大川小津波訴訟、石巻市長が控訴表明 原告側も検討 :日本経済新聞
(朝日新聞 2016年10月27日 朝刊 1面)
「大川小 津波遭難「過失」市県に14億円賠償命令
東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が死亡・行方不明になった宮城県の石巻市立大川小学校をめぐり児童23人の遺族が市と県に計23億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は26日、総額14億3千万円の支払いを市と県に命じる判決を言い渡した。」
・東松島市立野蒜(のびる)小学校
原告:避難住民2人と児童1人の遺族 5700万円を請求。
被告:東松島市
結果:児童の遺族について仙台地裁は約2700万円の賠償命令、住民遺族は敗訴。仙台高裁で係争中
(学校は児童を守る責任はある。一方で地震が起きた時の避難場所として学校等が指定されていても学校側が住民を守る責任までは課せられていない。)
(なぜか?居住地や職場によって避難の指定場所が学校の人もいれば広場や公園の人もいる。学校には教員という指導者が(授業のある時間帯は)常在している。一方公園や広場には指導者は常在していない。学校に住民の保護責任を負わせると指定された避難場所によって不公平が生じるからです。)
・私立日和(ひより)幼稚園(石巻市)
原告:園児4人の遺族 2億6700万円を請求。
被告:運営法人、園長
結果:仙台地裁で1億8千万円の賠償命令。高裁で園側が法的責任を認めて和解。
◆大川小に津波が到達するまでの51分間
午後2時46分 地震発生。3分間の揺れの後に校庭へ避難。
3時前 (日本経済新聞 朝刊 39面)教務主任が校庭へ。裏山への避難を提案。
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(朝日)3時30分ごろ 石巻市河北総合支所の広報車が学校付近を走りながら拡声機で避難を呼びかける。
(日経)遅くとも3時30分 大川小の前を通った市の広報車が津波の襲来を知らせ、避難を呼びかけ。教務主任が再び裏庭への避難を提案。
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(朝日)30~35分ごろ 学校近くの「三角地帯」へ児童らが歩き始める。
(? 教員についての記述がない。児童が勝手に歩き始めたようなニュアンスになっている。 ※判決文より抜粋とあります。判決文の全体を読めば教員の先導であったことは読み取れても、掲載するにあたってこういう抜き方をしたら意味合いが変わってしまいます。)
(日経)30~35分ごろ 教員らは約150m先の校庭より数m高い川沿いの三角地帯を避難場所と決め、移動開始。
(教員らの先導で移動したことを報じています)
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37分ごろ 津波襲来
校庭にいた児童70人余りのうち助かったのは4人。教職員も10人が犠牲となり、「山へ」と訴えた教務主任だけが生き延びた。
(生き延びた児童は親から「津波が来たら山さ逃げろ」と繰り返し言われてきた。教員の先導で皆と一緒に歩き始めてから迫る津波を見て(親のインプットで)反射的に裏山(みんなの進行方向と逆)へと走った。)
(日経)「大川小の津波被害のような学校管理下での事故について、文部科学省の有識者会議は今年3月、教職員の危機管理研修を充実させて対応能力を高めることなどを盛り込んだ対応指針を公表した。」中略「会議では大川小の遺族にもヒアリングを実施した。」
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裏山に逃げなかった理由は
市側は高齢者を含む地元住民も集まっていた。裏山の急な坂道を登るのは不適切として考えたと主張。
それに対して地裁は 教員は児童の安全を最優先に考えるべきで、地元住民に対する責任は負わないとして市側の主張を退けた。
(裏山ではなく川沿いの三角地帯への移動を主張した教員は亡くなっているのだから本当の理由はわからないのではないか。)
(原告は生き残った教務主任の証言を求めたが、実現しなかった。証言する以上嘘は言えない、誰が裏山への避難を反対したのかと問われる。
答えたら反対した教員の遺族がバッシングを受けるかもしれない。躊躇せざるを得ない。
証言の内容に反応してバッシングを行うのは真相解明の邪魔になる。裁判への妨害行為になると思う。)
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どうして地震の後で水に近付くのか
校庭で45分待機の後に川沿いの三角地帯に向かいました。(水の近くに向かいました。)
台風の時に海や川に近付くようなものです。
雷が鳴っている時に大きな木の側や広い場所、山の稜線で立つようなものです。
列車を待つ時にホームの黄色い線の外側に立つようなものです。
とんでもない行為です。
みんなわかってて言わないのではないか。
亡くなった教員とその遺族を気遣って言わないのではないか。
こんなことで大勢の命が失われたなんて考えたくないと思って言わないのではないか。
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市側は不服として控訴を表明
28日、学校側の過失を認めた仙台地裁の判決を不服として、仙台高裁に控訴する方針を表明した。争点は津波の予見可能性と結果回避責任だという。
宮城県も控訴する見込み(29日 日本経済新聞 朝刊 39面)
断罪されたのは教員ではなくて市ではないのか
市は裏山は崩落の危険があるから避難場所として適切ではなかったと主張。
(裏山の麓は学校と住宅です。崩落したらダメではないか。崩落の危険を知りながら対策をしてこなかったと証言するようなものではないか。)
(川沿いの三角地帯を整備する費用を裏山の崩落防止やコンクリートの階段を作る費用にあてられなかったのか、川沿いを避難場所に選定した経緯も問われる。)
(三角地帯を目指した教員は市の指定避難場所を目指したのだから責任は市にあると見做されたとも考えられる。)
争点は津波の予見可能性
津波襲来の45分前に防災無線から大津波警報発令を知らせる放送を流しているのに津波の予見可能性がなかったというのは矛盾していないか。
前例がないから想定外?
