ゲンドウ君みたいなオトナに気をつけよう(シン・エヴァンゲリオン劇場版)ー死刑は極刑といえるのか

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虚構と現実の狭間

セカンドインパクトが起ころうがニアサードインパクトが起ころうが、ゲンドウ君にとっては計算の内でシンジ君みたいに落ち込んだりしません。

新世紀エヴァンゲリオンという虚構の中の話ですが、現実にもゲンドウ君みたいなオトナはいます。(敢えて大人とは記述しません)

陰謀論を信じて(或いは自己脳内作)民族浄化のジェノサイド(大量殺戮)を煽動したり、カルト経済学を信仰して国民を飢えさせたり、国民の目を反らすためにスケーブゴートをでっち上げたり、外国のせいにして戦争を始める羽目になったり(読みが外れて相手国が反応や対応)、歴史には迷惑なオトナが登場します。

(熱狂的に大衆に支持されるも不利益が明らかになってから迷惑認定されます。不利益を認識するまでに個人別に時間差が生じます。)

(当人が全盛期に不利益を被っていた人は非難しますが、利益を享受していた人はあの頃はよかったと懐古に浸ります。)

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すれ違うユイとゲンドウの想い

冬月「人は生きていこうとするところに、その存在がある。それが自らエヴァに残った彼女の願いだからな。」(Air/まごころを、君に)

碇ゲンドウの妻ユイはエヴァ初号機にエントリーする実験に自ら志願し、エヴァの中に自らの魂を残しその肉体は消失。

(肉体は滅んでも魂は永遠という前提での行動だね。本当に永遠かどうかは証明されてないから自ら実験台になったのかな。エヴァの中に自分の生きた証、人類の歴史の証を残そうとした、ユイは個別に生きる選択をした。)

(人類補完計画ですべての魂が一つになれば、ゲンドウはユイと一緒になれると思ったのかな。全部一つになったら個別に自分の意識もユイの意識もないから認識できないんじゃない、一つになるときにエヴァの中の魂も一緒になれる前提だね、前提が崩れたら無駄なあがきになるね。何より個別に生きる彼女の選択が台無しになる、ストーカーだよ。)

(私がいないとこの人(ゲンドウくん)ダメ、よりも探求心が上回ったんだね。)

(そういう意味では似た者同士の同志故の喪失なんて切ないね。エヴァと共にいつもいると言ってもね。)

ユイを失ったゲンドウは彼女のクローン綾波レイを量産しました。

(14歳の姿で再現ってロリコンじゃないの。)

オトナのユイとコドモのゲンドウ

ユイに会いたいユイに会いたいユイに会いたいユイに会いたい世界が滅ぼうが消えようがお構い無しに、人間であることを捨てて自分の欲求の赴くままに全人類を全生命を巻き添えにした。　

(架空の世界最悪のマッド・サイエンティストだね。)

最後にユイは我が子シンジの中にいることを見出すのですが。

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既視感のある話です

カミさんがいなくなって歯止めの効かなくなったオッサンです。

伴侶、或いは伴侶と決めた人を失うとダメになるのは男の方です。

(配偶者を亡くすと余命が短いのは男の方で女の方はタフです。親類、知人、近所の例)

(百獣の王といわれるライオンだって立派なたてがみは他のオスと闘うためで、インパラやヌーを狩りをしようにも目立って邪魔、メスがいないとダメ。)

(ララァを失ったシャアは曲折を経て浄化の名の下に地球に小惑星を堕とすジェノサイドを敢行(逆襲のシャア　腐敗した連邦と地球にしがみつく連中の一掃と主張、アムロ「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない！」)、パトレイバー2で　しのぶさんは柘植を選び、取り残された後藤隊長のその後がコワイ。)

　(ワルだけどモラルがある(自分がある)正義の味方だよ。クソ真面目でも命令に忠実でも自分(良心)がなくてモラル崩壊して歯止めがないのはサイテーだよ。)

あなたを逮捕します　と言われたい。

(誰から？)

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繰り返される罪

一人の妄想・欲求に踊らされて協力の輪が出来てジェノサイド(民族浄化)に邁進し、死屍累々の山を見てから茫然として、二度とこのような過ちを繰り返してはならないと誓ったのに繰り返される。

人間はかくも愚かなのか、もう終わりにすべきだ、すべての魂が一つになれば全ての争いに決着がつく人類補完計画。

それも愚行の繰り返しに過ぎなかった。

(夢想した目標を掲げて過激なことをする革命家。使徒から世界を守ると言ってその後で世界を終わらせる、自分の方がより高尚のつもり。生活を消される人々にとっては革命家同士の路線対立に巻き込まれている。使徒もNERVも根は同じ、そのことにミサトたちは気付いたんだね。)

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実はセカンドインパクト後の世界に生きてる現代人

ファーストインパクトは人類が火を手に入れた(鉄という意見もあるが、火がなければ鉄を打つことはできない)ことであり、セカンドインパクトは産業革命です。

機械化によって人間は解放される筈でしたが、利益の追求に基づく資源の収奪が地球の限界を超え、強欲の果てに民族間、国家間、地域間、個人間の格差と分断と緊張を育み、サードインパクトは地球と人類が共存出来ない事態です。

