nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

同じことをフランス・ブラジル・レバノンの企業にできるのか―成功者が陥るワナ―日産不正会計その4

ゴーン氏に同情的な海外メディア

 

自分たちの国の企業に同じことをしても同情するの?

家族や知人をパパラッチしたりしないよね。


同情的なメディアの役員、社員の皆さん、私的な投資を会社の名義に付け替えましょう。

株主の皆さん、OKですよね。

(んなわけないじゃない。)


ゴーン氏は同じことをフランス、ブラジル、レバノンの企業でも出来るのか?

出来ないというのであれは、不正の認識かあるということになります。

日産でしか出来ないというのであれば、背任の認識があるということになります。

出来るというのであれば、自身以外の役員、社員が付け替えることを承認するということになります。

そんな話はまともな会社では通りません。

ステークホルダーが許しません。

企業統治の否定です。

 

フランスの勾留期間は最長4年

 

特捜部の勾留延長を地裁が却下したのは海外の批判をおそれてという憶測記事が流れてるけど、フランスでは最長4年です。堂々と延長すればいい。貴国には及びませんが…と。

 

法務省資料によると

http://www.moj.go.jp/content/000076304.pdf#search=%27%E5%8B%BE%E7%95%99%E6%9C%9F%E9%96%93+%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%AF%94%E8%BC%83%27

 

フランスは無令状で警察留置が可能

 

日本は令状がない場合は現行犯が原則です。韓国、ドイツ、イタリアも同様です。

アメリカ、イギリスは無令状逮捕が広く認められている。

☆★☆

身柄拘束期間

 

日本…   逮捕・勾留を通じて最長23日間。

 

アメリカ…逮捕から大陪審による起訴まで30日以内,一定の場合に更に30日延長可能。

 

イギリス…原則逮捕後24時間。正式起訴犯罪及び両性犯罪につき,通算最長96時間まで延長可能。

 

フランス…予審対象者につき,重罪の場合原則1年以内であるが,延長により通算最長4年まで可能。

 

ドイツ…起訴の前後を通じ,裁判官による勾留命令について,原則として6か月以内,事案に応じて無制限に延長可能。

 

イタリア…公判開始決定までの保全拘禁期間は,例えば長期20年を超える罪の場合,原則1年,最長1年半まで延長可能。

 

韓国…  警察・検察を通じて最長30日間。

☆★☆

最長の身柄拘束期間が日本より短いのはイギリスだけど

 

ドイツは無制限(ホント完璧主義!)、フランスは4年、イタリアは1年半、アメリカは60日。

欧米で悪いことはできません。

(その代わり取り調べで弁護士が立ち会いできる。日本は不可。)

 

日本も欧米のように弁護士が立ち会いできるようにすべきだ!

では身柄拘束期間も欧米並みにしましょう。という話になったりして。

☆★☆

長居は災いの元―2005年に日本を去ればよかった

 

スーパーカーGT-Rはゴーン氏直轄のプロジェクトだった。フェアレディZの復活の立役者だった。

生真面目な日本人経営者だったら スーパーカー、スポーツカー? 何寝言いってるんだ。

会社を再建した後の話だとお蔵入りにして、売れ筋のミニバンとSUVと軽自動車のコモディティメーカーにしてしまったかもしれない。

☆★☆

ヤバイ誘惑がいっぱい

 

証券、銀行、ファイナンシャルプランナー、弁護士、時の人になったゴーン先生に大口顧客になっていただきたいとチヤホヤチヤホヤ状態になったのは想像に難くない。

租税回避とかグレーゾーンとか入れ知恵する連中も寄って来る。

(ヤバイ、これはヤバイ、早くブラジルに逃げて―。)

で リーマンショックで損失が出たら、上司の命令です、追加担保お願いしまーす。で泥沼にはまったんじゃなかろうか。

☆★☆

ルノー(BYフランス政府)の意向でやめられない

 

フランスの国威のために日産をコントロール下に置きたい、アライアンス維持のために他の人には任せられない。

やめることは許されない片道切符だった。

やめられない内にリーマンショックで泥沼に嵌った。

 

急いては事をし損じるを地で行くマクロン政権

 

燃料税増税という浮世離れした政策で国民の猛反発を受けて改革は頓挫。

フランス政府が強硬に出てくるなら日産は対抗措置として株式を追加発行して、第三者割当増資を通じてルノーの持ち分を希薄化させる。

ルノー(フランス政府)が増資差し止めや臨時株主総会の開催で多数派工作をして現役員の解任を図るなら、日産の株主価値に適うのは統合か否かを問う。

そこまで泥沼化したらもはやアライアンスの維持は不可能になる。

☆★☆

ありがとう そしてさようなら

 

ゴーン氏は日産復活の道筋をつけた時点でルノーをやめればよかった。

そうすればリーマンショックや政争に巻き込まれずに済んだ。

故郷のブラジルで子や孫、親類縁者に囲まれて余生を送る。

ブラジルの財界人や経営者にアドバイスしたり、祖国レバノンの若者の育成、自伝やエッセーは世界ベストセラーに……。

引き際は本当にわからない。

☆★☆

裁判で明らかになってほしいこと

 

成功者が陥るワナです。

 

それではまた。

JR西日本は やくも 用にJR四国の8000系を導入したほうがいいんじゃないか―西日本エリアをJRワンダーランドに

381系―国鉄型の電車特急を唯一温存するJR西日本

 

昭和48年(1973)急勾配と急カーブが連続する中央西線(名古屋~塩尻)のスピードアップを図るために急カーブを速度を落とさずに走行する※世界初の振り子式電車が投入されました。

※2019年1月20日訂正 日本初→世界初 参考 鉄道ファン2019年3月号

 

昭和48年(1973)7月 しなの(大坂・名古屋~長野)を皮切りに、その後カーブの多い路線に投入されました。

 

昭和53年(1978)10月 くろしお(天王寺~白浜・新宮)※当時、現在は新大阪発着、1本のみ京都着

 

昭和57年(1982)7月 やくも(岡山~出雲市

現在は やくも のみの運用で7月で37年になります。

☆★☆

スパルタンな乗り味

 

カーブに入ってから時間差でグラリ グラリと傾いたり小刻みな横揺れで 乗り物大好きなnikoichiは面白いが、三半規管が弱い人にはハードルのある乗り味だと思う。

 

乗り心地を改善した制御式自然振り子方式

 

JR四国は世界発の振り子式気動車ディーゼルカー)を開発するにあたり、振り子車の欠点を改善するべく制御式自然振り子方式を採用しました。

 

路線のマッピング(走行線区の線形データを記憶させる)を行い、カーブに入る前に徐々に車体を傾けるというハイテクで、カーブに入ってから時間差でグラリを解消して三半規管への刺激を軽減しました。

 

制御式自然振り子方式はJR四国 2000系をパイオニアとして、その後、JR各社の気動車や電車で導入されました。

 

JR北海道キハ281系 スーパー北斗キハ283系 スーパーおおぞら

 

JR東日本:E351 スーパーあずさ (後継のE353は振り子式ではなく空気バネ式車体傾斜方式)

 

JR東海383系 しなの

 

JR西日本283系 オーシャンアロー(現くろしお 下り3本 上り4本)、キハ187系 スーパーまつかぜスーパーおきスーパーいなば

 

JR九州883系 ソニック885系 かもめ、ソニック

☆★☆

しなの(JR東海)は全車新型に切替えたが、くろしお(JR西日本)は振り子方式をやめた

 

JR東海383系長野オリンピック開催(1998年)に合わせるかのように1994年から営業を開始し、1996年(平成8年)までに全列車を 新型の383系に切替えて乗り心地を改善しました。

 

JR西日本は くろしお全列車を制御式振り子の283系には置き換えず、振り子式ではない287系と289系(北陸新幹線開業で余剰になった北陸線用の交直両用車683系を直流用化した系列)に381系の列車を置き替えました。

 

国鉄時代からのお下がり、乗り心地に対する不満の解消、阪和間輸送のライバル南海電鉄 さざん への対抗措置として287系と289系に切替えました。

 

振り子方式ではなくても低重心化とアルミ合金車体による軽量化で所用時間は381系と変わらないダイヤを実現しました。

☆★☆

※現ダイヤの制御式振り子283系との時間差7分は本当の実力差か

 

283系:くろしお11号 新大阪12:15―新宮16:38  4時間13分

289系:くろしお5号 新大阪9:32―新宮13:52  4時間20分

 

しかし2015年11月ダイヤでは

 

283系:くろしお9号 新大阪11:00―新宮14:59  3時間59分

 

4時間を切っています。 289系より所要時間が21分短いです。

283系の営業運転速度を落として所要時間を延ばして結果的に時間差を縮めて非振り子式の導入を正当化しようとしてると揶揄されても仕方がない。

 