地球が前例に倣うという考えはユニークすぎてついていけません。
結果回避責任
「責任がなかった」ということにした場合の社会への影響
児童としてとるべき行動は「先生の指示を無視して勝手に裏山へ逃げればよかった。」ということになってしまいます。
自分の身を守るために「先生の言うことを聞いてはいけません。」ということになってしまいます。
これでは全国の教育機関は困ります。いいのか。
津波被害は人類史上初の被害ではありません。
過去にもあった事例です。
伊達政宗の時代に阿武隈川河口と名取川河口を結んで海岸線に平行して貞山運河が作られました。目的は水運幹線路であり海岸砂丘の後背湿地の水田開発のための排水路でしたが、クロマツ林(植林を行った)との相乗効果で津波の減衰効果もありました。
奥州街道(現在の国道4号)は津波被災地を避けて内陸部を通っています。
伊達政宗の時代に備えをしていたのに、現代人が 予見可能性がないって結論あり?
それでも予見可能性がない、責任がない、のであれば、自分の身は自分で守るしかない。
親は「いざとなったら先生の言うことは聞くな」と子供に教えなければならなくなります。
石巻市の当事者間の問題のみならず社会全般に関わる裁判として注視していきます。
それではまた。
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青信号ですぐに渡ってはいけない。
信号が青に変わったからといってすぐに渡るのは禁物です。
ポケモンGOやスマホゲームに夢中で前方不注意ならぬ前方無視の運転者の車が突っ込んでくるかもしれません。
右左折する車も運転車が下を向いていて横断歩道の歩行者を見ていないかもしれません。
そんな車に轢かれて死んでしまったら遺族は泣くに泣けません。
どんなに自分や家族が正しくても大怪我をしたり死んでしまったら何にもなりません。
右を見て左を見て、車が減速する様子があるか確認しなければなりません。
運転者はこちらのことなんて気にしていないと疑ってかからなければなりません。
青は進行、黄色は注意、赤は停止ではなく、(無視する車は)青も赤も進行、それに応じて青も赤も停止です。
どんな信号でも黄色(注意)と思えばいい。
白か黒かではなく世の中は灰色。青か赤かではなく世の中は黄色。
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車を運転していても
前の信号が青だからと進行したら横からノーブレーキで突っ込まれるかもしれない。
信号スタート最前列の時は左右を確認。
走行中に交差点を青信号で通り抜けるときは前方の車が事故に巻き込まれることを想定して速度に応じた車間距離を取る。
低速なのにやたらと車間距離を取ったり、高速なのに車間距離を詰めたりしない。
後ろを詰められたら張り合わずに路肩に寄せて譲る。
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駅のホームで列車を待つときに黄色の線ギリギリに立たない。
混んで列が出来ているなら人が後ろに並んでいるから整列乗車に協力するけど、混んでいないときに1人或いは2人で黄色の線ギリギリに立つ必要はない。
前方無視の歩行者に体当たりをされて線路に落ちて、そのタイミングで列車が来たら最悪。
そんなことで死んでしまったら遺族や将来を約束した人は泣くに泣けません。