を目指すと原子力発電の需要が高まります。
アジア・アフリカに電気自動車の輸出と併せて原発を輸出する戦略なのか。
☆★☆
独ボッシュ社の2013年東京モーターショーの資料(元の資料はドイツ自動車工業会、米国環境保護庁)によると
米国の3台に1台が最新のディーゼル車になれば、サウジアラビアからの原油輸入量(140万バレル/日)(1バレルは約160L 正確には158.987294928L)がゼロになってもまかなえる。
2010年度の輸入金額にして408億ドルにのぼる(日本円にして約40兆円!)
40兆円を新エネルギーの投資に使えるじゃん。
☆★☆
生活の糧がディーゼルエンジンという先進国の生活
船舶、機関車、気動車、バス・トラック等商用車、消防車、工事建設機械、コンバイン、トラクター、病院や工場や計算センターで停電時のバックアップとなる非常用発電機エトセトラエトセトラ。
都会も田舎もディーゼルエンジンがなければお店には何も並びません、食べ物も着る物も手に入らない社会に生きています。
田舎や無人島で自給自足で衣食住を確保したつもりになっても、手にしている大工道具や農作業や漁の道具はディーゼルエンジンがもたらした物です。
時には生死にかかわります。
ディーゼルエンジンは排除されるものではなく正しく作られるべきものです。
フォルクスワーゲンのバカァ ※排ガス測定の不正でディーゼル車のイメージを凋落させたから
☆★☆
ディーゼルの開発を続けるマツダ
(日本経済新聞2018年9月13日朝刊16面)
「世界ではディーゼルへの逆風が吹く。本場欧州では特に顕著だ。ピークの11年には西欧18カ国で販売台数の56%を占めたディーゼル車は、18年4~6月には37%に減少」
「VWの不正前には30%以上あったディーゼル比率が半減し、欧州での商品戦略の見直しを求められていた」
日産自動車…ディーゼルエンジンの開発中止。生産も2020年代に終了の可能性
(三菱もやめるんだろうか デリカ、パジェロ)
ホンダ…欧州でディーゼル車販売を段階的に縮小
SUBARU…20年をめどにディーゼルエンジンの開発・生産を終了」
☆★☆
対象的なマツダ
(日本経済新聞2018年10月3日朝刊15面)
「ロータリーEV 20年に」
「マツダ エンジンで発電、航続2倍」
「マツダは燃料採掘から走行まで(ウェル・トゥ・ホイール)の考え方、企業平均二酸化炭素(CO2)排出量を50年までに10年と比べて90%削減する方針を説明した。」
2050年! 世界で唯一ロータリーを量産化したメーカーだから言えると思う壮大な計画です。
32年後は俺生きてるかわからない。2050年に日経が検証するのだろうか、マツダ関係者以外で誰か覚えているだろうか、実現したら2018年に報道発表した方針を実現しましたと言うのだろうか。
☆★☆
ライバルの撤退で軽油が安くなる
ガソリン、航空機、船舶の燃料、灯油、アスファルトを作ればどうしても副産物で軽油ができてしまう。需要が減ったからと言って捨てたら環境に悪いから捨てるわけにはいかない。
需要が減って軽油の価格が下がる。
国内ではディーゼルのセダン、ワゴン、ハッチバックのMTというマニアックな選択はマツダでしかできない
(ATでもないでしょ)(ATなら輸入車がある BMW、フォルクスワーゲン、ベンツ、ボルボ、ジャガー、シトロエン・DS、プジョー、ランドローバー、マセラティ、ミニ、国産乗用ならランクル、デリカ、パジェロといったRVが選択肢になる)
(ジャガー、ミニ、マセラティまであるんだ、ホントにやめるの?)
そのうちディーゼルのRVもマツダにしかなくなる。(三菱がやめたら)
しかも需要が減って軽油が安くなる。
距離を走るドライバーには朗報。
市場規模が縮小しても市場独占でペイするんじゃないか。
それではまた。
ニューモデル速報 第563弾 マツダCX-8のすべて (モーターファン別冊 ニューモデル速報)
- 出版社/メーカー: 三栄書房
- 発売日: 2017/12/25
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る