nikoichixのブログ

新聞やテレビ、本を見て思ったことを綴っています。書いてみたらこんな展開になるとは思わなかった。まいっか。

シンゴジラ「私は好きにした。君らも好きにしろ」の意味を考察してみた。(勝手に)―防ぐことはできなくても、止めるのが人という物語

未然に防ぐことができるに越したことはない。

防ぐことができなかったのなら止めるしかない。

 

帆場暎一と被る牧悟郎

 

牧悟郎博士は日本から追放されるように米国に渡りエネルギー関連の研究機関に帰属した。

東京湾羽田沖で漂流しているプレジャーボートから姿をくらました牧博士という設定から1989年公開の映画のシーンを連想してしまった。

 

 

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事前に防ぐことはできなくても止める物語

 

 帆場暎一が身を投げた時点で手遅れでした。

牧悟朗が姿を消した時点で手遅れでした。

「私は好きにした。君らも好きにしろ」というメッセージを残してプレジャーボートに履物(と折り鶴一羽と宮沢賢治の詩集「春と修羅」)を残して姿を消した。

 

私は好きにした。

政府、学会が想定を超える出来事に翻弄される。誰も防ぐことはできない。止めることはできない。顛末を見届ける必要などないと自ら命を絶ったのではないか。

 

君らも好きにしろ。

止めることができるのなら止めてみろ。

それとも解析結果を利用して新たな生命を生み出すか。

☆★☆ 

パトレイバーでは劇中冒頭 OSの開発者である帆場暎一東京湾に身を投げた。死体は上がらなかった。

 

レイバーの稼働率を向上させるという触れ込みで装備された新OS(オペレーションシステム)に人の耳には聞こえない低周波をレイバーのセンサーが感知すると操縦者のコントロールを離れて暴走を始めるというプログラムが隠されていた。バグではなく意図的なものという犯罪行為であった。(停止中のレイバーも起動して暴走する。)

 ※レイバー 人が搭乗して操縦するロボット型の作業機械という設定で、劇中では建設用、警察用、自衛隊用のレイバーが登場した。

 

接近する台風により東京湾上に建設中の方舟(はこぶね)と称される構造物が鳴動し低周波を発する。吹き抜け構造の高層ビルは風があたるとでかい笛のように低周波を流す。ハープ橋を吊るワイヤーが風にうなりを上げる。それをトリガーに首都圏で稼働する新OS装備のレイバーが起動暴走して首都圏を破壊する。

 

台風が接近しており関係各署を説得する時間がない。(立証できていないから同意を得るのは困難)

首都圏全域レイバー暴走を阻止するには方舟を解体するしかない。

☆★☆

主人公たちが出動の時点でOSの全貌はまだ解明されていなかった。(犯罪行為であることの証明はまだされていなかった。)

OSに仕組まれた犯罪を証明できなければ主人公たちは方舟を解体した廉で犯罪者になってしまいます。

台風が接近している状況なので証明されてから出動したら手遅れになります。

証明されていない以上関係各署の応援も受けることはできません。

 

警察官である主人公たちは東京湾開発拠点である方舟を解体(ぶっこわす)します。

方舟の解体によって首都圏のレイバー暴走は未然に阻止されました。

しかし方舟の解体によって湾岸開発は大幅な後退を余儀なくされました。

方舟の解体で方舟内の大量のレイバーが東京湾に沈みました。

それまでにつぎ込んだ予算がパーになりました。

台風の最中(もう応援に行くことはできない)にOSのプロテクトが突破されて全貌は解明されましたが公務員である主人公たちの行動をヒーロー扱いするわけにはいきません。

映画の後日譚で主人公たちの所属部署は人事の嵐にさらされました。

☆★☆

 

シンゴジラでは長期潜伏することなく早々に災厄となって姿を現わします。

 

劇中でゴジラは海中に不法投棄された核廃棄物を食べたとされています。

不法投棄が考えられる場所は人目につかないように、人口の多い国からは離れた世界の辺境ともいえる海域です。

大陸から最も遠い南太平洋のある海域と考えられます。

それがなぜはるばる日本にまでやってきたのか。

☆★☆

巨大化する前に東京湾に持ち込まれたのではないか。

 

