nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

閃光のハサウェイーハサウェイに救いはあるのか

やっぱブライトの子

ホテルの部屋で全裸になったギギがハサウェイに見られたときに「失礼ね!」

それに返したハサウェイの科白が「よくそういえる」「夫婦でもないし、同棲をオーケーしたわけでもない。そうであったとしても家の中で、どこ構わず裸でいる女は嫌いだな。」

堅物な科白、ブライトの子だ と思った。

軽口で返したり、エメラルダがムッとしても仲間の車にギギを同乗させたりしたら、本当にブライトの子か? スレッガーの子じゃないのかと憶測や妄想を巡らす羽目になってしまう。

ブライトの子としてのハサウェイのイメージを壊さないキャラクターづくりがされている。

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スレッガーとは

ホワイトベースジャブローを発ち、再び宇宙に向かう際に配属された。

のっけからミライ・ヤシマセイラ・マスへ言い寄る軟派ぶりを発揮するも、それとは裏腹に砲術・戦闘機の操縦に長けた職業軍人

リュウを失ったホワイトベースに頼もしい仲間が加わった。

ホワイトベースが再び宇宙に出た第31話では、主砲に向かうようブライトがスレッガーに指示すると、スレッガーはホワイトベースザンジバルに向けてくれないとやらないという。どちらも中尉で階級が一緒、歳も上だろうし、やりにくそうなブライトだが意見を取り入れ追撃されるホワイトベースは180度回頭してザンジバルに向かった。

「いいねぇ、ブライト中尉。あんたはいい」

艦長が変わったか?とシャアに思わせる。

スレッガーはホワイトベースの主砲を操作し、ザンジバルに唯一直撃弾を当てている。

ホワイトベースがサイド6に寄港した際に、ミライのかつての許婚であったカムラン・ブルームがミライに強引に言い寄ると、スレッガーは割って入って介入した。

ホワイトベースのサイド6出港にあたり待ち構えるジオン軍に対してカムランが中立の立場であるサイド6の空域で身を挺してホワイトベースの護衛をすると申し出るが、その好意を頑なに拒否するミライに平手打ちをし、カムランが本気で言っている事を解らせようとする。

「この人は本気なんだよ!」

一見軟派なチャラい言動とは裏腹の筋の通った真剣さ真心のある男です。  

これをきっかけにミライはスレッガーに惹かれた

「俺にとっちゃあ少尉は眩しすぎるんだ。世界が違うんだよな」

ソロモン攻略戦も終盤に差し掛かった頃、機体損傷のため一度帰艦するが、その時に彼の身を案じてブリッジから駆けつけたミライへ母の形見の指輪を預け、別れ際にキスを交わした。

(ここで戦死しなければ、ミライの子のお父さんはスレッガーだったんだよ。)

(そうかな、スレッガーの方が重荷に感じて逃げるんじゃない、ブライトの方が堅実で長続きすると思うよ。)

(そうかな、チャラくてもやるときはやると思うよ。)

(そうかな、早死にしてミライが未亡人になりそう。そしてブライトと再婚してハサウェイとチェイミンは異父兄妹に。)

閑話休題

ドズル・ザビが搭乗するビグ・ザムが長距離ビーム攻撃をバリアーで無効化しつつ圧倒的な火力で総指揮官ティアンムの座乗する旗艦タイタンを初めとする多数の艦船・MSを撃破していた。

「悲しいけどこれ戦争なのよね。」

その猛進撃を食い止めるためにGアーマーで攻撃が有効になるギリギリまで接近しての特攻を敢行するが、コクピット付近にビグ・ザムのクローが命中し、更にビグザムの両脚で掴まれてしまい、Gアーマー前部が大破し宇宙へ投げ出され戦死を遂げる。

出撃前に覚悟していた、だからミライに形見を託した。「俺にとっちゃあ少尉は眩しすぎる」は別れの言葉だった。

この状況を打破しなければ、負ければ味方に悲惨な未来が待っている、何としても止めなければと死を覚悟しての出撃。

スレッガーの犠牲にアムロは怒り、ビグザム股間バーニア・スラスターにビームライフルを至近距離で発射し、更にビームサーベルでドズルが搭乗するコックピットを切りつけて撃破した。 

スレッガーが死んだ、スレッガーロスになった。

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(でもハサウェイがスレッガーの子だっらクェスをシャアに取られなかったんじゃないの、アムロにはチェンがいるからクェスは自分の居場所がないと思った、シャアにはナナイがいて邪魔者扱い、でもハサウェイもギュネイも物足りない、ハサウェイがもっと※サバけていたらクェスはオジサンのところに行ったりしないよ。)

(でもそうなったらハサウェイはクェスロスにならないからテロリストにならなかった。閃光のハサウェイが始まらないよ。)

(シャアの逆襲も閃光のハサウェイも違う話になるね、その前のZガンダムも違う話になったりして。)

(ハサウェイとは無関係に、ZはTV版と映画版で結末が変わってます。)