和歌山県は観光客数が伸びているのにJRの利用が減っているのは関西圏や地元の人に見抜かれているからではないか。

※現くろしお9号は 287系 新大阪 11:00― 白浜止まり 13:16 です。

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やくも 用にJR四国の8000系を導入すればいいのに

JR四国が8000系を8600系に置き替えるのと並行して、JR西日本は381系を8000系に置き替える。

 

8000系の しおかぜ は岡山発(松山行き)です。 やくも も岡山発(出雲市行き)です。 長距離輸送をする必要はありません。山陰用の雪対策が必要になりますが。

 

制御式振り子は 製造と維持にお金がかかるから283系の増備が進まなかったのではないか。

見た目では全面塗装の283系(西日本)はステンレス地が見える383系(東海)や8000系(四国)よりも高そうに見える。 製造費が高い車両だから増備が進まなかったのではないか。

 

制御式振り子に代わって空気バネ式車体傾斜方式(JR東日本 E353,JR四国 8600系、2600系)が運用されている。

E353あずさ(東京―松本)、8600系いしづち(高松―松山)が振り子式から代わって所要時間にマイナスがなく運行されているが、線形によっては切替えが厳しいところもあるのではないか。

 

あずさ(新宿―松本)のルートでは問題なくても、しなの(名古屋―長野)のルートでは難しいのではないか。

くろしお、やくも のルートでは難しいかもしれない。

 

JR四国は 南風(岡山―高知・宿毛)、しまんと(高松―高知・中村)のルートの試験走行で急カーブの連続で空気バネへの空気の供給が間に合わないことが判明して、空気バネ式車体傾斜方式への全面切替えは断念し、制御式振り子式として、2700系を開発した。

 

気動車は電車に競べて床下機器のスペースが少ないため、コンプレッサー(電動空気圧縮機)の増設が困難という理由だから、電化区間では空気バネ式車体傾斜装置の導入が進むかもしれない。

☆★☆

共同開発にしたほうがいいのではないか

 

JR東海の しなの 383系もいつかは寿命がくる。

JR西日本の やくも 381系は40年になろうとしている。

JR四国はコストを下げるために空気バネ式車体傾斜方式にしたかったが四国の線形が障害 になって新世代の振り子式を開発しなければならない。

 

2020年以降の非電化区間の特急車輛はハイブリッド方式も視野に入る。

いや、スペースの限られた自動車よりも鉄道車両のほうが燃料電池車に向くかもしれない。

 

1社単独では開発製造コストが重いのではないか

地方幹線とローカル線を抱えるJRを大手私鉄と同列に語るのは無理がある。
 
国鉄時代は 電化後は中央西線伯備線紀勢本線も同じ系式だった。(381系)

電化前は 中央西線伯備線も予讃本線も土讃本線も同じ系式だった。(キハ181系

☆★☆

直流電車は中央西線(東海)と伯備線(西)と予讃本線(四国)用の基本設計を共用して地域に合わせたカスタマイズを行い、気動車JR九州JR四国キハ185系、JR九州の ゆふいんの森種車JR四国の2000系、185系智頭急行HOT7000、JR東海キハ85系の置き換えのハイブリッド車を基本構想にして、それをベースに四国と智頭急行は振り子等車体傾斜技術を追加する。と妄想してみた。

 

JR西日本紀勢本線は287系(2011年)と289系(2015年)、非電化区間の187系振り子式気動車は2001年導入なので切替えはまだまだ先だろう。

 

(前回のアートの話はどうなったの?  西日本エリアをJRワンダーランドにって何?)

 

それではまた。

 

※続きは1月26日のエントリーです。

来週19日は1月5日のテーマの続きです。

 

 

最新版 JR全車両大図鑑

最新版 JR全車両大図鑑

 

 

 

JTB時刻表2018年12月号

JTB時刻表2018年12月号

 

 

変わったのは欧米―ヘンリー・フォード、J・P・モルガンの警鐘―自分で会社の私物化を証言してます―日産不正会計その3

 

「日本の役員報酬が低すぎるからカルロス・ゴーン氏は所得を過少申告せざるを得なかった。」

それは本当か。

 

J・P・モルガン「いかなる組織においても、いかなる企業であっても、トップの人間が一般社員の20倍を超える給料を得るようであれば、それは誤った経営である。」

 

ヘンリー・フォード「利潤とは仕事が立派に遂行された場合、結果として、後から生じるものであると考えている。」

まずはじめに、一定の利潤を得ることから出発することについて「馬車を馬の前につないで馬車を走らせようとするのと同じである。」  

 

最初に利潤から考えるのは本末転倒である。創りたいもの、世の中に提供したいものが先にあるのではなく、何か儲かることはないかと先に考えるのは本末転倒と言っています。

世の中にはそういう人も結構いると思うけど、現代社会なら給料や年収ランキングで就職先を選んだりとか、それも否定しないけど本人と組織に親和性がなかったら続かない、その仕事の目的は何なのか、仕事の成果は何なのか、そのために何をすべきか、を考える気にならなければ続かない。

☆★☆

「不景気に対する私たちの処方箋は、常識に反し、価格を下げ、賃金を増加させることである。」

 

当時の不景気はインフレだったから常識は値上げで、賃金は下げたり解雇が行われた。

そんなことをしたら購買力が低下して不景気のスパイラルに陥って結局企業経営の首を絞めることになった。

 

「深刻な社会的損失が襲ってくるのは、太陽が照り輝き、万事、至極うまくいっているときに、私たちが経済問題について考えるのを拒否するからである」

「不景気の種は、私たちが好況期に犯す過ちの中にある」

 

「好況期には、自分が犯しているかもしれない過ちに、誰も耳を傾けようとしない」

「このとき(好況期)にとられる方針は「儲けられるときには儲けておこう」ということなのである。」

将来への備えはおざなりになり、配当の、株価の、資本回転率の、含み益の最大化を目的にするというバブルを演じて本末転倒が行われて競争力を失う。最悪の場合はバブルがはじけた(化けの皮が剥がれた)ときにユーザーにも株主にも見捨てられる。

☆★☆

カリスマを唾棄せよ―ピーター・F・ドラッカー

 

「私たちは誤ったリーダーの例を数多く見てきました。」

熱狂で迎えられたが、国民を奈落の底に沈めたリーダーもいた。

好決算の連続でカリスマ経営者と崇められたが粉飾決算だった。

 

「私たちに必要とされているのは、リーダーを待望する姿勢ではなく、リーダーの登場をおそれることなのです。」

「カリスマ性というものに対しては、不快感を抱くべきです。」

古代や中世なら天才に頼る組織はありえた、日本も戦後の勃興期なら天才に頼る組織はありえただろうが、組織の数が膨大な現代社会において天才がそんなに大勢いるわけがない。カリスマなんて眉つばと思ったほうがいい。

☆★☆

「欲望は善」なんてウソ

 

人間は怠け者で自己中心的で強欲だ、市場の声がすべて、人間の欲望で市場は動く、すべてを市場のメカニズムだけに委ねればいいという市場至上主義。

 

それがすべてか、それだけか、それ以外の要素はないのか。

 

「自分は怠け者で自己中心的で強欲だけだと思っている人、手を上げて!」

いるの? そんなステレオタイプで人間が割り切れるわけがない。

ありえない話を前提条件にファンタジーを騙っている。

☆★☆

富の偏在は市場の流動性を損なっている

 

1人で100人前を食べたり、100着着れるわけがない。

成功の証として豪勢な生活を送るのでもいい。

国の将来のために、国際社会のために子供や若者の育成に社会還元をする篤志家もいる一方で、既得権益を守ることや私腹を肥やすことに使われたり、死蔵されて社会、市場に還元されない大量の資金も発生する。

 

租税を回避してインフラ公共サービスはタダ乗りで、払っている個人や法人に負担させる。

3カ国、4カ国を年中飛び回って定住せず、課税を逃れて公共サービスだけ受け取る。

グローバル経済の徒花です。

☆★☆

グローバル経済の権化になってしまったフランス

 

2018年はデモやストが頻発しました。経済格差が広がり若年層の就職が見捨てられた状態で、友愛 平等を謳われても うそつけ と反発を受ける。

 

国民の反発をやわらげるためにルノーと日産の統合を急ぐのではないか、世界最大級の自動車メーカーの本社がパリにあると政治的成果のアピール、選挙目的のために。

 

それはギャンブル以外の何ものでもない、泥沼の離婚劇が予め約束された結婚のようなものだ。

政治利用するどころか政治が離婚劇に巻き込まれて国民の支持を失って政権交代になりかねない。

 

