メリットと思われたこと
そもそも、国鉄が分割民営化されたいきさつは
経営面では累積赤字の解消、政治面では組合対策ではなかったのか。
ストや闘争が頻発してサービス水準の低下や様々な非効率、時には安全への影響ももたらしていた労使問題を改善することを目指していた。
いま振り返ってみれば、目的は達成できているのではないか。
目的が達成できたなら、次の課題に向き合うのが通常のフローです。一つ達成できたら、その後は何も変えないという訳にはいかない。
☆★☆
親方日の丸意識が消失してサービスが向上
官営官製規格品に乗せてやってる意識が見えて特急車両も通勤車両も私鉄の方が好きだった。味気ないデザインに思っていた。JRになってから魅力的な車両になり、接客応対も感じが良くなった。
殊にJR九州の個性的な車両は分割民営化なくば産まれ得なかっただろう。
☆★☆
36年経過してデメリットも見えてきた
国際競争力の低下
海外情報を収集するにも6社が別々に現地事務所を設置すると二重投資ならぬ六重投資になる。
(JRは6社ある)
車両や設備のメーカーが海外進出を目論んでも、日本側が鎖国状態では、不公平だと指摘され政治問題化すると日本メーカーの進出が阻まれる。
☆★☆
交通系ICカードの乱立で金融大手になるチャンスが摘まれた
交通系ICカードは乗車のみならず、買い物にも使っています。JR6社、地域別、関東中部関西民鉄系、と乱立しています。JR1社であれば全国で覇権を握る金融機関にもなれたのに。あ〜あ。
(でもその裏でシェアを落とす金融機関も出たかも知れないね。)
☆★☆
株主優待は地域限定
航空会社の株主優待は北海道から沖縄までカバーされますが、JRの株主優待は営業エリア内に限られます。
☆★☆
通し運行がなくなった
新幹線を作らせるなら並行する在来線の経営は勘弁してほしい。その結果、在来の幹線は第三セクターになり、あちこちが分断され、貨物列車、団体列車が通しで運行ができなくなった。
(在来線の長距離列車はもう無理、残っているのはサンライズくらい。(経路はJR東日本、東海、西日本(サンライズ出雲)、四国(サンライズ瀬戸)途中に第三セクターはなし))
☆★☆
設備の乱立
各社境駅付近では両社の設備がある。
(合理化が民営分割の目的だったのにね。)
☆★☆
人員も二重
両社線区乗り入れの列車では、両社の境駅で人員交代のため、乗降客のためではなく人員交代のための停車をせざるを得なくなった。
☆★☆
朝活がしにくくなった
夜行列車の廃止により、現地に朝着いて、午前から活動開始はできなくなった。
午前から活動するなら、前日に着いて宿泊するしかない。
朝イチの新幹線や飛行機に乗るために早朝起きるか、前日からターミナルや空港のホテルに止まるしかない。それでも目的地が遠方なら午後からの活動になる。午前から活動なら前日から泊まるしかない。
☆★☆
料金は割高になる
合理化が目的の民営分割だったのに各社が自社エリアでの収益確保を考えるなら割高にならざるを得ない。新幹線と在来線が並行している場合、運行会社が異なると同じ区間でも運賃が違うというややこしい話になっている。
(小倉〜博多67.2キロ、新幹線がJR西日本1170円、在来線がJR九州1310円とか。)
※本州3社と北海道、九州、四国とは運賃計算のルールが異なっています。分割の際に経営安定のために異なる運賃ルールを定めました。
(盛岡〜八戸 JR東日本 1690円→第3セクターいわて銀河鉄道、青い森鉄道乗り継ぎ 3110円、
八戸〜(新)青森 JR東日本 1520円→青い森鉄道 2320円
(新)が付くのは新幹線の新駅です。
糸魚川〜金沢 JR西日本 2310円→日本海ひすいライン、あいの風富山鉄道、IRいしかわ鉄道乗り継ぎ3140円
(新)八代〜川内 JR九州 1850円→肥薩おれんじ鉄道 2670円)
(新幹線ができると並行する在来線は第3セクターに引き継がれて運賃は上がるんだね。だからフル規格ではなく山形や秋田みたいなミニ新幹線を望む自治体もあるんだね。)
☆★☆
外資の株主と地元の利用者の見解は異なる
民営化、株式上場により利益の最大化と株主への還元のために鉄道事業なんてやめてしまえと圧力が強まる。そこに国が介入すると日本の株式市場は世界の信用を失う。
(鉄道が無くなったらその鉄道を利用している他の投資先の企業の株価が下落するかも知れないのにね。その影響はシュミレーションしてないのかな。)
(自分たちのすべての投資先をシュミレーションして関係ないから知ったこっちゃないと思ってたりして、)
(影響を受ける企業の株を持ってる株主と利益相反。損害請求するとか言われたりして。)
(そんなのは自由だ、それは自由の範疇かと自由の定義の議論が始まる。)
(結果は予測できるから裁判をやらないという訳にはいかない、裁判を受ける権利の侵害と言われる。裁判のための裁判で時間稼ぎされる。長引くと投資判断に影響する。)
(民営化株式上場で国はお荷物とオサラバしようとしたのに新たなお荷物化)
☆★☆
自社株買いで株価を上げて株主の機嫌を取りながら上場廃止を目論む
上場廃止のメリット
●経営の舵取りがしやすくなる
上場していると、経営者は株価を上げる目的や株主の評価を得るために、短期的な利益を気にしなくてはなりません。
しかし、上場廃止すれば外部から経営に関与されるリスクが減るため、長期的な経営計画を立てやすくなります。
また、不特定多数の株主に散っていた経営権が一点に集中することで会社経営の基盤が安定化し、事業方針などの意思決定をスムーズに行えて迅速な判断が可能になる場合もあります。
(場合もあるとは役員や経営者がしっかりしてないとチェックが効かなくて暴走の怖れもあるということだね。)
●上場維持コストを削減できる
上場会社は四半期ごとに決算を開示しなければならなかったり、提出書類の作成に人件費がかかったり、監査法人への支払いが増える、内部統制関連にコストがかかるなど、上場を継続するための膨大なコストがかかっています。
これらの上場維持コストと、上場による業績向上や上場廃止にかかるコスト(株式の買収など)を比較してどちらにメリットがあるかという判断になる。
☆★☆
上場廃止のデメリット
●ブランドイメージが下がる
一般的に上場廃止になると、一般消費者や取引先が抱くブランドイメージが下がり、売上に影響する恐れがあります。自主的に上場廃止を選んだ場合、取引先などに対してはその理由を明らかにするといった配慮が求められます。
廃止したら紙切れにするのか、所持者には配当や優待の権利を認めるのか。
(一般的にとは、普段乗ってる電車の会社が上場廃止したからといって乗らないという話にならない。)
●資金調達がし難くなる
証券取引所を通じて不特定多数の投資家から資金を調達できなくなるので、多額の資金を短期に調達することが難しくなります。事業を継続するための資金調達の目途をつけておく必要があります。
(公営化は経営破綻や戦争でも起きないとないね。)
(水道は民営化した後で公営に戻ったという例があるけどね。英仏)