nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

赤字路線を廃止すると国と自治体の負担が増えるというジレンマ

(何を言っているの、赤字路線を廃止したら赤字が減るにきまっているじゃない)

岐阜の路面電車の廃止はマイナスしか生まなかったという

 

岐阜市周辺は以前から渋滞が非常に深刻でした。」

だから市側関係者は路面電車を廃止して道路を拡幅すれば渋滞が解消されると考えた。

岐阜市内から関市まで行く美濃町線25キロの線路を潰して道路を拡幅すれば 数十億単位で費用がかかる。

でもそれは、美濃町線の数十年分の運行費用に匹敵した。

つまり数十年分の鉄道運行費で道路拡幅工事をやった。

果たして財政的にお得だったのか。

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さらに渋滞が激しくなった

 

電車なき後、同じ区間をバスで進もうとすると、渋滞の中で進むので時間が正確でない。

だったら自家用車で行こう。自家用車が増えて渋滞の要因になった。

だからと言って東京の東急多摩川線(渋谷~二子玉川)のように地下鉄化するほどの需要もない。

 

お店の売上が減った

 

商店街を歩く人がいなくてお店の売上が上がることはない。

商店街の全商店ドライブスルー化したら。(そんなの無理にきまってるでしょ、そんなスペースない、誰が費用出すの!)

自家用車で素通りされて売上が上がるわけがない。

 

電車なら降りて歩く人がいる。自家用車は目的地に着くまで降りない。

車から降りて歩いてくれなければ、お店の売上は上がらない。

美濃町線を廃止した後に、商店街のお客さんは3割くらい減りました。」

 

ということは市も商店街からの税収が減るということです。

でも市はJR駅周辺の高層ビルの再開発に百億円単位のお金をかけて支出を増やした。

算盤勘定は合ったのだろうか。

(気にしたところでもう線路を潰してしまったから今さら富山みたいなLRT化をしようとしたら莫大な費用がかかるし)

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堺市の助成で利用者を増やしている阪堺電車

https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/kotsuseisaku/kasseika/tyukankenshyou.files/ikenitiran.pdf#search=%27%E9%98%AA%E5%A0%BA%E9%9B%BB%E8%BB%8A+%E5%A0%BA%E5%B8%82%E3%81%AE%E5%8A%A9%E6%88%90+%E5%88%A9%E7%94%A8%E5%AE%A2%E5%A2%97%E5%8A%A0%27

 

大坂と堺を結ぶ路面電車阪堺電車では、堺市大阪市市内は200円、大坂―堺間290円だったところを、堺市がお金を出して、全線均一の200円にしたら乗客が増えた。

電車の乗客が増えることの副次的効果

 

そんなに安いんだったら電車で行こか、街を歩く人が増えて沿線の商店が潤う。自家用車の渋滞が減る。

電車単独で損得勘定をするのではなく、市行政全体で損得勘定をしている。

 

損得勘定とドケチは違う。

鉄道単独で儲けなければいけない、黒字にしなければいけない、なんで市がお金を出すんだ、という刷り込みを単純に信じ込まないで現実に照らして施行している。

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政経費抑制のためのLRT富山市

 

このまま街が広がり続けると2005年から2025年の20年間に行政経費が12%上がると試算した富山市はライトレールに投資して、公共交通を軸に、その周りに人を集めようと計画した(コンパクトシティー化)。

廃線が検討されていた二路線を引き継いで再生された。

 

隣町の町役場の職員「僕はこの趣旨に賛同して富山の街中のマンションを買いました。」

若い世代は所有の土地に執着せず、ライフステージに応じて便利なところに移り住む、世代交代が進めばコンパクトシティー化が一気に進む。

市の隅々まで上下水道、道路の整備・維持管理を続けては市の財政はもたない。

周辺部は自然に還して、中心部に人を集める。

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ライトレールの副次的効果

 

介護労働者の勤務時間の9割が車の運転という現実

 

富山市が市内の介護労働者の勤務時間を調べたら、勤務時間の9割が自動車の運転という結果が出た。

高齢者にバラバラに住まれたら、本当の介護に割ける時間が減ってしまう。

 

開業後に乗った人の2割は新規の利用者で、しかも平日の60代70代の利用者が増えている。

普段は外出せず、週末に子供や孫の車で移動していた人たちが、ライトレールだと移動できるようになった。

家の中に引きこもるようになると体力の低下、認知症、肥満という健康問題、医療費問題に行きつく。

 

ライトレールは医療費の抑制という副次的効果も生んでいる。

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バスが代わりにならなかった理由

 

道路はアスファルトが摩耗し、タイヤは摩耗で減ったりゴムなので硬化してひび割れしたりする。

バスのタイヤはゴム、電車の車輪は鉄、耐摩耗性の違いは論を待たない。

道路工事は道路そのもの以外に上下水道やガス管の工事で車線規制や通行止めが発生する。

車輪は設置圧力が高いので少々の積雪では走行不能にならないが、タイヤはチェーンの装着をしなければ走れないし、チェーンをしたままでは道路が痛むので、少々の雪であっても早く除雪をしなければならない。

 

それでも路線区間の一部でも雪が残っていれば、除雪済みの区間をバスはチェーンを装着して走行せざるを得ない。

 

雪が深くなると鉄道もラッセル車ロータリー車で除雪をしなければならないが、道路に較べれば除雪の面積ははるかに小さくて作業時間がかからない。

平時でも時間の正確性という優位がある。

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真冬の北海道の雪道走行の恐怖

 

吹雪で立ち往生で凍死というニュースを視ることもある。

冬の北海道の車の運転は危険だから、冬のJR北海道の特急の指定席は満席になる。

バイクで通学。特例で車の通学を認めても、冬は無理!

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鉄道の赤字は断じて許さないが道路にはいくらでも金を惜しまないという不思議

 

鉄道が廃止になったら、沿線の自治体の道路の除雪費用、舗装費用と維持管理の負担はバカにならないのではないか。

 

鉄道には街灯も街路樹もいらない。街灯のメンテも街路樹の剪定も必要ない。

街路樹もないし人も歩かないから頻繁に清掃する必要もない。

自治体は鉄道を廃止するなら市道、県道は国道にして費用を負担してくれと交渉したらいいのではないか。北国は早急な除雪の体制の構築(行政区域内に除雪車と人員の配置)を要求したほうがいいのではないか。

 

廃止しない場合と 廃止した場合の助成金の差は交通インフラだけで収まらない。医療、福祉、地域経済も含めてお得なのか。

雪で閉ざされて道路の除雪がなかなか進まないから若い人が出て行って、転入もない。自分は車の運転はできても子供は通学するから鉄道のある街に移住する。

 

我田引鉄や放漫経営とは違う

 

ギリギリのところで経営している鉄道が単独で黒字にしろ、赤字即ち廃線にすべきだ。それで人口流出(税収の低下)や高齢者の車の事故が増えたり、引きこもりによる健康の悪化で医療費支出が増加したら鉄道に助成・投資した方がお得だったということになりかねない。

 

鉄道が赤字で助成しても行政トータルでお得ということもあるのではないか。

 

それではまた。

 

完本 しなやかな日本列島のつくりかた: 藻谷浩介対話集 (新潮文庫 も 44-1)

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