nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

加害者を出席停止にすると"いじめ"は地下化します

(日本経済新聞2021年12月14日朝刊社会面)

「加害者出席停止45%支持」「いじめ調査で中学教員」「学校教育法で規定された児童生徒の出席停止措置に関して、中学校教員の45.8%が「いじめの加害者を出席停止にすべきだ」と考えていることが13日、任意団体「いじめ構造改革プラットホーム」の調査で分かった。」

「出席停止にすべきだとの回答は小学校教員で33.7%、保護者の60.7%。中学生(生徒)は52.7%、中学生の保護者は65.8%だった。

☆★☆

アンケート結果の背景にあるのは正論、あるべき論

加害者の教育を受ける権利は保証されて、被害者が学校に来られなくなって教育を受ける権利が蔑ろにされるのはおかしい。という真っ当な考えが背景にあります。

その考えを実際に推し進めたら何が起きるか。

☆★☆

なぜ今まで出席停止措置がとられなかったか

文部科学省によると、2020年にいじめを理由とした公立中学校での出席停止は全国で1件しかなく、公立小学校ではゼロだった。」

出席停止となると対象者の保護者が証拠を出せと抵抗してくるでしょう。いじめグループの報復をおそれて中々証言を得られなくて苦労されたはずなのに更に教員の負担が増すことが想定されます。

☆★☆

犯人特定は困難になる

停学措置が講じられるとなれば、いじめは地下化します。いじめグループ内でバレないように入れ知恵をし合ったり、口裏を合わせたり、目立つ暴力ではなく、精神的な攻撃を加える陰湿化で把握が困難になります。

☆★☆

いじめや差別は多数派から少数派に対して行われる

いじめる側を裁くのは多数派を相手にすることになります。その中から主犯を絞り出す過程で誤ると濡れ衣、レッテル貼りになります。どちらが加害者で被害者かわからなくなります。裁く側が加害者になるリスクがあります。

☆★☆

誰にでも効き目があるわけではない

死刑制度があっても死刑にされたい人は無差別殺人をします。学校に行きたくない生徒には効き目が有りません。停学中に反社会と結び付く懸念があります。

☆★☆

真っ当な正論はシルバー民主主義に似る

今まで国を、地域を支えてきたのは誰なんだ。おっしゃることごもっともと高齢者を優遇したところで、働く世代が豊かにならないと税収が伸び悩み財源不足で高齢者にもサービスが行き届かなくなります。

☆★☆

親の沽券にかけていじめを認めない

いじめる側は家庭に問題がある、親に問題がある、沽券に関わるので、うちの子は悪くないと庇います。庇っているのは子供なのか自分自身なのか。

(親が誰かにいじめられていて子供に当たって、子供は学校で誰かに当たってたりするいじめの連鎖だったりして。)

☆★☆

問題児と付き合ったことがある

先生から問題視されている同級生と下校時に付き合って家に寄ったら帰った早々、母親からギャンギャンギャンギャン、一応クラスメートがいるんですけどー、こりゃたまらん。

(こんなところ恥ずかしくて同級生に見られたくないだろうね。)

子供のnikoichiにはわからなかったけど、後から考えたら、いじめっ子は家庭のストレスを学校で発散しているんだと思った。

☆★☆

なぜいじめるのか

①八つ当たり

いじめる子がいじめられる子に向けている怒りは、敵わない相手(親族や指導的立場の人)に向けたい怒りです。怒りをその人に向けられないから、たやすく攻撃できるクラスの弱い子に置き換えて、八つ当たりをしているわけです。nikoichiが小学校のときのいじめっ子はこのタイプだったと思う。

②自信、劣等感の補完ー強がり

自己肯定感が不足して自信が持てない、誰かを叩いていじめれば、優越感を得られます。本当はいじめではなくて、リアルで自信、優越感を得たいのに、それが無理だと感じているので、強がっていじめによって優越感を補っているわけです。

☆★☆

なぜ自殺に追い込むほどエスカレートするのか

相手を深く傷つけ、ましてや自殺に追い込むほど行動がエスカレートしてしまうのは、心に満たされない思いや、気持ちをわかってもらえず、真剣に向き合ってもらえないことへの落胆、失望、絶望があるのかもしれません。

☆★☆

集団いじめのメカニズム

同じ鬱屈を抱えた仲間が集まると、その鬱屈を「八つ当たり」や「補完」の行動で解消し、それがエスカレートして集団化するのではないか。

☆★☆

正論を信じて見過ごしていた

加害者をやっつけろ、罰っするべきだ、加害者は加害者でしかない。どうしてそうなったかをそれを見過ごしている、或いは見たくないからと目をそらして見ないようにしていることが、いじめがなくならない原因の一つになっているのではないかと思う。
 ☆★☆

停学自宅待機中に反省文を書かせるのは愚の骨頂

反省を強要したところで逆に怒りを募らせて嘘を吐いて反省文を書くのが上手になるだけで、反省したフリをして反省しません。

わかってもらえない怒りを募らせて学校で発散できないなら社会で発散されて逆教育になる。

頭にきて怒っている人が即反省なんてできるわけがない。溜まったもの、思いを吐いて自分に向き合うところから始めるしかない。