結婚なんて考えないで、いいお友達でいたほうがいい。

会長は3社で輪番制でいい。

(じゃ 三菱の会長が三社連合の会長になることもあるんだ)

それはいい、大きい者が小さい者を支配するのではない、リスペクトの対象はカリスマではなく3社連合、3社で一番規模が小さい会社からも会長が出る。それこそ日仏連合を世界にアピールすることになる。

☆★☆

自分で会社の私物化を証言してます

 

 

損害を与えてないから潔白だと主張する。

損害の有無の問題じゃない。

会社の私物化が問題なのです。

そこまで感覚が麻痺してしまったのか。

 

投資で損失を被って銀行に追加担保を求められて、名義を会社に替える。

個人的な損失を会社につけかえるのは不正じゃないとのこと

 

ならば会長以外の社員や役員も投資で損失を出したら会社の名義に替えるのを認めるのか。

(銀行が認めるわけないじゃない。)

だから地位を乱用した私物化なんだ。

 

ミシュランなら通るのか、ルノーなら通るのか、日産なら通るとなめられた。

正当というならば日産の損失をゴーン氏の資産につけかえても文句はないのでしょ。


従業員が私的な投資を会社名義に付け替えるのを承認するのでしょ。正当というのですから。

 

それではまた。

 

※続きのエントリーは1月19日です。

来週12日は12月29日のテーマの続きです。

 

 

藁のハンドル (中公文庫―BIBLIO20世紀)

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ドラッカー最後の言葉 (講談社BIZ)

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サンライズ瀬戸・出雲―最強の証明

新幹線よりも飛行機よりも早い

 

(んなアホな)

速いではなく早いんです。

 

岡山行きの最終の新幹線は東京発20:50 のぞみ133号 岡山着23:55

因みに飛行機の最終便は羽田20:10発 ANA659便 岡山桃太郎空港着21:30

 

当日最終便の後の22:00にサンライズは発車して翌朝の6:27に岡山に着きます。

翌日の のぞみ1号に乗っても 東京発6:00 岡山9:09着とサンライズの後に着きます。

しかも東京6:00発の新幹線に乗るのはハードルが高い、前日から東京駅周辺のホテルに泊まるか、当日近郊住民が自宅から向かおうとすると住んでいる場所にもよるが3時~4時台起きになる。

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サンライズなら新幹線、飛行機の当日着最終便の後に発車します。

仕事帰りの後で、時間に余裕のある人は乗車前に食事をしたり、一旦帰宅をすることもできます。

☆★☆

山陰まで行こうとすると更に差がつく

 

東京6:00発の のぞみ1号に乗っても岡山に着くのは9:09なので、岡山9:04発の やくも5号には乗れません、次の やくも7号は10:04発なので6:30発の のぞみ5号 岡山9:50着に乗っても同じです。


やくも7号は出雲市に13:04着 サンライス出雲は9:58に着くので約3時間後になります。

 

後続の のぞみ は3分後に発車して13分後に着く

 

因みに当日中に出雲市まで行ける新幹線の最終は東京18:10発の のぞみ57号です。

岡山に21:24着で 2140発の やくも29号 出雲市着0:37に乗れます。

岡山での乗り換え時間が16分なので 東京駅でのぞみ57号の3分後18:13発ののぞみ197号でも間に合いそうな気がしますが、のぞみ197号が岡山に着くのは21:40なのでアウトです。

 

3分後に発車してどうして3分後に着かないのか

 

のぞみ57号は姫路を通過して197号は姫路に停まる、姫路の停車時間は1分でも197号は停車のために速度を落として、発車後加速をする。57号は停車に伴う減速再加速を行わずに巡航する、その差が10分になるとは300km/hの高速列車ならではの光景です。

☆★☆

運賃の差

 

東京―出雲市 運賃 11,900円 共通

のぞみ+やくも の場合

+特急料金8,310=20,110円

 

サンライズ出雲の場合

+特急料金3,240+シングル(個室B寝台)7,560=22,700 

+2,590の差は時間の有効活用と約6時間半座りっぱなしの苦痛からの解放料金と受け取るか。

ノビノビ座席+520円なら計15,660です。(すぐ完売するらしい)

 ☆★☆

2人の場合

 

のぞみ+やくも

20,110×2人=40,220です。

 

サンライズ

(運賃11,900+特急料金3,240)×2人=30,280+サンライズツイン(左右にベッドが並んだ2人用B個室)15,120=45,400です。

 

シングルツインとは

シングルとして販売するが、補助ベッド(上段)の使用で2人でも使用できる個室という意味です。

料金は2人分の運賃・特急料金30,280+シングルツイン9,430+補助ベッド5,400=45,110です。

サンライズツインと290円差で2人が上段下段に分かれるというのが微妙です。親子連れならいいかもしれないが。

 

1人で利用の場合、ノビノビ座席(520円)、シングル(7,560円)、ソロ(6,480円 シングルより若干狭い1人用個室で電動車でモーターの音がする、シングルは付随車(動力なし))が先に売れて、シングルツインはシングルより1,870円高なので残っている場合がある。

Nikoichiはそれでゲットしたこともある。

 

JTBカウンターのおねえさん「よく残ってましたね。」

(1人で2人用個室を取るな!)

JRがシングル扱いでも販売してるもん、夜は揺れの少ない下段で寝て、夜が明けたら見晴らしのいい上段に陣取る。

(はしゃぐな!)

(上段をご使用なら補助ベッド代5,400円をお支払いください)

上段のシーツも枕も布団も使ってないもん。もちろん浴衣も。

(あたりまえだ、ヘンタイ!)

☆★☆

飛行機、高速バスとの比較

 

羽田―出雲 JAL 32,300円(通常期)、34,800円(多客期)

初便 羽田7:40―出雲9:10 バス空港9:20―出雲市9:50


9:58着のサンライズよりも先に着くけど 羽田7:40発って前の晩から空港ホテルに泊まるしかない。

飛行機が出雲空港に到着してからバスの発車まで10分だから、空港でトイレに行く時間はない、着陸態勢に入る前に機内で済ませて、空港で手荷物の受け取りで焦れる。


9:20のバスを逃すと次は10:10です。※バス運賃720円

 

ないよーバスがないよー

 

当日最終 羽田18:30-出雲20:00

出雲市行きのバスも松江行きのバスも20:10発が最終です。

逃すのはNGです。

☆★☆

夜行高速バス  一畑バス・中国JRバス共同運行

 

東京19:10―出雲市7:21-出雲大社7:41

運賃11,800~14,100円 次期により変動

最安です。サンライズより東京を2時間50分早く出発して2時間37分前に出雲市に到着するから所用時間は大差ない。

 

運賃で対抗できるのはノビノビ座席15,660円くらいです。

寝て過ごすならバスに13時間乗れるかというところが分かれ目です。

(昼間座ったままだったらキツイ)

 

首都圏―近畿なら夜行バスは強力な競合といえるが、中国、四国までとなると運賃は魅力だがバスではきついレベルになるのでサンライズが選択肢になる。


車内での食事やトイレ(1台に1箇所で順番待ちかサービスエリアでの休憩待ち)のことを考えると乗車時間の長さでバスのハードルは上がる。

☆★☆

東京―高松の比較

 

サンライズ:運賃11,310+特急料金3,240+シングル7,560=22,110

高松着 7:27

 

航空機:JAL33,100(通常期)、36,600(多客期) ANA31,400~39,200

初便 羽田7:40―高松9:05 サンライズより後着

終便 羽田19:55―高松21:20 サンライズの2時間5分前の出発。

 

連絡バスはJTB時刻表には 各航空便に接続運転、詳しい時刻はお問い合わせください。とある。

高松は出雲空港に較べれば便数が多いから時刻表に表記しきれないということか。

 

夜行バスは2系統

 

四国高速バス・西東京バス:8,900~11,400円

新宿21:15―高松7:45 

JRバス関東・JR四国バス:7,300~11,500

東京20:50-高松7:06

サンライズ瀬戸の乗車時間9時間27分 バスの乗車時間10時間16分

サンライズJR東海と西日本の共同運行、JR四国はバスで高松ルートに参戦という構図です。

 

松山に向かう場合

サンライズは6:27に岡山着です。

松山行き しおかぜ1号7:22発まで1時間近く間が空きます。(高知行き南風1号は7:08分発)


サンライズ瀬戸は坂出7:10着なので しおかぜ1号の1つ前の高松発松山行き いしづち103号の坂出6:14発に間に合いません。

南風1号のひとつ前の高松発高知行き しまんと1号の坂出6:18分発にも間に合いません。

サンライズからの乗り継ぎで松山、高知に向かうことは想定されていません。

コラボしてるわけでもないし。

☆★☆

以外な組み合わせ サンライズ+みずほ

サンライズ6:27岡山着 新大阪発の九州新幹線みずほ6:51岡山発―7:25広島―8:28博多―9:46鹿児島中央

サンライズ出雲の9:58出雲市着よりも早く鹿児島中央に到達する。

かつての九州ブルトレの代わりに使える。

☆★☆

東京―九州の移動は成人した後は飛行機ばかりになった。

のぞみ+さくら、のぞみ+つばめ で鹿児島中央まで、のそみで博多まで行くのはキツイから飛行機を使う。

(この軟弱モノ!)