新型コロナ禍はサードインパクト手前のニアサードインパクト。

(欧米列強と明治日本が産業革命の果実を得るべく富国強兵に邁進し(幕末に直感的に理解した人たちがいた)、新興国、発展途上国は　地球を守れと言われても先進国は先に果実を取っておいてズルい！我々も！と反発して環境破壊が進む。)

移動の自由を阻まれて日常の大事なことが再認識され、一方で無意味な事もあぶり出された。

(リモートでも総員参加で会議やってる団体があったりして。グループウェアが導入・活用できてなくて、一人のExcelが壊れて集計が出来ないとか、メール・チャットの即レスないとか言ってパソコンの前でじっと待ってイライラしてるとかIT化石が露呈したりして。)

(急に広がった話が畳まれた気がする。)

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最大の謎はコミュ障のゲンドウくんが海千山千の政治家たちを騙くらかしてネルフ(Nerv)の総司令でいられること

言ってることがよくわからんが取り敢えず任せておこう、わからないなんて言えば沽券に関わる。難しくてよくわからないけど考えるの面倒だからやらせておけば。

そうしている間に退っ引きならない事態に追い込まれて皆が騙されていた。

使徒襲来で常時非常事態宣言下で誰も文句が言えない。

使徒もエヴァもATフィールドを展開するので根は同じ。S2機関の有無やらアンビリカルケーブルからの電力供給が途切れたら5分しか稼働出来ないとか、細かい設定はマニア心をくすぐったが、今日を生きるのに精一杯で誰も文句を言えない。

(ん！？畳まれた。)

(根は同じってシナリオ通りということ？)

(シナリオって映画のシナリオ？劇中のシナリオ？)

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オウム真理教地下鉄サリン事件

(1995年3月20日　犠牲者14人　負傷者6300人)　(その年の1月17日の阪神淡路大震災　犠牲者6434人、大災害の後に大規模テロという終末を予期させる世相の中で10月4日　新世紀エヴァンゲリオンはテレビ東京で放映開始)

人類救済だ、ポアしてあげるとサリンを撒いて、死ななかった人は後遺症に苦しんでいる。

頭の中で勝手に妄想したセカイで人々は救済されると勝手に決めつけて惨事を引き起こした。

心がなくて頭だけのセカイに熱中していた。

(後継団体アレフは存続して若者に勧誘を続けている。存続させて被害者・遺族に補償してくださいってするわけないじゃない、宗教弾圧だとか信教の自由に反する憲法違反だ、とか言われると面倒だからと手出しできない。

犯罪と宗教の区別ができない、難しいとか言って保留して区別出来ないしてはいけないと思い込んでいる、ヤクザが裏ビジネスでお布施の名目でみかじめ料を取ったらバレるまで手出しできなかったりして。)

(人類補完計画という名称が怪しいね、名前からしてカルトだよね、ゼーレもNervもカルトじゃない、各国政府も国連もドン引きしないんだ。)

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何でも法則通りで予測可能である筈という迷信

自然の、人の心の、社会の複雑さに耐えられない、先生や教祖様に教えられた通りであるべきだ、教えられた法則通りであるべきだ、教えられたルールですべてカバーされているべきだ、そうでなければ我慢できない。

頭の中の狭い観念だけですべてが解決されるべきだ。

自分の思い通りにならない現実を、人々を忌避する。消してしまおうとする。

そんなものは理想でも何でもない、エゴに過ぎない。

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ゲンドウくんをやっつけてしまえばスッキリするか？

世界はそんなに単純明快ではありません。

やっつけて終わりなんてそんな結末でなかったのは良かった。

理想とは綺麗なだけではありません。

海川の水が不純物のないH2Oなら死の海、死の川なのですから。

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死刑は極刑といえるのか

世を儚んで生きているのはつらい、死にたい、でも自分で痛くて苦しいことをやるのは怖いから自分で死ぬことはできないから権力に殺してもらおうと小学校に侵入して罪のない子供を複数殺せば死刑になるはずだからと事件を起こした犯人は望み通りに死刑になりました。(池田小学校事件)　遺族に対する謝罪の言葉はありませんでした。

死刑は最も重い極刑なのに執行すると犯人の思い通りという皮肉な事件でした。

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犯人の思い通りにしない方法は法務大臣が執行を命令しないこと

権力に殺してほしいから罪のない子供を殺した犯人の希望通りにすることはありません。

ずっと寿命が尽きるまで閉じ込めて罪と向き合ってもらい、大臣交代の際は執行命令を下さない引き継ぎを行う。

ある意味死刑制度のない国は別の意味で極刑を処していると云える。

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死刑廃止は人道主義といえるのか

冤罪であった場合は執行してしまったら取り返しがつかないが、真犯人であった場合は執行は寧ろ苦痛からの解放になってしまう。

仮釈放も恩赦もない寿命が尽きるまでの拘束は死刑以上の苦痛を与える極刑であるかもしれない。

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死刑が容認されるのは見たくもないものには消えてほしいからではないか