(日本経済新聞 2017年11月17日 朝刊 43面)
「客の迷惑行為7割経験」「百貨店・スーパー従業員 労組調べ」
「小銭投げつけ」「土下座強要」
「顧客の暴力行為 鉄道・病院でも」
「被害を受けた行為(複数回答)で最も多かったのは「暴言」(27.5%) 「同じクレームを繰り返す」(16.3%) 「説教」(15.2%)…「セクハラ行為」(5.7%) 「土下座の強要」(1.8%)…… 客に20分以上謝り続けたり、3時間以上説教を受けたりした従業員もいた。
…対応については「謝り続けた」(37.2%)など、効果的な対策が打ててないケースが多かった。」
3時間以上説教を続けるってどれだけヒマなのか。
これが原因でやめる従業員もいるのではないか、人手不足に拍車がかかる。
残った従業員にシワ寄せがいくという悪循環になる。
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「国土交通省によると、2015年度に鉄道係員への暴力行為は873件に上った。」
「全日本病院協会が07年12月~08年1月に行った調査では、約5割の病院が過去1年間に院内暴力を経験していた。」
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組織内で従業員個人の問題として見過ごされてしまうことも多いのではないか
顧客からの過大な要求やクレームでも、サービスへの満足度と関連していると捉えて、「業務の一部」として応じてしまっているのではないか。
ある程度、受け入れなければならない場合もあるかもしれないが、不当な嫌がらせや暴力行為、セクハラ(ここまでいったら加害行為です)を受けた場合は毅然と対応しないと、加害者以外の顧客が不愉快になって店に寄り付かなくなるリスクがあるのではないか。
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度が過ぎた要求は犯罪になります
威力業務妨害(刑法234条)
店に居座る、店員や客に絡んで嫌がらせをする、怒鳴る・大声を出す、恫喝する、土下座を要求する。
偽計業務妨害(刑法233条)
クレームや無言電話を何回にもわたってかける。
インターネット上のブログや口コミのサイトに、店の悪評を大量に書き込んだり、店に大量のスパムメールを送信する。
度が過ぎた時点で犯罪になるのですから、ウサ晴らし、溜飲を下げるでは済まなくなります。
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イヤなものを見た
すし職人が店の前で土下座をさせられていた。(チェーン店)
その手で寿司を握らないでほしい。
(そっちかよ)(手を洗うに決まっているじゃない)
どんな経緯か知らないが、土下座をしたらその場が収まると思ったのか。
土下座を要求した客は溜飲が下がるかもしれないが、他の客は不愉快。それを見た通行人は店に入る気が失せる。
チェーン店本部は店舗に土下座禁止令を出してほしい。
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明らかに非があるわけでもないのに、「おっしゃる通りでございます」と言っていないか。
明らかに非があるのに 言い訳(そんなことはないはずです)をするのは好ましくないが、非がないのに「おっしゃる通りでございます」と言ってしまったら非を認めたことになります。
なぜなら「おっしゃる通りでございます」とはストレートに相手の言い分を認める言い方だからです。
言い分を認めたな 非を認めたな 補償しろ という話になります。
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「ご迷惑をおかけしました」と言っても非を認めたことにはなりません。
迷惑をかける とは相手に迷惑な思いをさせることです。
親に迷惑をかける、友人に迷惑をかける、上司・同僚に迷惑をかける と言います。
思いをさせたことについて認めているのであり、相手の言い分を認めているのではありません。
(これをわざわざ相手に説明する必要はありません。「迷惑をかけたと言ったじゃないか」と言われても)
「ご迷惑をおかけいたしました。おそれいります。~様、事情(補償できない理由)を説明させていただいてもよろしいでしょうか。(説明させていただけないでしょうか とは言わない)」
~といった事情からできかねます。ご理解いただけませんでしょうか。(ご理解いただけないでしょうか とは言わない)」
その返答として威力業務妨害に該当する行為をされた場合は
「今なさったことの意味はわかっていますね。警察を呼びますのでそのままお待ち下さい」
(わからないからやるのだろうけど)
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「(流通業などの労働組合でつくる)UAゼンセンは法規制の導入など対策強化を16日厚生労働省に要請した。」
法律ができるのを待つことができる状態なのか。今の法律でできることを周知したほうがいいのではないか。
それではまた。