サンライズ+みずほ なら九州までJRを乗り通せそうだ。

☆★☆

サンライズに他のルートの可能性はないのか

 

広島、山口はどうか かつての あさかぜ のコースです。

山陽新幹線をご利用ください。こだま725号 6:57岡山発―8:03広島着がございます。)

 

米原経由で金沢行きはどうか

(ブブー ブブー、北陸本線は交流だからサンライズは乗り入れできないよ、北陸新幹線敦賀まで開業したら、在来線は第三セクターになるから交直両用の新形式を開発しても持ち腐れになっちゃいます。)

 

白浜、紀伊勝浦、新宮方面はどうか。 朝から熊野参りです。

(ブブー ブブー、首都圏―近畿は夜行バスの許容範囲ですよ―。)

経済合理性だけでは難しそうだ。アートが必要だ。

 

(それではまた来年)


※続きは1月12日のエントリーになります。

1月5日は別のテーマでエントリーします。


 

※JTB時刻表2018年12月号参照

 

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お小言はジングルベル♪―怒られないことはミッションより大事なのか

(不謹慎だぞ―)

怒られたくない、煙たがられたくない、しつこいと思われるかもしれない、嫌われるかもしれない、和が大事、言われた通りにしていただけだから自分に責任はない、自分は悪くない、指示した人が悪い、だから自分は安全。

それは迷信です。

 

優先すべきことは何か

「怒られないようにすること」「煙たがられないようにすること」の優先度が、ミッションの達成よりも上位になる人もいる。なぜなのか。

意見がない。

人の顔色を覗ってばかり。

家庭や学校での締め付けがきつかったのか。服従を強いられてきたのか。

無意識のうちに前時代的な価値観で行動する人たちに囲まれて生きてきたのか。

逃げ場はなかったのか、違う価値観を教えてくれる友人(とその家族)も趣味も小説も旅もそれすらも許されなかったのか。

☆★☆

反対はするが意見はない

 

やらない理由探し、粗探しはするが、実現するための改善の提案はない。

重箱の隅をつつくかのようにダメな部分だけを指摘することで自分の仕事を達成した気になって得意になる。

 

ネガティブチェックは大切な事だけど、そこから先がない。

ダメな理由を見つけた上で、改善案を提案できることが求められるが、そこまで出来なくても改善策を一緒に考えるのでもいい。次善策でもいい。

そうはしないで終了(やらない方向)に持って行こうとする。


(ニックネーム 可能を不可能にする男)

 

※ミッション(mission)…「任務や使命」のこと

☆★☆

謝罪会見や損害賠償や事業や組織の存続に関わる事態に較べたら、小言を言われてるほうが気が楽

 波風立てないことが第一、見て見ぬふりをする、それは安全策のように見えて安全策ではありません。

組織が社会から糾弾されたら、構成員も同罪扱いになって同情されません。言われた通りにしていただけなら尚更です。

 

事件になったら指示命令した人の次は、言われた通りにしていただけの人が追及されます。

情状酌量されるのは抵抗した人、組織の常識は社会の非常識と疑って社会常識に抵触しないように指示をサボタージュした人です。

未成年なら成人に強制された事情を考慮されますが、成人したらパパママ先生上司に言われたからでは通りません。

良心を問われます。

☆★☆

法令不遡及の原則(憲法第39条)は絶対的に適用されているわけではない

 

過去に遡って法が適用されることを禁じる。は必ず、絶対ではない。

 

消費者金融の業界で慣行として用いられてきたグレーゾーン金利(利息制限法に定める上限金利は越えているが、出資法に定める上限金利には満たないからOKだ)は2006年の最高裁の判断によって、過去に遡って過払い金利の払い戻しを請求する訴訟が続発して破綻に追い込まれる消費者金融もありました。

 

倫理にもとる行為をしていると過去に遡って追及されるので、えげつないけど今は違法じゃないからやっちゃえ、今は違法じゃないからOK、法律ができてからやめよう、では済まされないということです。

お天道さまは見ているは昔話ではないのです。

 

キレイゴトを言うな、法律に書いてないからやっちまっても構わない(法の穴を突く)は安全策ではありません。

いつひっくり返るかわかりません。

☆★☆

法の穴を突くのではなく、法の先を行く 

 

現実に法の整備が追いつかない、そこにグレーゾーンが生じる、グレーゾーンで甘い汁を吸う、やがて法の整備が追いつきグレーゾーンが消失して甘い汁を吸った人や組織が追及の対象になる。

穴を突いてもいつかキャッチアップされる。

 

社会の要請、現実をキャッチアップし続けることが法の先を行く、法にキャッチアップされない道だと思う。

☆★☆

新聞のベタ記事が気になった

 

品が入ってこなくなる。今のうちに確保しよう。


責任取るんだな。 

ハイ。

 

そんなに買って大丈夫?残ったらどうするの と茶々が入る。大量注文で先方の担当者は嬉しそうにしながらも、そんなにどうしたんですかと輸入元が気遣う。


倉庫と保管場所の確保の打ち合わせをする。

 

1か月後ついに時は来た

 記事の扱いが大きくなり関係者は誰もが知るところになり、輸入元・仕入先に引き合いが増えるが在庫が足りない。

ライバル社には品はないが、うちにはある。


仕入れ先が他の納入先に売る分がないのでいくらか返品してほしいと言う。

自社の顧客に売る分がなくなったら本末転倒、だからと言って無下に断われない。


後々の再開供給分の確保や、こちらの都合で融通してもらうこともあることを考慮する必要がある。

 

返し過ぎたら顧客の分が足りなくなるからシュミレーションをやり直す。

輸入再開の時期の見込、ズケジュールから確保数を協議して、出荷予測から返品可能数を割り出して仕入れ先に戻す。先方の欲しい数には到底届かないだろうが。

 

無いものがある状態になって先方の担当者も面目が立って、輸入再開したら最優先で発注数を入れてくれると言う。

ありがとうございます。(その頃には繁忙期は終っているから大した数にはならない ごめんねと余計なことは言わない)


返せるほど買ってたんだと茶々が入る。

☆★☆

ライバル社の顧客がうちに鞍替えするという

 

ライバル社が品を確保できず供給が止まったが、うちにあると聞きつけて鞍替えすると言う。

大量注文すると言われ営業が前のめりになる。

ちょっと待て、前年から取引のある、長年取引のある顧客に品が行き渡らないのは本末転倒。

特別扱いはできません。

 

輸入元 仕入れ先に返さなければよかったと茶々が入る。

輸入再開後の関係のために必要だった。鞍替えする取引先は風向き次第でまた鞍替えする。

☆★☆

茶々が入るのも小言を言われるのも気楽

 供給できなくなって謝罪文や営業部門の対応を協議するならまだまし。

数合わせに危ない橋を渡ったりしたら事業の存続に関わる。

それに較べたら茶々を入れられるのも小言を言われるのも気楽だ。

 

それではまた。

赤字路線を廃止すると国と自治体の負担が増えるというジレンマ

(何を言っているの、赤字路線を廃止したら赤字が減るにきまっているじゃない)

岐阜の路面電車の廃止はマイナスしか生まなかったという

 

岐阜市周辺は以前から渋滞が非常に深刻でした。」

だから市側関係者は路面電車(名鉄岐阜市内線 民営だからといって行政と無関係ということにはならない、許認可をするのは行政、コメントがあったので2019年7月9日追記)を廃止して道路を拡幅すれば渋滞が解消されると考えた。

岐阜市内から関市まで行く美濃町線25キロの線路を潰して道路を拡幅すれば 数十億単位で費用がかかる。

でもそれは、美濃町線の数十年分の運行費用に匹敵した。

つまり数十年分の鉄道運行費で道路拡幅工事をやった。

果たして財政的にお得だったのか。

☆★☆

さらに渋滞が激しくなった

 

電車なき後、同じ区間をバスで進もうとすると、渋滞の中で進むので時間が正確でない。

だったら自家用車で行こう。自家用車が増えて渋滞の要因になった。

だからと言って東京の東急多摩川線(渋谷~二子玉川)のように地下鉄化するほどの需要もない。

 

お店の売上が減った

 

商店街を歩く人がいなくてお店の売上が上がることはない。

商店街の全商店ドライブスルー化したら。(そんなの無理にきまってるでしょ、そんなスペースない、誰が費用出すの!)

