予定を変更するのであれば宿泊施設のキャンセルが相次いで施設側が対応に追われる。観戦を諦めてそのまま東京観光に切り替えるかは読めない。
マンションとして販売予定の選手村の扱いをどうするのか、競技会場の確保や管理はどうするのか、運営スタッフの確保はどうするのか、課題が山積みになることが明らかなので、対応策が定まるまでは言い出せないのではないか。
誰もがわかっているが言えないのではないか。
今、このタイミングで発表したら実体経済にどのような影響が及ぶかわからない。発表するタイミングを慎重に図ろう。対応策を同時に発表しないと混乱に拍車がかかると協議していたりして。
五輪に限ったことではなく、政府が何も言わなければ何もないと想定している企業はないと思う。ストックのあるところで事態に備えるところもあれば、発表がない以上は取引関係上どうにも動きが取れないという事業者もあるだろうから発表が遅いと影響が大きくなる。
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空気を読んだ発言と読まない発言
(日本経済新聞2020年3月13日朝刊3面)
小池百合子知事「中止の選択肢は全くない」
I O Cのバッハ会長は、これまで予定通りの開催に向けて準備をする姿勢を示してきた。
中止の選択肢は全くないというのはどの程度の期間を見込んでいるのかは判りませんが延期には含みをもたせた発言と受け取ることもできます。前回の東京大会と同じ秋を見込んでそれを理由にマラソンを札幌から東京に戻すつもりなのではないか。
日本側もI O C側も空気を読んだ発言をする中で期待通り?に空気を破る発言が出ました。
トランプ大統領は12日、ホワイトハウスで記者団に対し東京五輪について「1年延期すべきだ」
1年後、21年の同時期に延期する場合は世界水泳選手権や世界陸上選手権大会など各競技の大型イベントと重なることになるという。
だからフツーの人は配慮して遠慮して言えない。
でもそれもありかもと思った。
ベストの発表のタイミングなんて誰もわからない、わからないことをいつまでも考えても時間の無駄だ、言ってしまえば事態が動くから俺が言ってやる。とか思ってたりして。
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予定通りに開催したら新記録は出ない
全世界的な自粛で選手は練習できないのだから、予定通りに開催したら記録は伸び悩むのではないか。
選手団を派遣できない国も出てくるだろうから盛り上がらない。日本の状況がどうあれ自国でのコロナの収束が見えなければ出場辞退もあり得る。無理に派遣してもベストコンディションではなくて実力を発揮できない消化不良な消化試合が五輪で行われるのは残念な結果が歴史に残りかねない。
それがレガシーでいいのだろうか。
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スター選手が出場できない可能性も
(日本経済新聞2020年3月10日朝刊2面)
「スター選手も五輪ピンチ?」
渋野日向子選手は2月下旬からの米女子ツアーのタイ、シンガポール、そして国内の開幕戦、第二戦と4試合が新型コロナで中止になり、ポイントが稼げなくなり、
体操で五輪連覇の内村航平選手も3月18日に予定していた大会が中止に追い込まれて、故障明けで4月からの代表選考会がぶっつけ本番になるという。
(日本経済新聞2020年3月17日朝刊41面)
「五輪代表争い 宙に浮く」
世界バドミントン連盟が4月12日までのツアーの中断を発表
リオデジャネイロ五輪の金メダリスト、高橋礼華、松友美佐紀組は全英で4強入りして望みを繋いだがこの先のツアーの取り扱いは不透明。
選手の不本位に収まらず、観客も選手の顔ぶれに不満という状況も起こりうる。
あおりを受けた選手を救済すれば当初より参加者が増えて五輪の肥大化や運営費の押し上げ要因となる一方、強引に出場ラインを線引きすれば、不利を被った選手がスポーツ仲裁裁判所に訴えるケースも想定されるという。
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予定通りに開催したら残念な結果が待っている予感がしてお祝いムードが払拭されそう
国内のことではないから世界の空気を読みながら一斉休校みたいな決断はしなかったのではないか。
世界から延期しろ延期しろと言われたら国内を説得できると思ってたりして。
それならば仕方がないと納得する嗚呼日本人。
(3月25日追記)
と思ってたら24日のIOC総会で一年程度の延期が決定。
ノルウェーを皮切りに海外からの延期を求める声、米国陸連、水連をはじめとした各競技団体の出場辞退が現実味を帯びる中で開催を強行したら、別にオリンピックじゃなくていいじゃない、とオリンピックパッシング、五輪無視の世界的空気が醸成されかねない。
今まで積み重ねてきた準備は何だったのかと悲嘆に暮れたところで、予定通り開催のデメリットが延期のデメリットを下回るエビデンスを出せない以上は流れを変えることは出来ない。
世界中から人が集まった東京オリンピックが新型コロナの培養器になったと後世に歴史的汚名が残るリスクの方が多大
チケット、選手村のマンション販売、スタッフの扱い、宿泊施設の損害はどうするのか、という課題は大きくても、開催強行による世界からの損害請求や揉めるリスクの方が多大、よい選択を常に選べるわけではない、もっと悪い を避けるためには 悪い を選んだ方がましと粛々と受け入れる日本人。
安倍政治が悪いとメディアが叩いても続くのは他の選択肢が もっと悪い と思われているからではないか。