※サバけている…ものわかりがいいと解されますが、素直に言われた通りにするという意味ではなく、状況把握力があり、事態を捌くという意味です。

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宇宙世紀の言葉は共通語

日本は明治時代に幕府による藩制から県制に移行して統一国家になりました。

でも実態は薩長支配なので政府の高官はお国の言葉を使い、それぞれの県ではお国の言葉が使われ、軍の連隊も県単位なのでコミュニケーションに支障はありませんでした。

第二次大戦後の米軍の進駐、GHQの政策により教育現場で標準語化が推し進められました。末端で言葉がバラバラでよく戦えたものだと思ったのだろうか。

欧州でも諸公が割拠していましたがそれぞれの国に統一された歴史があります。

サイド7出身者が他のサイドやジオンや地球の人と会話が成り立つのは言語が共通化されている。

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纏まる単位が大きくなると戦争は悲惨になった

天下統一だの統一国家の樹立で争っていた間は統一後の近代の戦争に較べれば、まだのどかなものでした。(あくまでも比較の話です)

宇宙世紀以降はコロニー落とし隕石落としと更に凄惨なものになった。

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ハサウェイを救うのは

地球の復活は全人類が宇宙に上がっては成し遂げられない、スペースコロニーでは高山や深海は再現出来ない、地球の自然災害に処する知恵は宇宙では身につかない、多すぎる人口を地球は維持できない以上、宇宙への移民と併存するかたちで地球に残って環境を修復し、文化を維持する残存組も必要だ。

特権や賄賂で歪めてはならない。

例外なき全人類の宇宙への移民を目指しても支持は得られないし、そもそも地球の復活はならない。

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どんなに悪い結果に終わったことでも、そもそもの動機は善意に基くものであった(ユリウス・カエサル)

連邦制も宇宙移民も、元は人類を救いたいという善意から始まっている。 

それも人の欲や都合で歪められた。

それをシャアは許せなかった。

自分を殺して全体のために働けるというのは一見正しいようだが、それはそれで逆に胡散臭い。

本人は大真面目でも端から見たら胡散臭い。

(後世で悪人の代名詞にされてても当時の本人は大真面目、後世の人々があり得ない、狂ってると言っても真面目で本気で賛同してついていく人々がいた、当時のついていく人々は、過去を振り返る人々があり得ないと非難する計画の実行を担った。)

スペースノイド(宇宙移民)による自治を訴え、宇宙での生活で新たな知覚を獲得した人類(ニュータイプ)が未来を切り開き、地球の重力に囚われたオールドタイプを粛清する。

それは選民思想に他ならない。

『全て人類の未来のためだ』と言いながら隕石落としをやる。なぜできるのか、人間に失望して心底人間を好きになれなかったのではないか。それではかつて敵対したザビ家の尻尾だ。

(これがホントのネオジオン)

(アムロ以上の才能のカミーユを精神崩壊で失って失望したんだよ、人の世の理不尽に怒ったんだよ)

(じゃあ、劇場版Zの後にシャア逆はないね、ハヤトが言ったとおりに10年20年かかっても地球連邦の首相を目指すんだね(Zガンダム13話)、本名のキャスバル・レム・ダイクンを名乗って出馬して。そうなったらアルテイシアは嬉しいね)

(そういう話はコンテンツとして大人の事情が許さないよ。)

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結果が拙くても動機は善意

そんなはずではなかった。腐っている。でもそもそもの動機は善意であり、希望に基くものであった。

それを忘れると全否定に走ってしまいがち。希望だけではなく欲望なくして人類の進歩はあり得ません。

禁欲オンリーで文明の発展はありえません。

不便とかいうのは修行が足りないという話になります。発明・起業しないで仙人の生活をしてればいいのですから。

希望と善意だけOKで欲望を全否定しても始まらない。

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過去を眺めて過ちを指弾しがち

許せない、粛清だ、それは真面目で真剣なのに当事者意識がないからできるのです。

自分は真面目で真剣だから当然当事者意識があるはずだというのは思い込みです。

奴らは理解不能な人種だと思っている限りは当事者意識は持てません。

如何なる希望や欲望を胸にその行為を為したのか、それを考えずに過ちのみを責め続けても根本原因と解決法に行き着きませんし、相手は聞く耳を持ちません。

当事者であるという意識を持たないかぎり、

正義を掲げて悪気なく意識的なつもりで無意識に他人事にしている限り問題の本質を掴むことはできないからです。

(だからといって何にでも共感して相手の都合に合わせるという意味ではありません。)

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みんなで反省は現実逃避

みんな悪かった、シャンシャン。有耶無耶にして丸く収めたところで燻ります。

強権的につべこべ言うなと言ったところで裏で燻り、抑えられなくなると無秩序の原因になります。

燻りを抑えるためには事態の責任者は明確に特定されて、しかるべき糾弾を受けるべきです。

(それを名目にスケープゴートを仕立てて誤魔化される場合もあります、気を付けよう。)

ただし、当事者意識を抜きにすると異端排除、魔女狩りに陥って問題の本質から目を反らすことに終始する羽目になり、何も解決せずに先送りになる。

(魔女を火炙りにしたところで感染症の流行は収まらない。)

禁欲的に欲望や希望を全否定する思想で人々に反省を強いたところで続かないで最後に暴発し却って無秩序を招く。

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腐った奴らを粛清したり議会を襲撃したところで、地球環境の危機は解決しない。

ギギよ、気付かせてくれ。

(ケネス・スレッグの語呂合わせでスレッガーを思い出しちゃったんだね。)

(ネタバレなのに観てない人にはワケわからない書き方だね。) 

観なくてもわかる書き方がネタバレだと思ってる。