自家用車で素通りされて売上が上がるわけがない。

 

電車なら降りて歩く人がいる。自家用車は目的地に着くまで降りない。

車から降りて歩いてくれなければ、お店の売上は上がらない。

美濃町線を廃止した後に、商店街のお客さんは3割くらい減りました。」

 

ということは市も商店街からの税収が減るということです。

でも市はJR駅周辺の高層ビルの再開発に百億円単位のお金をかけて支出を増やした。

算盤勘定は合ったのだろうか。

(気にしたところでもう線路を潰してしまったから今さら富山みたいなLRT化をしようとしたら莫大な費用がかかるし)

☆★☆

堺市の助成で利用者を増やしている阪堺電車

https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/kotsuseisaku/kasseika/tyukankenshyou.files/ikenitiran.pdf#search=%27%E9%98%AA%E5%A0%BA%E9%9B%BB%E8%BB%8A+%E5%A0%BA%E5%B8%82%E3%81%AE%E5%8A%A9%E6%88%90+%E5%88%A9%E7%94%A8%E5%AE%A2%E5%A2%97%E5%8A%A0%27

 

大坂と堺を結ぶ路面電車阪堺電車では、堺市大阪市市内は200円、大坂―堺間290円だったところを、堺市がお金を出して、全線均一の200円にしたら乗客が増えた。

電車の乗客が増えることの副次的効果

 

そんなに安いんだったら電車で行こか、街を歩く人が増えて沿線の商店が潤う。自家用車の渋滞が減る。

電車単独で損得勘定をするのではなく、市行政全体で損得勘定をしている。

 

損得勘定とドケチは違う。

鉄道単独で儲けなければいけない、黒字にしなければいけない、なんで市がお金を出すんだ、という刷り込みを単純に信じ込まないで現実に照らして施行している。

☆★☆

政経費抑制のためのLRT富山市

 

このまま街が広がり続けると2005年から2025年の20年間に行政経費が12%上がると試算した富山市はライトレールに投資して、公共交通を軸に、その周りに人を集めようと計画した(コンパクトシティー化)。

廃線が検討されていた二路線を引き継いで再生された。

 

隣町の町役場の職員「僕はこの趣旨に賛同して富山の街中のマンションを買いました。」

若い世代は所有の土地に執着せず、ライフステージに応じて便利なところに移り住む、世代交代が進めばコンパクトシティー化が一気に進む。

市の隅々まで上下水道、道路の整備・維持管理を続けては市の財政はもたない。

周辺部は自然に還して、中心部に人を集める。

☆★☆

ライトレールの副次的効果

 

介護労働者の勤務時間の9割が車の運転という現実

 

富山市が市内の介護労働者の勤務時間を調べたら、勤務時間の9割が自動車の運転という結果が出た。

高齢者にバラバラに住まれたら、本当の介護に割ける時間が減ってしまう。

 

開業後に乗った人の2割は新規の利用者で、しかも平日の60代70代の利用者が増えている。

普段は外出せず、週末に子供や孫の車で移動していた人たちが、ライトレールだと移動できるようになった。

家の中に引きこもるようになると体力の低下、認知症、肥満という健康問題、医療費問題に行きつく。

 

ライトレールは医療費の抑制という副次的効果も生んでいる。

☆★☆

バスが代わりにならなかった理由

 

道路はアスファルトが摩耗し、タイヤは摩耗で減ったりゴムなので硬化してひび割れしたりする。

バスのタイヤはゴム、電車の車輪は鉄、耐摩耗性の違いは論を待たない。

道路工事は道路そのもの以外に上下水道やガス管の工事で車線規制や通行止めが発生する。

車輪は設置圧力が高いので少々の積雪では走行不能にならないが、タイヤはチェーンの装着をしなければ走れないし、チェーンをしたままでは道路が痛むので、少々の雪であっても早く除雪をしなければならない。

 

それでも路線区間の一部でも雪が残っていれば、除雪済みの区間をバスはチェーンを装着して走行せざるを得ない。

 

雪が深くなると鉄道もラッセル車ロータリー車で除雪をしなければならないが、道路に較べれば除雪の面積ははるかに小さくて作業時間がかからない。

平時でも時間の正確性という優位がある。

☆★☆

真冬の北海道の雪道走行の恐怖

 

吹雪で立ち往生で凍死というニュースを視ることもある。

冬の北海道の車の運転は危険だから、冬のJR北海道の特急の指定席は満席になる。

バイクで通学。特例で車の通学を認めても、冬は無理!

☆★☆

鉄道の赤字は断じて許さないが道路にはいくらでも金を惜しまないという不思議

 

鉄道が廃止になったら、沿線の自治体の道路の除雪費用、舗装費用と維持管理の負担はバカにならないのではないか。

 

鉄道には街灯も街路樹もいらない。街灯のメンテも街路樹の剪定も必要ない。

街路樹もないし人も歩かないから頻繁に清掃する必要もない。

自治体は鉄道を廃止するなら市道、県道は国道にして費用を負担してくれと交渉したらいいのではないか。北国は早急な除雪の体制の構築(行政区域内に除雪車と人員の配置)を要求したほうがいいのではないか。

 

廃止しない場合と 廃止した場合の助成金の差は交通インフラだけで収まらない。医療、福祉、地域経済も含めてお得なのか。

雪で閉ざされて道路の除雪がなかなか進まないから若い人が出て行って、転入もない。自分は車の運転はできても子供は通学するから鉄道のある街に移住する。

 

我田引鉄や放漫経営とは違う

 

ギリギリのところで経営している鉄道が単独で黒字にしろ、赤字即ち廃線にすべきだ。それで人口流出(税収の低下)や高齢者の車の事故が増えたり、引きこもりによる健康の悪化で医療費支出が増加したら鉄道に助成・投資した方がお得だったということになりかねない。

 

鉄道が赤字で助成しても行政トータルでお得ということもあるのではないか。

 

それではまた。

 

完本 しなやかな日本列島のつくりかた: 藻谷浩介対話集 (新潮文庫 も 44-1)

完本 しなやかな日本列島のつくりかた: 藻谷浩介対話集 (新潮文庫 も 44-1)

 

 

大上段に構えるのは逆効果―憲法を葵の印籠にしないでほしい

条文に書いてあるからダメでは条文に賛同できる自分というものがない

 

“〇〇条に書いてあるからとにかくダメ“

この言い方では聞いた相手は他人事になってしまいます。

 

(いいと思う理由が言えないんだ。

いけないと思う理由が言えないんだ。

何条に書いてあるからではなく、自分の言葉で、理屈で説明してよ。

先生が、パパが、ママが言ったからダメと言ってるのと変わらないじゃないか。)

☆★☆

理由も背景もなく条文がポッと出てきたりはしない

 

法案が作成されるのには理由があります。歴史的、社会的要請や背景があります。考案者の思考の過程と関係者の議論を経て提議されます。

つべこべ言うな、理由なんかどうでもいい、そんなことは知らなくてもいいし、考えなくてもいい、書いてあるんだからその通りにしてればいいんだ、という態度には敬意も尊重の精神もありません。

(そんな言い方してないよ)

してなくても理屈は同じです。利用されてしまいます。

「ホント感じ悪いよね」(ポピュリストのささやき)

☆★☆

“23条違反だ” “通信の秘密を侵すことになる” では他人事になってしまう

 

利用者の〇〇さんは〇〇なサイトにアクセスしてる、〇〇な言葉で検索をかけていると逐一チェックされる。

マスコミの、出版社の〇〇という記事にアクセスしたとチェックされる。

〇〇な趣味、〇〇な思想傾向とカテゴリー分けされていいと思いますか、

行き過ぎを防ぐための法の整備が新たに必要になる。更に実効性を持たせるための法の整備も必要になる。という言い方をされたら自分事になる。

 

 〇〇条に書いてあるからダメでは、言っている本人は内容を吟味した上で、本当にいいと、いけないと、理屈でわかって言っているのかなと疑われてしまいます。

条文がないことに対しては、目の前で不合理なこと理不尽なことがあってもモノが言えないんだ モノを言ってはいけないと思っているんだ と思われてしまいます。

☆★☆

ロシアはプンプン!事件

 

文化3年(1806) 十一代将軍 徳川家斉の時代

鎖国の日本に公式に通商を求めてきた最初の接触はロシア―アメリカのペリーじゃなかった

 

寛政4年(1792)ロシアが保護した大黒屋光太夫ら日本人漂流民を伴って根室に来航したラクスマンは通商関係樹立のために江戸に赴きたいと要求しました。

 

