nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

新幹線 長崎ルートはミニ新幹線方式でーフリーゲージトレインは新幹線よりも ななつぼし で

日本経済新聞 2017年6月14日 朝刊 15面)

長崎新幹線、フリーゲージの導入断念」「JR九州、採算見込めず」「昨年上場、厳しい株主の目」

フリーゲージトレイン(FGT)の車体価格などコストが通常より3倍になる上、時速300キロを実現できないため(FGTの最高速度は時速270キロ)JR西日本が乗り入れを拒否する見解を示したことにより、長崎と新大阪を直通運転することもできない。

収益性に疑問符がつき、JR九州はFGTの導入を断念する方針を固めた。

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暫定開業する2022年は博多~武雄温泉は従来線を特急が走り、武雄温泉~長崎をフル規格の新幹線が走るリレー方式になるという。

鹿児島ルートの暫定開業と同じ方式になる。(博多~新八代 在来線特急、新八代鹿児島中央 フル規格の新幹線 だった)

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フル規格のメリット・デメリット

 

メリット

 JR側にとっては フル規格にすると並行する採算のよくない在来線は第3セクター方式となり、JRの経営から分離するので収益性が高くなる。

東北本線 盛岡~青森、北陸本線 金沢~直江津信越本線 長野~直江津篠ノ井~横川、鹿児島本線 新八代~川内)

デメリット

 新幹線開通と引き換えに地元自治体が採算のよくない(新幹線開業によって特急廃止により更に収益性が低下する)在来線の経営を引き継ぐ。

 

JR九州は全線を通常のフル規格で整備すべきだとの意向を示すも、

「新幹線の整備に関しては政府・与党や地元に委ねられ簡単には決まらない。このため、リレー方式による運行が長期化しそうだ。」

武雄温泉での乗り換えが長期化しそうだ ということです。

 

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Nikoichiは新八代での乗り換えは利用しなかった。面倒だから。(同じホームで移動するだけなのに何という横着ぶり)

だからといって地元自治体の負担になる全線フル規格にすることもないと思う。

全国津々浦々にN700系(のぞみ用)やE5系(はやぶさ用)が行くこともないと思う。

かの田中角栄元首相も新潟に新幹線がほしいのであって、東海道サイズを欲してはいなかったという。一度決めたら画一的に同じやり方が踏襲される。車体サイズが大きいとトンネルサイズも大きくなるので工事費が高騰する。

東海道サイズは東海道線の需要が逼迫していたために決められたサイズです。それを全国に当て嵌めていたらオーバーサイズになる。

新潟新幹線には2階建てのMAX(E4系)が運行されているが廃止になる予定で後継車は2階建てではない。(北陸と同じE7か)

(東北新幹線では 速度を理由にMAXは廃止された)

山形(E3系)、秋田(E6系)ルートと同じミニ新幹線でいいのではないか。

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地元は新幹線に来てほしいのであって、N700 や E5 に来てほしいのではない。

 ましてや 在来線の日々の買い物や通学の列車の本数が減ったりしてほしいわけでもない。

経営が苦しくて本数を減らす、不便だから鉄道を使うのはやめる、ますます経営が苦しくなるという悪循環。

新幹線工事期間中は地元土建業に収入があっても、工事が終わった後、自治体の財政難で工事が減ってほしいわけでもない。

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いきなり新幹線で フリーゲージトレイン は無茶な気がする。

 時速130キロ以下の在来線での実績がないのに、いきなり時速200キロ超の新幹線でフリーゲージトレインをやろうとするのは、素人目にも無茶ではないかという気がする。

海外の事例である スペイン国鉄のTARGOは新幹線のような高速鉄道ではありません。

JRの在来線で標準軌狭軌の乗り入れはないので、いきなり標準軌狭軌の乗り入れを実現したい新幹線で実験が始まったという経緯があります。

 

いきなり新幹線が実現したわけではない。小田急SE車(狭軌速度世界記録 昭和32年 1957年)、国鉄151系(こだま形特急電車 東京~大阪・神戸 昭和33年~39年 1958年~1964年)というスピード化の実績を踏まえて東海道新幹線が実現した。

いきなり新幹線でフリーゲージ車両を実験するよりも、新鳥栖~武雄温泉の在来線を山形新幹線(福島~新庄)、秋田新幹線(盛岡~秋田)のように標準軌に改軌して、ななつぼし が狭軌標準軌を乗り入れできるようにフリーゲージトレインにしたほうがよいのではないか。