足が生えてから手が生えた。口は小さくエラがあった。大きなおたまじゃくしのような姿だったのではないか。

放射能によって遺伝子が改変されて生殖なく自己分裂する完全生物となった。」

「個体が群体化し小型化、そして有翼化して世界に」飛翔するという。(「 」内 劇場プログラムより)

尻尾からも熱線を発するのは分離前の個体の口とも考えられる。

生体原子炉の機能で海中、空気中から取り込んだ分子で生命を維持し、成長し(巨大化)、同族を分裂する。

☆★☆

東京に現れた個体が唯一という確証はない。

別の個体が上海やロサンゼルスに上陸する可能性がある。(劇中ではアメリカに上陸する可能性は13%と語られた。)

 

円、日本株の暴落が劇中で語られていたが、個体が群体化し小型化、そして有翼化して世界に飛翔するという話が伝わればゴジラショックで世界同時株安も起こり得る。

ゴジラが来ると被害甚大だが来る前でも経済的損失を被る。

もはや対岸の火事ではない。

 

通常兵器では倒せなかった。

(ハリウッドゴジラには通常兵器は有効だが、東宝ゴジラには通常兵器は効果がない。武器の力を信じるアメリカ人と敗戦で武器の力を信じなくなった日本人の違いか)

早くゴジラを始末しろ。

国連で東京にいるゴジラに向けての熱核攻撃が決議され、政府は容認した。(拒否できない)

潜水艦からの弾道ミサイルでゴジラを攻撃する。

人道的配慮から都民の避難が優先される。という。(それがなんだ。)

日本は3度目の核攻撃を受けることになる。いくら標的はゴジラだと言われても、日本の都市が巻き添えで核攻撃を受けることに変わりはない。

 

臨時政府(永田町に迫るゴジラから避難するために閣僚の搭乗したヘリコプターにゴジラの熱線が命中したため)の下、武器は補助的に使用され、多大な犠牲を払いながら武器ではないもの、1954年版のようにある博士の発明でもないものでゴジラを仕留めます。

☆★☆

事前に防ぐことができるに越したことはない。

防ぐことができなかったのなら止めるしかない。

 

事前に防ぐことができなかった。FBIはCIAは警察は何をやっていたんだ。

将来何かやらかすかもしれないから だけでは逮捕することはできません。

準備していることを証明しなければなりません。

おたまじゃくし みたいな生物を遺伝子操作しているからといって、巨大なゴジラが出現するなんて誰も予測できない。

そんなことを言ったら、この捜査官は頭がおかしい ということになってしまいます。

組織からはじかれてしまいます。

 

仮に専門知識のある共同研究者がいたとして、捜査機関に訴え出たとしても誰も信じられなくて相手にされない。

そうして脅威は現実となっていく。

☆★☆

事前に阻止できなかった、もうだめだ、何をやってたんだ、責任者出てこい。

と言ったところで事態は収束しない。

ゴジラ(虚構と裏返しの現実)が勝手に死んでくれるわけでもない。

 

選択の余地は残されていない。

作戦が成功しなければ東京は核の火の海となる。

 

事前に阻止できなかったことをいつまでも悔やんでも仕方がない。

仕方がないで終わらすなと言われても仕方がない。

できることは起きていることに対処するしかないということ。

事前に阻止できなかった責任はどうするんだ。と言われても、それは事態が収束してからの話だ。

 

シンゴジラが何でパトレイバーと結び付いたのか?それは今日の台風のせいだ。

それではまた。

☆★☆

おまけ 怪獣らしさとは姿勢がいいことなり。

 

ハリウッド版のゴジラは姿勢が前かがみです。

東宝ゴジラは胸を張って直立です。

ゴジラに限らず二足歩行の怪獣は直立しています。ウルトラマンに出てくる強そうなレッドキングから弱そうなシーボーズまで直立です。

 