時の老中 松平定信ラクスマンの船が江戸に現れる事態になれば、将軍のお膝元である江戸が大混乱になるばかりでは済まず、幕府の権威が損なわれることを危惧しました。

☆★☆

国法書と信牌(シンパイ)を与え一旦お引き取り願う

松前に滞在するラクスマンに国法書「通信なき異国の船が日本の地に来るときは召し取るか、海上にて打ち払うのが 古(いにしえ)よりの国法である」と信牌(長崎への入港許可証)を与えた。

 

通商要求を拒絶する代わりに長崎での交渉が可能であることを示唆しました。

☆★☆

ロシア使節の再来日は12年後

 

文化元年(1804)松平定信が老中の地位を解かれた後、ラクスマンの外交交渉を引き継ぐ名目でレザノフが長崎の出島に到来しました。

 

ロシア皇帝(アレクサンドル1世)の親書を幕府役人に渡し、改めて日本との通商を求めました。

☆★☆

松平定信のいない幕府首脳はフリーズ(固まる)

 

レザノフへの回答をずるずると引き延ばし、長崎に留め置くというその場しのぎの方策をとりました。

そして半年後

「我が国は清(中国)、琉球、オランダと往来しているが、その他の国とは通信・通商しないのが国是である」と回答しました。

 

皇帝の親書を持ってきたのに、半年も待たせた揚句の通商拒否と国外退去でレザノフは激オコになります。

☆★☆

ワケワカンナイヨー状態のレザノフ

将軍の武威を示せば大人しく引き下がるのがあたり前。

そんな理屈は日本人にしか通用しない。

控えおろう!と言われて葵の御紋にハハァーと平伏するのは日本人だけ。

☆★☆

ロシア軍艦の襲撃―露寇事件

 

文化3年(1806)9月

レザノフの指令を受けたロシア軍艦ユノナ号が樺太南部の松前藩の施設を襲撃します。

 

翌文化4年

ロシア軍艦2隻が択捉島の幕府の警備施設を襲撃。

水や食料を奪い、建物は焼き払われた。

 

幕府の役人はまともに応戦できずに退散したり捕虜になったりした。

☆★☆

警備の兵は凍死

 

文化4年12月 

幕府は「ロシア打ち払い令」を出します。

控えおろう!です。

(まだ言ってる)

真冬の知床で幕府の命を帯びた津軽藩士100名中72名が冬を越せずに亡くなりました。

栄養不足と寒さとの闘いで浮腫病(皮下・内蔵水腫、うっ血、充血、肥大)で亡くなるという悲惨なものでした。

津軽藩士殉難事件」

☆★☆

松前奉行の上申

 

「ロシアを怖れるに足りぬというのは潔く聞こえるが、民命が関わる浅見である。」

民命という言葉を使いロシアとの紛争で人々の生活が無為に危険にさらされる事態を回避するよう訴えました。

☆★☆

レザノフたちが日本を攻撃することをロシア皇帝は許可していなかった

 

その頃、皇帝の許可を待たずに独断で行動したとして、主謀者たちはサハリンで投獄されていました。

 

当時ロシアは

トルコとの戦争(1806~12)

スウェーデンと戦いフィンランドを奪う(1808~09)

プロシアと同盟してフランスに宣戦(1806・8)

 

極東に構っている場合ではないのに余計なことをした ということで怒りを買ったのだろう。

当のレザノフは1807年 サンクトペテルブルクに向けてシベリア横断中に病死していました。

 

徳川幕府は知るよしもなかったが、ロシアが再び襲撃してくる可能性はなくなっていました。

(トルコ、フランス、スウェーデンがロシアと戦っていなかったら日本は危うかったんだね、幕末も明治もなかったかもしれないね。)

☆★☆

幕府は朝廷の顔色を覗う前例をつくってしまう

 

幕府は体裁を整えて自分たちの権威を取り戻すために事件の経緯を光格天皇に報告しました。(やましいことはないぞ、恭しく天皇に報告してるぞ エッヘン)

 

結果的に外交については朝廷の顔色を覗うという前例をつくってしまいました。

このオウンゴール的な行為により後の大老 井伊直弼を悩ませることになりました。

(ペリー来航時に幕府は米国との国交について朝廷にお伺いを立てなければならなくなった、前例があるから。)

 

天皇中心の日本をつくるという尊王思想、明治維新の精神的バックボーンの形成に幕府自らが手を貸してしまいました。

 

(幕末・明治維新への流れはロシアとの関係が起点だったんだね)

☆★☆

アメリカはロシアの事例を参考にしたのか

 

ロシアがされたみたいなナメたマネはさせないぞ、長崎に行って時間稼ぎなんかさせないぞ、と江戸の喉元 浦賀に軍艦4隻で現れ砲口を見せつけて脅し、再来航のときには3隻加えて7隻でペリーはやってきた。

ロシアの事例を参考にして対策を立てたのではないか。

 

幕府もロシアの経験があったのでアメリカの黒船に無茶な戦いをしかけたりしなかった。

日米国交樹立のきっかけはロシアがつくったとも云える。

☆★☆

(なにを言いたいの?)

憲法〇〇条に書いてあるぞ、控えおろう!とやっていると憲法の失墜につながるということです。

 

憲法〇〇条に書いてあるぞ。日本人なのにそんなことも知らないのか。

〇〇条に書いてあるからとにかくダメ!

(上から目線 感じ悪~)

「ホント感じ悪いよね」(ポピュリストのささやき)

 

利用されて棄憲に手を貸してしまっています。

 

 

 

それではまた。

 

 

徳川がつくった先進国日本 (文春文庫)
 

 

 

世界史年表・地図(2018年版)

世界史年表・地図(2018年版)

 

 

この国には推定断罪はあっても推定無罪はないのか―こうして日本は誤解される―日産不正会計その2

「被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない」刑事訴訟法第336条

有罪判決を受けるまでは無罪と推定されるということです。

 

日産自動車は役員会でルノー出身の役員も含めて全員一致でゴーン氏の会長職解任を決議しました。

役員会で提示された資料から出席した役員全員がクロだという感触を得て解任が決議されたのだろう。

 

そうであっても危うい

有罪判決が出るまでは推定無罪です。近代法の大原則です。

 

逮捕=有罪扱いは前近代的封建社会の名残か独裁国家のやり方です。

どんなにクロだと思っても、承伏し難いと思っても、自由主義陣営に属する国の企業のやることではないと思う。

 

一般論として無罪判決の場合、名誉棄損で訴えられます。

 

そんなリスクを冒せないから、暫定措置として会長代行を定めるのが慎重なやり方ではないか。

 

せめてルノー出身の役員はたとえ個人的にクロの感触を得ても、大原則を掲げて抵抗すべきではなかったのか、日本人と一緒になって将棋倒しになったらフランス人がいる意味がない。

争いを避けて右に倣えでモノを言わない日本人と黙っていられないフランス人は補完し合える関係ではないのか。

☆★☆

三菱の役員会もゴーン会長の解任を決定という予定調和

 

日産が決定したから三菱も右に倣え、大方の予想通りの展開です。将棋倒しです。

「まだ容疑の段階で起訴もされておらず有罪判決も出ていないので、暫定措置として会長代行の選任に留めます。」とやったら三菱やるね、前近代的な日産とは違うね、という国際的評価を得られたのに残念。

☆★☆

マスコミと企業は同じ理屈で動いていいのか

 

逮捕=犯人呼ばわり。

起訴されていなくても有罪判決が出ていなくても、まるでもう有罪になったかのような扱いをする報道は見慣れた光景です。

冷静沈着に有罪判決が出るまでは推定無罪ですと言って報道を控えていたら売れない。

ああ こんなこと書いちゃうよな、と思いながら承知の上で受け入れられる。

でも世界各国で活動する企業がそんなガラパゴスな行動原理で動いたらまずいと思う。

☆★☆

はしゃいでる、調子に乗っていると誤解される

 

そんなつもりは毛頭無くても誤解される。

腹に据え兼ねても、はらわたが煮えくり返ってもポーカーフェースで推定無罪ですからで通したほうがいい。

☆★☆

冤罪の最大の罪は真犯人に法の裁きを受けさせないで終わらせたこと

 

起訴されたらもうお終い、ひっくり返すのは困難。

冤罪事件は無実の罪で人としての生を送る日々を台無しにされたという人権問題としてクローズアップされます。

 

でもその裏には法の裁きを受けずに枕を高くして眠った真犯人がいます。

真犯人「別人が誤認逮捕されて助かったぜ」

☆★☆

和を尊ぶ故に真犯人は捕まらない

 

