小中学生のときは日常会話でしかなかった
休み時間にクラスメートとの会話でボケると突っ込まれて、バカ、死ね は日常のことで何の問題意識もなく、言われて傷つくということもなかった。
(鈍感なだけだったんじゃないの)
自分は言われても他人には言わない。格好よくない。美しくない。
(ある意味自己愛)
☆★☆
授業中のバカと死ね
手を上げて正解すると称賛、やるー、スゲー、さすが、指笛を鳴らすヤンチャは先生に注意された。
間違えると、バカ、死ね、死ね。
(自分だってわからないクセにね。)
頭ポリポリするだけで、その後は特に何もない日常であった。
(よくそんな鈍感に育ったね、細かいクセに。)
☆★☆
小中学校で免疫が出来ているので、高校・大学・社会人になってから言われても深刻に考えない
たとえ悪意でバカ死ねと言われたとしても聞き流せる。
(寧ろそれしか言えないのか、ボキャ貧めと上から目線。)
社会人になると差し障りがある場合もあるので、悪いと思っていない場合は反省したフリをして深刻そうな芝居を打つ。
(大人の謝罪って本当に反省しているのかいないのか分からないね。)
(謝り方が大袈裟で笑っちゃうんだけど。)
殺してあげようか、殺してやろうか、と言われるのは親愛の情の表現だと受け取っていた。自分はそういう表現はしないけど。
(要するにイジられていたんだね。)
(人の言葉をそのままでしか受けとれない人には言えないね。)
(人の言葉を額面通りにしか受けとれない人は殺してやると言われましたと警察に行く、或いは悪意のある相手に本心を隠されても気がつかない。)
☆★☆
いじめのリーダーは実は弱く親も無関心
一人で出来ないから徒党を組んでやる。
先生に注意されても、親は男の子はその位の元気があったほうがいいとヌカす。
(いじめのリーダーってそういうの元気じゃなくて陰気って言うんだよ、その親は元々いじめっ子だったんじゃないの。)
口は達者だが、ひ弱そうだから、一対一ならお前は勝てる。やっちまえ。
(煽らないで~)
取り巻きのいる前で挑戦されて勝負を逃げるわけにはいかない。
実は弱いことが曝されて、リーダー格ではいられなくなり、取り巻きはついていかなくなった。
☆★☆
自殺予告された時にとってはいけない態度
1,世間の常識フレーズを押し付け
バカなことを考えるな、命を粗末にするな。
2,批判
自殺なんて身勝手だ、残された家族のことを考えろ。
(反発するね、死んでやるって)
3,安易な励まし
大したことない、大丈夫だ、心配するな。
4,話を逸らす
話が重いから別の話題に振る。
(話を聞いてもらえない、無視されたと失望)
(どれも原因に向き合ってないね。)
自殺を予告されることは助けを求められている
死んでしまいたい、その一方で生きていたい という気持ちの間で揺れている人を反発、失望させてしまう行為だと思う。
告白されたということは、助けを求められている。
☆★☆
自殺予告されたテレビ番組
※文中敬称略
日本の教育を考えるという主旨の生放送の特番の本番を控えた朝、テレビ局に中学生を名乗る人物から手紙が届いた。
「もし放送したら自殺する」と書いてあった。イタズラか本気か送り主が何者かもわからない。
(迷惑だね、番組編成もスポンサーも頭を抱えただろうね。)
各出演者に手紙のことを伝え、発言に細心の注意を払うように頼んだという。
あの時、番組に関わるほぼ全員が放送するのが正しいのか確信が持てなかったと思う。と当時の心境が語られている。
(よく放送したよね、事無かれ主義で臭いものに蓋になりそうなのに。)
番組冒頭で田中(爆笑問題)とアナウンサーが状況を説明し、手紙の出し主に自殺を思い止まってほしいというメッセージを出した。
(調整を経てそれで放送する線に落ち着いたんだね。)
☆★☆
石原発言でスタジオは凍った
出演者の爆笑問題、ビートたけし、久米宏で討論をし、石原慎太郎(故人)を迎えた。
(論客揃いだね。)
石原知事(当時)は登場するなり
「自殺予告があったって?」
(空気を破ったね、他の出演者もスタッフも凍り付いたね。手紙の出し主を刺激しないように心を砕いたのに。)
☆★☆
老人の知恵か暴走か
当たり障りなく刺激を避けても自殺予告者は無視されたと思わないか、正面から向き合うべきではないか。
石原発言で番組は正面から向き合うことになったと太田(爆笑問題)は述べている。
☆★☆
石原知事、持論を展開 vs太田
石原:今の子供は弱すぎる、いじめなんてものは昔からあったけど、昔の子供はそんなことじゃ死ななかった。
太田:時代が違いますよ。
石原:だから時代が変わったからひ弱な人間が出てきたんだよ。
…中略…
石原:…だから今の子供はこらえ性がないって言ってるんだよ。
太田:人間なんて元々弱いですよ。
石原:甘やかされて弱くなったんだよ。
☆★☆
太田:石原さんみたいな大人ばかりだったら、俺は生きていけないと思う。
石原:じゃあ。さっさと死ねよ。生きていかなくていいよ。
☆★☆
(出た~)
(面白えことになったと思って聞いていたんじゃないの。)
(意義のある番組になってきたって。)
(でもこういうこと言えるのは、太田を信頼してるんだよ。バカには言えないよ。バカにしてる相手には言えないよ。)
(石原さんが想定していたバカって、暴言を言われて傷ついたと騒いで、その結果、自分のことは無視されたと思われて自殺予告の手紙を出した人を失望させる人だね。)
(二人とも自分の保身よりも自殺予告を出した人に向き合っていたんだね。石原さんの振りで自分事になったんだね。)
☆★☆
結局まとまる
太田:それでも俺が生きていけるのは、たけしさんのような芸人がいたからですよ。芸人が人間は弱いって表現してくれるから俺は救われたんですよ。
石原:そりゃ結構ですよ。芸人というのは、弱者の代弁者という側面もあるからね。
(まとまりそうだね、どうなることかと思ったよ。)
石原:でもそれだけじゃ駄目だろ。
太田:それだけじゃ駄目かもしれないけど、昔の人間は強かったって言うけど、昔から落語家がいてお侍を茶化してたじゃないですか、どっちもあったじゃないですか。
石原:そりゃ大いに結構ですよ。どっちもあって良いんです。
太田:でも石原さんは、強くなきゃ駄目ってばかり言うからさぁ。
田中:なんでお前が拗ねてんだよ!
太田:つい興奮して大変失礼しました。
(うまく収めたね、いいコンビだね。)
☆★☆
結局、自殺は起きなかった
向き合わずに終わったら、番組冒頭の呼びかけを世間に向けた免罪符と捉えられて、話を逸らされたと手紙の出し主を失望させたかも知れない。
本当に自殺が起きたら番組、テレビ局は批判に晒された。
そういう意味では番組とテレビ局は石原知事に救われたといえる。
大人が事無かれ主義で向き合わないことが自殺の原因になっている。