新鳥栖~武雄温泉間のみならず、武雄温泉~佐世保、小倉~大分も標準軌に改軌してスピードアップを図る。ななつぼし は九州内のどの路線にも乗り入れるために フリーゲージトレインにする。

 

標準軌 レールの間隔が1435㎜、狭軌は1067㎜

標準軌を採用しているのは新幹線、大手私鉄では阪急・阪神、京阪、近鉄、京成、京浜急行西鉄 欧州の標準のため標準軌と呼ばれる。

狭軌を採用しているのはJR在来線、東急、小田急、西武、東武、南海、相鉄。

(2017年9月15日追記 コメントで突っ込みがありました。失礼しました。標準軌 西鉄貝塚線を除く)、狭軌 相模鉄道(経営の多角化と首都圏への人口集中で1990年に大手私鉄に格上げ)が漏れていました。)

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一昨年前に同じことを言っていました。

 

nikoichix.hatenablog.com

 

 

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ミニ新幹線にして建設費を抑えて、佐世保ルートや大分ルートの整備費にも回した方がいいのではないか。

 

当初は路盤改良やルート変更をして、3線(狭軌の外側に1本レールを追加し標準軌を設けて3本)で運行を開始して、時間を置いて各駅停車用の車両の台車を標準軌用に交換して全体のスピードアップを図っていけば観光客のみならず地元住民の利便性に適うと思う。

 

でもJR九州は 長崎本線佐世保線日豊本線標準軌になると 目玉の ななつぼし の運行が出来なくなるから、3線軌道を残すか。

 

と一昨年は書いたけど、

 ななつぼし をフリーゲージトレインにすればいいのでは

 長崎本線佐世保線日豊本線を3線で維持すると保線費用が嵩むだろうから、“ななつぼし”をフリーゲージトレインにすればいいのではないか。

新幹線のような高速で走るわけではないからトラブルのリスクも比較的低い、お金を出す人が乗るのだからそこでコスト回収をはかる。フリーゲージトレインですと観光客にアピールできる。 運行やメンテナンスのノウハウを蓄積したら他の列車に採用を広げていく。

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FGTのデザインもいいと思う。フリーゲージ機構をなしにして、あのデザインでもいいのではないか。

(300キロ運転できないよ)

デザインも仕切り直して、800系が700系と部品を共用してコストを抑えたように、新車両はE6と部品を共用して(秋田のような寒冷地対策も不要になる)コストを抑えられるのでないか。

 

新大阪~鹿児島中央 つばめ、 新大阪~長崎 さくら、 新大阪~佐世保 フェニックス(みどり や はと じゃしまらない)、新大阪~大分 ソニック 

(みずほ は東京~熊本間の寝台特急が由来だが、みずほファイナンシャルグループを連想してしまう。名前を使ったら融資条件がよくなるのだろうか。

富士 は東京~西鹿児島間(大分経由)の寝台特急が由来だが、富士山のある静岡県を通らない列車には相応しくない。

はやぶさ は東京~西鹿児島間の寝台特急が由来だが 津軽海峡に行ってしまった。 新大阪には戦前からの名列車の名称 つばめ が乗り入れてほしいと思う)

 

4列車が8+8両(16両編成) 或いは8+6両(14両編成)の2列車の組み合わせで、新大阪を出発し小倉、博多、武雄温泉で分割併合を行う。

(つばめ と ソニック 或いは さくら と ソニック が小倉で分割併合、つばめ と さくら が博多で分割併合、さくら と フェニックス が武雄温泉で分割併合)

 

水戸岡デザインのミニ新幹線山陽新幹線に乗り入れて時速300キロで走る姿を見てみたい。

 

それではまた。

 

※水戸岡デザイン(インダストリアルデザイナー ドーンデザイン研究所代表 水戸岡鋭治氏の作品)国鉄が民営化されてJR九州が発足した1987年当初から同社車両のデザインを手掛ける 火の国九州を全国区にアピールするため国鉄形特急車両481系を赤く染めた。

新造車両としては787系つばめを皮切りに883系ソニック、885系かもめ、800系新幹線つばめ、ななつぼし といった特急車両に止まらず、各駅停車用の標準車両や駅舎、乗務員のコスチュームまでも手掛ける。

※フェニックス 昭和の時代の宮崎~小倉経由~西鹿児島間の急行の名称。