高級ブランド車の解説で100kg軽量化したと聞くと素直にすごいと思っていた。
手法はアルミの多用、アルミとスチールの接合技術、レーザー溶接や構造接着、炭素繊維や新素材といったお金のかかる技術です。
1.6トンの車重を100kg軽くすれば6.25%の軽量化です。2トンの車重を
100kg軽くすれば5%の軽量化です。
軽自動車で高い値段をつけることができないアルトは高価な素材や工法を使うことが許されません。安全対策の強化や走りの性能を向上させるために、強度も剛性もUPした上で軽量化も行いました。
710kgの車重を60kg軽くしました。8.45%の軽量化です。
いかにして成し遂げられたのか。最初は設計担当者全員が“そんなの無理”と口をそろえた。とあります。
小さい目標を掲げると却って重箱の隅をつつくような話になってしまいがち、大きな目標を掲げることで抜本的な対策を取らざるを得なくなる、ということなのか。これはタダ者ではない。
シートフレームの中心とシートレールの中心を合わせて剛性を大幅に向上させた。ということはシートフレームとシートレールの中心がずれているクルマもあるということか、逆に中心がずれた状態で剛性を確保しようとすると肉厚を増して対処することになり重くなるということか。
ボルト締結されていた部材を溶接で一体化して部品点数を削減して軽量化って?
生産現場でボルト締結時の修正はできないから、溶接や成型一発でズレなくできるってことか。
骨格の図面の新旧比較図があり、新型は骨格の屈曲がなだらかで、旧型はRが強い(急な角度で曲がっている)
エンジン軽量化のアイデアは軽量化のみに止まらず、暖気が早まり、高負荷時は排ガスを冷却出来ることに繋がり、燃費も排ガスも良くなる効果をもたらした。
軽量化のアイデアがボディ、エンジン、足回り、内装、電装品に亘って解説されています。
そんなに明かしていいのか、明かされていないこともあるのだろう、明かされてもマネのできないこともあるのだろう。
ターボRSの記事が読みたくて買ったのに軽量化の解説に夢中になってしまった。
(ターボRSについても溶接点の変更や専用パーツの解説があります)
今後発売予定のラパンやワゴンR、スペーシア、スイフトへの期待が膨らみます。
アルトX 650kg、ターボRS 670kgの比較試乗の相手のコペンは870kg、N-ONEは850kg、ミライースは730kg、重量差を活かしてアルトの加速や軽快な操縦性の優位が語られています。が、アルトとN-ONEを比較する人がいるのだろうか、あくまでも参考までの比較ではないか。
アルトが女性向けを想定したデザインから広い世代に向けたデザインに変わったように、ラパンも広い世代に向けた上質な仕立てにしてきたらN-ONEとの比較が面白くなる。(追記:実際のラパンは更に女性向けにしてきた。(男目線ではそのように見える)アルトとラパンで各々ポジションが明確化された。)
読んで楽しくなる“すべて”だったので☆5つ献上します。
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