https://www.nhk.jp/p/ts/89LY2ZQ6RK/
マイケル・サンデルの白熱教室という、日米中の学生が社会の問題について討論するNHKの番組で、中国の学生が、「民主主義には直接選挙も複数政党も言論の自由も必要ない」と言い放つ場面がありました。
口あんぐりの場面ですが、成立の経緯からは不思議なことではありません。
デモクラシーを自国の言葉に翻訳する過程を経ずに民主主義という日本語を自分たちの発音にしただけなのですから。
(中国人が翻訳してたら違う言葉になっていたかもしれないね。)
(日本でいう天下三分の計は中国の言葉では隆中策というもんね。)
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デモクラシーを民主主義という自国の言葉に置き換えた日本
明治以降、欧米から欧米の言葉が流れ込みました。
その中でdemocracyデモクラシーとは何ぞや?と思考の帰結として民主主義という言葉を編み出しました。
意味を考え自分たちの言葉にする過程を経たのです。
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外国人が日本語Tシャツを着る感覚
「失われた愛(LOST LOVE)」「不法入国者(ILLEGAL ENTRANT)」「地底人(UNDERGROUND PEAPLE)」「明日から本気出す(WILL BE SIRIOUS STARTING TOMORROW)」とか印刷してあるTシャツを着て意味もわからず格好いい、クールだと思っているのだろうか。
(日本人が英語で書いてあったら意味もわからずにカッコいいと思うのと同じじゃないの。)
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実際のところ中身はどうでもいいのではないか
民主主義という言葉が格好よさそう、人権抑圧独裁であろうが監視社会であろうが民主主義を名乗る。
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自国の言葉に直さないと自分たちのものにならない
semiconductorセミコンダクターを半導体、railwayレイルウェイを鉄道、carカーを自動車、printプリントを印刷、architectureアーキテクチャを建築、collegeカレッジを大学、とそれまで日本になかったものについては新しい日本語を創造し、従来からあった物事については翻訳して自らのものにしていった歴史的経緯があります。
(castleキャッスル(お城)はあったから造語ではなく翻訳だね。)
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リストラ=首切り と捉えたのは発音を片仮名にしただけだから
re-stracturingリストラクチャリング 再構築を短縮して片仮名表記にしたのがリストラです。
体制の再構築、(経営改革(management renewal)、構造改革(structural reform)を含む)を表す言葉です。
単なる首切りだけの意味ではありません。
自分たちの言葉に直していかないと使い方を誤ります。
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外国語の発音をそのまま片仮名にする日本、漢字にする中国
セミコンダクターを導入の際に半導体を造語した矜持は今はなく、入ってくる言葉をそのまま片仮名表記にするのに手一杯の日本。
欧米に追随し、後追いになるのは道理です。
※コンダクターには導体、指揮者、競走馬、添乗員といった意味があります。