どうして怪獣は直立しているのか。

着ぐるみの中に入る人が前傾姿勢を維持するのは体力的に困難だからじゃないか。

しかしガメラは前傾姿勢だ。着ぐるみの甲羅が重たいから直立すると後ろに倒れてしまうのではないか。バランスを取るために演者が前傾姿勢を取ったのではないか。

そんな身も蓋もない理由はさて置いて、怪獣らしさとは直立しているものというビジュアルが焼き付いた。先入観を持った。

CGだから、中に人が入るのではないから前傾姿勢を実現できた。そんな前傾姿勢のハリウッド版ゴジラを見て、恐竜じゃん、トカゲ野郎と悪態をついていた。

☆★☆

シンゴジラはフルCGだ。着ぐるみではない。技術的には前傾姿勢を実現することが可能だ。

それでもシンゴジラは直立姿勢で現れた。

怪獣というもんは直立しているものだ、イメージを裏切ってはいけない。前傾したら恐竜だ。

ラジオ体操で胸を張って、朝礼で胸を張って、そんなの関係ないと思っていても日本人の生活習慣に根付いている。

プログラムに載っているデザイン画も直立姿勢だから直立しているのはデザイナーの意図なのだろう。

 

海中生物に先に足が生えて、後から手が生える。順当に考えたら4足歩行になりそうなものが立ち上がっていきなり2足歩行になった。

予告編が公開されたときは貧弱な前肢にがっかりしたが、その理由は生えたばかりだったからというオチが付いた。

貧弱な前肢では歩行の助けにならない。陸上を進むためには後肢で立ち上がるしかない。

次回作以降のゴジラは前肢がより発達していることが想定されます。

☆★☆

なぜ二足歩行に進化したのか。DNAに人の遺伝情報があるのか。

牧博士はなぜ東京湾で行方不明になったのか。死体が上がらなかったのか。

なぜゴジラの分子解析情報を残して命を絶ったのか。

「私は好きにした。君らも好きにしろ」

好きにした?何を?ゴジラのことを好きにした?

これは犯罪の匂いがする。

で冒頭のブログになった次第です。

☆★☆

もう一説。

「私は好きにした。君らも好きにしろ」

庵野秀明監督は好きにした。本作に捉われずに次回作以降を撮る人たちも好きにして下さい。というメッセ―ジだったりして。

 

再び現れたゴジラに人類はどう対処するのか。

今度は第五形態以降に進化しているだろう。虚構でも現実でも打つ手はない。想像できない。

想像できない映像を再び見せてくれるのか。

もはや人間では打つ手がなくなってVS(怪獣同志の対決)ものというお約束になるのか。

それでも掟破りのお約束を見せてほしいと思う。

 

 

nikoichix.hatenablog.com

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和を尊ぶ故に情報共有が進まないというジレンマ

不祥事や事件が起きると 組織内で情報共有ができていなかった。或いは組織間で連携が取れていなかった、連絡がなかったという報道が繰り返されます。

顧客や利用者、住民から問い合わせはあったが、重要な事案とは認識されずに報告が上がらなかったと説明されます。

企業、公共団体を問わず、聞いたことがあるような話が繰り返されます。

その度に組織内で周知を徹底するという説明がなされます。

それでもしばらくすると別の組織、或いは同じ組織で似たような話が繰り返されます。

その度に組織の壁だ、縦割りの弊害だと非難されます。

☆★☆

組織の壁を原因扱いしても情報共有は進まない。

 

何年何十年言われ続けても壁が消えることはありませんでした。

人は壁がないと不安になる生き物ですから、いくら壁を壊せと言い続けても壊しても、また壁を作ってしまいます。

☆★☆

顧客は誰なのか。

 

発注元のお客様はユーザーです。

業務委託先のお客様は発注元です。

接待したりされたり、潤滑油として一緒に飲んだりします。

 

奢(おご)り奢られるのが当たり前、先輩も上司もやっているからそういうもんだと思い込む。

お中元もお歳暮も受け取るのは普通。

 

一方で奢られるのも受け取るのもお断りする組織もあります。個人もいます。

固いこと言いなさんな、業界の慣習です。と言われても受け取らない。

ビジネスパートナーとしてお付き合いするので虚礼は不要と願いたい。

☆★☆

最悪の場合

 

同じ発注元の委託先が他の委託先のミスを発見する。

お互いに牽制し合う、人の粗探しをするな、和を乱すな、和を尊べ。

お互い様で妥協する、見たことは忘れる、知らぬは発注元ばかり。

利用者、顧客から直接指摘を受けるのも委託先。

時間を浪費して、炎上して、マスコミが動いて発注元は対応に追われることになります。

業務委託をせずに内部であっても、外ではなく中がお客様意識では同じことが起こります。

 