送検した後で、起訴された後で、別の怪しい人物が捜査線上に浮かぶ。

でも追えない。

 

送検した後で、別の怪しい人物を逮捕した。

何をやってるんですか、ちゃんと調べたんですか、チクチク言われるんじゃないか。

 

起訴した後で、裁判が進行する中で、別の容疑者を捕まえた。

何をやってるんですか、今裁判中の被告は何だったんですか、いい加減にしてください。

でも、捜査資料・調書を精査して起訴相当と判断したのでは、とは上下関係で言えないのではないか。

 

大減点で出世の道が断たれたり、敗者復活の道がなかったり、面子をつぶしたという話になったり、別の容疑者を挙げるのはなかなかハードルが高いということがあるのではないか。

☆★☆

先輩の間違いを乗り越えて出世すればいいのではないか

 

先輩の間違いで無実の人を苦しめた、真犯人を安眠させた。

和を尊んで現状維持をしても自分の後輩がひっくり返して自分が糾弾される側になる日が来る可能性を見越して先に自分で手を下すか。

先輩を裏切ることになるのではないかと躊躇する。

そんな面倒なことをしなくて済むように、腹が立つのは腹芸にして、敗者復活が不可能な減点主義ではなく、敗者復活可能な加点や逆転もあれば冤罪が減るのではないか。

 

それではまた

モノを言わない日本人と黙っていられないフランス人―日産不正会計

日本経済新聞2018年11月20日朝刊1面)

東京地検特捜部は19日、仏ルノー日産自動車三菱自動車の会長を兼任するカルロス・ゴーン容疑者を金融商品取引法有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。」

報酬を50億円過小申告した疑い。

 

一種の粉飾決算ではないか、どうやって数字の辻褄を合わせたのか、会計士は見抜けなかったのか。

私的な目的で投資資金・経費を支出。

 

業務上横領(刑法)、特別背任(会社法)というフレーズが浮かび上がる、有価証券報告書の虚偽記載だけでは済まない、止められなかった会社側は善管注意義務違反、ガバナンスが働いてないという話になる。

☆★☆

モノを言わない日本人

 

権限の集中が原因だと国内外のメディアが報じているが、権限の集中は原因ではなくて事象です。

原因はどうして権限が集中したのか。

日産は経営危機の時に富士銀にも興銀にも見捨てられ(バブル崩壊の後遺症で救済する資金力がない)、お金が回らなくなって窮地に陥ったところでルノーの資金注入で生き延びて、ゴーン氏の剛腕で復活したら、神様仏様ゴーン様になって権限を差し出して権限を集中させて人事権をがっちり握られてモノが言えなくなった。

 

要求するゴーン氏もびっくりしたんじゃないか、えっ通っちゃうの。

将棋倒しになる日本人、将棋の駒は日本人の国民性を象徴している。

 

ひとつの方向に一斉にみんなで走る国民性はあたかも将棋倒しのようです。

裏返して成り金、敵陣に入った飛車角は龍王になって王より強い(中国大返しの秀吉、秀吉と和睦して秀吉の死後、天下を獲った家康)、対戦相手から取った駒は自分の駒として使う。

チェスの駒は将棋の駒のように倒れないし、取った駒を自分の駒として使うことはできない。

☆★☆

ゴーン氏のルノー

 

ルノーではさかんに会議が行われて、人々は熱心に議論します。これはラテン気質の表れでしょう。ただ、その会議は延々と続き、いつまで経っても終わらないのです。」

「つまらない細部にこだわり、優先順位の感覚がなく、また実行しようという意志が見られませんでした。」

「行動や具体化よりも、理論や知識が尊重されるのです。」

「まず実践的な行動よりも、自分の知識や考えを披露することに力が注がれるのです。」

「どの材質は何度で溶融するかといったことを語ってみせたり、それに関心を示したりといった議論を行うことを得意に感じるとことがあり、何をなすべきかについては考えようともしないのです。」

ルノーじゃなくても、フランスじゃなくてもあるんじゃない。どっかの東洋の国でも。

☆★☆

日常業務は苦手だという

 

「厚かましいと同時におおらかです。官僚的な集団ですが、大事なときを迎えると熱くなれる人々です。」

「逆にいえば何かに魅了され、情熱をかき立てられてないとだめなのです。」

「日常とは違った大冒険―ルノーの社員を動かすのはこれです。」

賭けに出て攻めてないとだめということか。

☆★☆

こうるさい連中だらけのルノーでは蓄財ができなかったのではないか

 

カルロス・ゴーン容疑者、クレッグ・ケリー容疑者、二人だけでできるわけがない、送金処理、会計処理の実務でモノも言えずに関わったのか、全然おかしいと思わなかったでは済まない。おかしいと思いながらも渋々と従ったのか、無関心になってあきらめたのか、あきらめ切れずに内部通報を決心した人もいた。

 

金の流れの“見えない化”で他の役員が気付けない仕組みが構築されていたのか。

解明と防止策の公開が待たれます。

 

日本経済新聞11月22日朝刊1面)

見限った幹部ら

 

ゴーン会長の右腕とされた元日産副社長のアンディ・パーマ氏

今の肩書は英高級自動車、アストンマーチン社長。

「ゴーンさんがいたら、いつまでもトップになれない。」4年前、日産を去る前にこう漏らした。

同時期 ルノーでポスト・ゴーンが確実視されていたカルロス・タバレスCOOが仏PSAに移籍。

「日産の先行きを心配している。」 現実になった。

☆★☆

トップが代われば蓄財がバレる

 

代わることはできない、蓄財のお友達しか後継者にできない。

でもお友達にしようとしてカラクリを明かしたら告発される。

延々と君臨するほかなくなった。

☆★☆

不正検査も不正会計も日本人がおとなしいから

 

工場の設備投資、人員をコストカットして、生産ノルマの発破をかけられて現場がヘトヘトでも文句を言わずに黙々と作業をする日本人。

どうにも回らなくなって、検査をスルーしなければ生産ノルマを達成できない状態に追い込まれた。

 

ルノーだったら遵法意識以前に、こんなの無理!と組合も従業員も文句を言って、抗議して設備投資や増員が行われて結果的に不正にならないんじゃないか。

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会社はコストカットして私生活はコストアップ

 

蓄財するなら、私生活をコストアップするなら開発費にまわしてほしい。

カムリ・アコードに負けないティアナ(なんでこういう名前に ローレルのほうが馴染みがあるというのは昭和のおっさんだけか)を、アテンザレガシィに負けないプリメーラを、カローラアクセラに負けないセントラ・ティーダを、デミオスイフトに負けないマーチを、日産の衰退がトヨタのみならず、ホンダ、マツダ、スズキ、スバルにシェアをもたらした。

 

トヨタやホンダでいつのまにか販売が終わった車種は採算が合わなかったからなのだろう。

でもゴーン以前の日産は律義にモデルチェンジを繰り返していた。

3代目のレパードなんてセドリック・グロリアのボディのリヤバンパーにウインカーをつけたという代物だった。

そんなことして名前だけ残してどうするんだと思った。

欧州カーオブザイヤー2位のプリメーラ(1,990年発売)は走りと使い勝手でクラスを席巻するもゴーン時代の3代目で見る影もなくなり消滅。

 

蓄財するなら開発に、工場に、そのカネで何人雇えたのか、

日本人が大人しいから19年も続けられた、文句も言わず黙々と言う事を聞いてきた。

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長所と短所は裏表

 

日本人の美徳といわれたことがアダになった。

そんな文書できません、この設備と人員でその生産ノルマ無理! ブーたれていたらゴーン氏は蓄財できなかった。

 

ルノーだったら文句を言われたり議論好きに突っ込まれたりして牽制されてできなかった。

ルノーに移籍せずにミシュランに留まっていたらナンバー1にはなれないが、それなりに平穏な余生をブラジルで送れたのではないか。

日産の劇的なリバイバルはなかったが。

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ゴーン氏が来なかったら日産はどうなった

 

銀行は支援できなくても、裾野が広くて影響が大きいから山一のように潰せないと国の救済で官僚出身の役員で固められて、選挙区の兼ね合いとしがらみで工場は閉鎖できなくて、さらに資金注入する羽目になって国会で揉めて、ようやく再建屋が畑違いの分野から落下傘で降りてくる。

でも日本人だったら抵抗される。ゴーン氏は外国人だから空気を読まないからというある種のあきらめがあったからリストラが進んだのだろうが、日本人経営者だったらそうはいかない。

組織を救いたい問題意識のあるイノベーター型の社員に問題抽出の協力を仰ぐ、結果が出れば傍観者も協力者に変わる。

将棋倒れする日本人だから。

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会社じゃないからパワハラではないという話にはならない

 

自治会で PTAで ボランティアで 声が出なくなった、足が歩けなくなった。

大声で怒鳴られて、ショックで 委縮した。

 

それってパワハラでしょ。

 

どこにだって人を上から目線で言いなりにさせたい人はいる。

人を自分の私物のように扱う人はいる。

気に障ると、わめく赤ちゃんのような人はいる。

ハアッ

相手が会社の上司ではないからと言ってパワハラじゃないということにはならない。

何様のつもりか、勘違いさんは勘違いさんだと気がついてもらわなければならない。

会社じゃなくても パワハラですよ と突っ込んでいい。

(黙れ!余計なことを言うな!)

