ウクライナはソ連時代の仕打ちから一緒になる気になれない―ロシアは抵抗してくるなら少しずつ削る戦略をとる
ソ連時代のウクライナ共和国は食料不足の時はモスクワに小麦を召し上がられて飢え、チェルノブイリの事故ではモルモットにされ、散々な目に遭っているので到底ロシアと一つになる気にはなれない。歴史上人類学上差異はないとしても、それなら尚更近親憎悪が募る。
ロシアはあくまでも抵抗するなら、どうせアメリカは直接介入はできないから多勢に無勢、時間をかけて抵抗できなくなるまで削る戦略をとる。
欧米各国が武器を供給したところで、戦うウクライナ人がいなくなれば戦えない。
日本人としては好ましくないが、ゼレンスキー大統領のすべきことはアメリカを戦争に巻き込むことだった。今の状態はアメリカの代理戦争をしている。
第二次大戦で英国のチャーチルがアメリカを戦争に巻き込むことに注力したように。
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チャンスと捉える中国
直接介入できないのはアメリカの国力の低下と捉え、ウクライナ戦争の間がチャンスだ、習主席の三期目を控えた中国の覇権を世界に示すチャンスと捉えて挑発的な行動をとっている。
中間選挙を控えたバイデン政権は苦し紛れの選択を迫られている。
ロシア・中国から見れば追い込まれているのはアメリカの方なのだろう。
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ロシアがNATOの加盟国ならそもそも今回の戦争は起きなかったんじゃないか
(唐突に何を言い出すんだっ)
すぐ隣のウクライナがNATOに加盟したら国境が脅威に曝されると捉えて自衛を主張しています。ロシアがウクライナよりも先にNATOに加盟していたらウクライナのNATO加盟は脅威でも何でもなくなります。
元々NATOは集団安全保障であり、各加盟国は第三国(者)による攻撃から共同で防衛することに合意している。
(かつて集団的自衛権反対という、一方的に守ってね、でもあんたが攻められても知ーらない。という奇妙な運動がありました。集団的自衛権になると徴兵制になると辻褄が合わない(事実は個別的自衛権の国スイス等が徴兵制 )デマを展開しました。
(徴兵制のスウェーデンがNATOに加盟するけど、集団的自衛権だから徴兵制になるのではありません。徴兵制の国が後から加盟したのです。集団的自衛権のスウェーデンは徴兵制だというなら話の前後を入れ換えたデマです。)
冷戦時代、NATOはソ連の圧力に対する牽制の役割を果たしました。
(でもソ連崩壊後はバルカン半島(セルビア)、中東(アフガニスタン)、アフリカ(リビア)で軍事作戦を展開してきたのは設立の趣旨とは違うような気がする。加盟国が攻撃を受けてないけど人道の危機だと言って介入した。)
(そういう趣旨なら本来は国連で決議して介入だけど、どうせ常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使するから便宜上アメリカ主導でNATOを使ったんだね。)
(国連では大国同士の張り合いでまとまらない、どうせ反対するからNATOで介入しますというやり口にロシアと中国はプライドを傷つけられたと嫌悪感を募らせてるんだろうね、結局アメリカ軍じゃないかって。)
(イラク戦争ではドイツとフランスが反対したからNATOでは出られずアメリカ単独で行くことになった。)
(イラク産原油の取引でドルからユーロに切り替えたから、ドルとユーロの基軸通貨争い、アメリカとEUの覇権争いだったんだね。)
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ロシアはNATOに入りたがっていた
んではないかとググると
「プーチン氏は00年に大統領に就任。そのわずか後に、当時のNATOの事務総長がプーチン氏と面会。その時、プーチン氏は『NATOはいつロシアを招待してくれるんだ』と言ったという。さらに、「事務総長は『NATOは招待はしません。そちらから加盟申請してください』と返事をした。すると、プーチン氏が『すでにNATO加盟を申請している国がありますよね。ロシアがその列の一番後ろに並ぶことはしない』。要するに特別扱いでNATOに迎え入れてくれと言ったわけです」と伝えた。
NATOはそれに全く反応しなかったわけではない。「02年にロシアを対等のパートナーという呼び方で、NATOとロシアの合同会議を設置して、仲間に入れてはいる。
ただ、ロシアから見たら、他の国の列の後ろに並べと言われたことは取り消されていないように見えて、実は納得いっていない」
両者の溝が埋まることはなかった。という。
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大国のプライド
米ソ冷戦、世界を二分したかつての大国としてのプライド、共産陣営の盟主を自認し(そこで中国と張り合いになった)、かつて影響を及ぼしたポーランドやチェコの後に並ぶなんて我慢ならない。という思いだったのだろう。
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そうであっても
1990年代~2000年代のアメリカは中国と蜜月でロシアを冷遇した。
両方を天秤にかけて両方にいい顔したり牽制して競わせた方がアメリカの国益になったのに逆のことをした。
経済的利益で中国と軍事的利益でロシアと結びついてその手段としてロシアをNATOに招待していれば、自信を得て軍備拡大をする中国を牽制できた。
(ロシアがNATOに加盟したらアメリカの兵器がロシア製の兵器と競争になってシェアが下がるから入れたくなかったんじゃないの。それは目先の利益だったね。)
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最初の訪問時の失敗
事務総長はルール通りに平等の原則を伝えたに過ぎない。にべもない答えに終始したのだろう。
表敬訪問する以上は何か土産の用意があると相手が期待するとは思っていなかったのだろうか。
(日本人なら何の準備もなしにヨイショ発言しちゃうけど、欧米人はビジネスライクなんだろうね。)
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加盟申請したら認められるわけではない
財界と政治的癒着がないとか、言論の自由があるとか、西側の価値観と合致することが求められます。
(それでウクライナが中々加盟できなかったのかな、ロシアへの配慮もあったかもしれないけど。)
(すでに加盟している国でも強権的とか疑問符の付く国はあるけどね。)
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またも憎まれ役のロシア
坂ノ上の雲を読むと、タイムズやロイターといったメディアが日本の勝利を配信し各国の新聞に掲載され日本寄りの国際世論が形成された様が描かれています。
強国ロシアに対する警戒と弱者日本に対する同情。別に日本がプロパガンダに長けていたわけではなく、ロシアを抑えるという意味で当時のイギリス(第一次大戦後はアメリカ)や国際資本と利害が一致していた。
ウクライナ可愛そう、ロシア酷い、といった論調ばかり流れるのはそういう背景があるのだろう。
(だったらロシアが国際資本と利害を合わせていたらここまで叩かれなかったんじゃないの?)
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レフェリーに嫌われないためには
国民は支持している。
(言論統制やってるんだから当然だよね。)
そういう国はレフェリー役のメディアの敵になりやすい。
レフェリーは公平であるべきだ と言ったところで、言論統制そのものがメディアの敵なのですから無理。
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NATOとは過去のしこりがあるし、ロシアがNATOに加盟したら中国が警戒して緊張が高まる。
沿岸各国のカナダ、アメリカ、ロシア、ノルウェー、デンマークで結ぶ安全保障条約を結ぶことで敵意がないことを示す。
※アイスランドは北大西洋に位置し、グリーンランドはデンマークの自治領です。
(北大西洋条約機構と北極海条約機構はかち合うことはない。かち合ったらアメリカ、カナダ、ノルウェー、デンマークは矛盾に陥ってしまうから。)