nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

資産デフレスパイラルを誘引する、市場原理が作用していない住宅市場

都市近郊の建て売り住宅は土地面積あたりの売上を最大化するべく、勿論法律の範囲内とはいえ隣家との間隔が狭いために分譲地での配置によっては日当たりがよくない物件もあります。

これでは購入者がいずれ転居する際、中古市場の評価が低いため転売に困ります。

ローンを払い終わった頃には価値がなくなるのではないか、大金をかけて手入れをしても仕方がないのではないかという判断になり、将来の中古市場でますます売り難い物件になるおそれがあります。

 

よい物件は値下がりしない、或いは値上がりする場合もある。よくない物件は値下がりするという市場原理が働かない状態では業者は資産価値を向上させる住宅を分譲するというインセンティブが働かないのではないでしょうか。

 

分譲した住宅の価値が上がるのであれば、最初の購入者が転売の意思を示した際、より高く売れるように業者も居住者もメンテナンスに熱心になる。

資産価値が下がるリスクのある造りを避けるようにもなる。

より高く売ることが出来た居住者が転居先の資金を得ることにより、可処分所得が向上して他の消費財に資金を回すことが出来るようになるのではないでしょうか。

 

住宅性能、日当たり、見通しのよさによる治安対策等環境に配慮した各戸の配置。

騒音や迷惑行為の有無等周囲の住民の評価も行えば、業者も住民も街をよくしようというインセンティブが働くのでは。

よい物件は資産価値が下がらない、或いは上がる。よくない物件は資産価値が下がるという市場原理を働かせたら、居住者はローンを払った末に無価値の資産を抱えるリスクから解放されて、他の消費、投資に資金を回す余裕が出来る。

業者も売却益に転売益も重ねることが出来るようになる。

住民と業者のWINWINの関係が築けるのではないでしょうか。

 

お金が絡むことによる不適切な業務の監視や罰則の整備と併せて不動産鑑定評価基準の検討が望まれます。