馬脚をあらわした。白状した。

(何を言ってるんですか、そんなことするわけないじゃないですか)

わざとらしい、もしかして確信犯?

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大人しすぎて モノを言わないから問題が大きくなって不正に発展する。

 

我慢に我慢を重ねて最後にキレて爆発して犯罪に発展するのは最悪。

そんな我慢は美徳じゃない。

 

それではまた。

 

 

カルロス・ゴーン経営を語る (日経ビジネス人文庫)

カルロス・ゴーン経営を語る (日経ビジネス人文庫)

 

 

著作権か通信の秘密かの二択を迫る残念感―海賊版サイトの対策がまとまらない―海外の事例にどう学ぶか

現実と意識のギャップ

 

著作権(財産権 憲法29条)を守るか、通信の秘密(憲法21条)を守るか、どっちか選べ。

29条違反vs護憲と21条違反vs護憲という構図。どっちを立てても憲法が立たずという構図。

(なんじゃそりゃー)

 

海賊版サイト 対策まとまらず」「有識者会議、無期限延期へ」(日本経済新聞2018年10月21日朝刊5面)

 

「漫画やアニメを著作権者に無断で掲載する「海賊版サイト」の対策を議論する政府の有識者会議が意見のとりまとめを断念し、中間報告書を策定できないまま無期限延期となった。」

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(10月5日朝刊2面)

第8回有識者会議中間報告(9月19日)

「訴訟手続きによる司法型ブロッキングを採用するのであれば憲法上の問題を生じる可能性は低い」

 

上記の文言はブロッキング法制化を進める布石と警戒され、慎重派を強硬にさせた。

 

なぜブロッキングに慎重なのか

 

プロバイダは利用者からのアクセスを受けて各サイトに接続する。

ブロッキング(通信を遮断)するためには利用者が問題のサイトに接続したかどうかを捕捉する、どんなサイトに接続したのかをチェックすることになる。

 

それは通信の秘密の保障に反する。拡大解釈されて運用されたらと慎重派に警戒された。

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削除要請が追いつかない―現場は限界

 

(8月20日朝刊5面)

「「マウスを操作しすぎて腱鞘炎になりました」大手出版社の担当者はこぼす。」

「作品データの削除依頼で月に3万~4万件、海賊版サイトへのリンクを表示しないよう検索サイトに求める要請で月5万~6万出すが、効果がごくわずか」

 

検索サイトが応じても、しばらくすると再び違法データが現れるというイタチごっこが続いている。

早くなんとかしてくれというのが現場の切実な思いではないか。

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海賊版サイトは広告収入で成り立っているケースが多いという

 

「サイトへの広告配信システムは複雑で多層的な構造になっている。いくつもの事業者を経由して自動的に広告が配信される仕組みで、特定のサイトへの広告出稿だけを止めるのは難しいのが実情だ」

 

違法ダウンロードの対象は動画のみ という現状

 

2年以下の懲役若しくは2年以下の懲役、静止画も対象にすることが求められている。

でも対象になったところで、出版社は利用者を特定して警察に被害届を出す、出版社と警察は証拠を押さえる、という手間(ハードル)が立ちはだかる、実効性に?がつく。

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海外の事例

 

 

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/kokusai/h28_02/pdf/shiryo_2.pdf#search=%27%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0+%E6%B3%95%E5%88%B6%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E5%9B%BD%27

「広告主、広告事業者、権利者、消費者団体等と会談を実施。2016年10月21日に関係者は”Follow the money “ approach(お金をたどるアプローチ)の枠組みに合意している。※

合意された指針によると、この覚書にサインした団体は、著作権侵害コンテンツに対して広告が配置されないようにする義務を負う。」

 

EUでは広告主が海賊版サイトへの資金源を断つ義務を負っているという。

合意したということは技術的に止める手段があるということか。

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アクセス制限は訴訟で確定判決を得ることを求められている

 

フランス…ウェブサイトの削除や、ウェブサイトへのアクセス制限、検索結果からの削除等、広範な対策がとれるように法律に定めがあり、利用されている。

法律に定め…判決

 

イギリス…基準に則って削除を行っている事例が多い。

法的な対応としてウェブサイトへのアクセス制限が活用される一方で、業界団体の取組が進んでおり、資金源対策や、簡易な警告システムの構築等が行われている。

 

ドイツ…基本的にウェブサイトの削除要請。

ウェブサイトへのアクセス制限、検索結果からの削除については、利用の可能性について提示されているが、 

現時点で認められた事例がない。

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アメリカでは個人のインターネット接続の停止が行われている

 

  • 繰り返し著作権侵害をしていること。
  • プロバイダが予め繰り返し侵害している者に対してアクセス切断をすることを伝えていること。

アメリカでは利用者が違法サイトにアクセスしていることを把握して警告を発するという。 

米英は財産権を重視、仏独は通信の秘密を重視だから判決を得る必要がある。

日本はどっちを重視するかで意見がまとまらない。

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出版社の負担で運営者を特定すべき という建前は無理やり感が漂う

 

偽名や偽住所で配信サービスを利用する相手を特定すべき、何千何万とイタチごっこのように湧いて出る相手を全部捕捉すべき。

建前を主張する人はできるのか、手法をもっているのか、手本を示せるのか。

そんなことはこちらの知ったことではない、出版社が考えろというのでは他人事感が漂います。

解決する気はないのではと疑われてしまいます。

(落ち着け~)

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有識者会議は解決機関ではない

 

学識経験者や実務経験者などで構成される会議で、幅広い視点から調査・審議を行い、意見を国や自治体に具申する。

それを受けて国や自治体が法案等を策定する。

 

学者・弁護士の矜持として憲法に抵触するおそれのある提言にお墨付きを与えてはならないと抵抗した。

(でも、意見がまとまらないことで国の意向通りで固まる人選はされていません。国は公平で民主的な人選をしているというお墨付きを与えた。)

一方で出版社は次から次へと湧いて出る違法サイトをひとつひとつ相手を特定して訴えて裁判所の判断を待つなんて現実的ではない、そんなことをこの先何年何十年と続けろというのか、現場が持たないと悲鳴を上げる状態でお互いに話がかみ合わない。

 

☆★☆

ブロッキングも穴がある

 

「遮断回避のアプリケーションが簡単に見つかる」(8月20日朝刊5面)

遮断しようとしても逃げられるイタチごっこになる懸念がある。

遮断する費用は誰がもつのか、プロバイダか、出版社か、という綱引きになる。

犯人が捕まるまでは犯人に請求できない。

☆★☆

実際に裁判になったら裁判所がパンクする

 

違法サイトの運営者を全部捕捉して(無理だと思う)裁判にかけることが出来たら、違法サイトの裁判で裁判の日程が埋まって、他の刑事、窃盗や殺人の裁判が進まない、民事の裁判も進まない、人手が足りない、法廷が足りない、裁判官、検事、弁護士が足りない、「法務省の予算10倍お願いしまっす」、財務省「…………」。

そんなことになるわけがない、実現する日が来るわけないと思っているから建前を主張できるのか。

 

どうにも回らなくなってAI裁判が始まったりして

 

AIに尋問を却下されたり退廷を命じられたり。

アクセス追跡もAIを使う。(AIが自律制御で行う)

そんな未来を弁護士や学者が望んでいるとは思えない。

 

☆★☆

資金源対策

 

アメリカ、イギリス、フランス、スウェーデンの4ヶ国で資金源対策が進められている

各国とも民間による対応であるが、イギリス、フランスでは警察または管轄省庁が体制の構築に協力している。

 

近年どの国でもこの対策を重視しているとされ、イギリスでは海賊版サイトへの広告が73%減となるなど(2013~2015年)、効果も上がっているとされる。

 

 ☆★☆

根本的な対策は憲法論議よりも資金源を断つこと

 

違法サイトを運営する動機は広告収入を得ること

収入を得られないなら やる動機が失われる。

 

有識者憲法論議してまとまらない間にネット広告業界が違法サイトに広告が表示されないシステムを構築したら痛快だ。

(不謹慎だぞ)

 

それではまた。