世間では保守派は昔の日本のように徴兵制を復活させようとしている。
リベラルは現状を維持する考え。と捉えられています。
それぞれが実現を目指す方向を考えれば、むしろ逆です。
保守が徴兵制を避ける理由
徴兵制を導入すれば、反乱分子が合法的に武器を手にする恐れがあります。
戦前は反乱将校に政治家が暗殺される事件も起こりました。
反乱には上官の命令だからと訳もわからず参加した若者もいました。
目的を知っているのは一部で、大半はたまたま上官が反乱分子であったという運の悪さで反乱に参加しました。
徴兵制を導入すれば入隊する者の思想のチェックが追い付かなくなります。
ヘタレが入隊したら足手まといになります。
危険ドラッグを吸った奴に後ろから撃たれるという惨事も起こりかねません。
アメリカとの同盟関係を基本に、安保条約で防衛コスト 兵力を抑制し、経済を重視するのが戦後保守の方針です。
大兵力を抱えるとアメリカに警戒されます。
敗戦国の兵力が戦勝国がコントロールできる範囲を超えないように抑えることが戦勝国の基本方針だからです。
人間の理性に懐疑的な保守、人間の理性を信じるリベラル
保守は人間の理性を疑っているので、徴兵制のリスクとメリットを天秤にかけて判断します。
戦前は人間の理性への疑いが不足していたから国民皆兵が実現できたのです。
欧米列強に飲み込まれないことに必死で、そんなことを考えている場合ではなかった。
戦前は保守ではなかったのです。
226事件でリスクが顕在化し、戦争への道を進みました。
リベラルが国民皆兵を目指す理由
アメリカには頼らずに独自の外交を実現する。
日本の力だけで日本を守る。
これは戦前と同じ思想です。
ドイツとは異なる周辺事情
ドイツの周辺国は、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、チェコ、ポーランド、デンマークです。バルト海を挟んでスウェーデンといった民主主義国家に囲まれています。
日本の周辺国は、アメリカ、ロシア、中国という世界の三大国に韓国、北朝鮮、台湾です。
民主主義国家と独裁国家、ファシズム国家(党が法より上位の国)の組み合わせ、
日本は世界のパワーゲームの中心に位置しています。
周辺事情の違いは明らかです。
独自の外交、中立を目指すのであれば、まずはスイスのように国民皆兵の実現は必須です。
スイスの周辺国はドイツ、オーストリア、イタリア、フランスです。
日本との周辺事情の違いは明らかです。
日本が中立を守るためにはスイス以上の軍事的努力が求められます。
日本の中立とは国家予算の大半を軍事費に使う軍事国家への道です。
単独での防衛はあきらめて、米軍の代わりに駐留するのはロシア軍?中国軍?
中立を目指したら戦前の日本と同じになります。