そんな和は不要であると最初に言っておかなければならない。

説明不要となるまで世間でポリシーが認知されるまでには長い年月を要します。

実際にその通りに行動しなければ信用されない。

「いい話を聞きたいんでしょ」「実際に言ったら怒るんでしょ」

 

潤滑油として一緒に飲むのはいいが、奢られると甘さが出る、自分にブレーキがかかるのを懸念する。自分は奢られても妥協することがない強い人間と考えるのは過信。

この報告にオブラートはかかっていないか。解決しました、問題ありません、よかったよかったで終わらせていいのか。

しつこいですよ、もういいでしょう。いい加減にしてください。

相手よりも知らないと勝負にならない。

先方の提案をより効率よく実施するための改善案を提示できないと信用されない。

☆★☆

足元を見られているのはどっち?

 

上からの指示なんです。(中身のことはよくわからないけど)とにかく安くして下さい。

目標値が妥当であるか(妥当でないと説明することを容認する人もいれば、絶対許さない人もいる)、品質目標に適っているか。

 

上の指示通りにしたのだから(したと思い込んでいる)、後で問題が起きた(起こした)ら責任を免れるということにはならない。

クレームが発生しました、売上が落ちました。指示通りにしたから私は悪くない。

自分で考えなかったの?区別できなかったの?

そういう担当は足元を見られます。

☆★☆

微に入り細に入り説明しないと通じない人もいれば、大枠で通じる人もいる。

微に入り細に入り説明する人もいれば、大枠だけ説明する人もいる。

理解して説明する人もいれば、理解したつもりになって説明する人もいる。

わかりました。かしこまりました。と言っているのに、復唱を求めると絶句する人もいる。

 

何が分かったのか確認する人もいれば、説明だけして終る人もいる。

 

物事の優先順位がわからないのか鬼の首でも取ったようにミスをくどくどと指摘している間に時間が経過する、流出を止めるのが遅れる、被害が拡大する、後始末が増える、各部署に影響が拡大する、外部から連絡がない 遅いと指摘を受ける。

☆★☆

組織の壁という神話

 

組織を作るのは人です。

組織が同じでも部署の中に壁をつくる人もいます。

組織が違っても話を通そうとする人、話を聞く人もいます。(壁を壊す人)

組織が違うから話をしようとしない。話を聞こうとしない人もいます。(壁を築く人)

同じ話を聞いても、同じ事象を見ても報告の必要を感じる人と感じない人がいます。

同じ報告を聞いても何かを感じて詳しい説明を求める人もいれば、それがどうかしたのかと何も感じない人もいます。

前者は「勘」が働くと言われ、後者は「勘」が鈍いと言われます。

「勘」は先天的に自然に身に付いているものではなく、思考と行動の蓄積によって身に付くものではないか。

 

「これは勘だ。」と言って外しまくる人は勘が備わっていないのではないか。

自分の「気まぐれ」を勘だと思いこんでいるのではないか。

「勘なんて当てにならない。」それは勘ではなくて気まぐれです。

☆★☆

「考えなくてもいいから言われた通りにしなさい。」

そんなことを言ったつもりはない。

「余計なことは考えなくていい。」と言いながら「そんなことは自分で考えろ。」

話をまったく聞かずに「後にしろ。」と言っておいて「何で早く言わないんだ。」

 

ひどい上司だとか親だとか言っているのではありません。

フツーの大人なのです。

大人は矛盾している!といきり立ったところで次から次へと世に生み出される壁なのです。

☆★☆ 

壁と勘

 

組織の壁は神話です。

組織は人でできています。

壁の正体は人です。

壁を作る人の正体が「壁」でした。

あるのは「バカの壁」なんじゃないか。

 

バカの壁 (新潮新書)

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「壁」でいれば安泰の時代もありました。

「壁」は空気の読める指示通りに動く手のかからない人です。

手がかからないでは安泰とはいかない時代になりました。

 

「壁」になるのか、「勘」を身に付けたいのか。

「壁」になってほしいと願うのか、「勘」を身につけてほしいと願うのか。

「壁」を育成するのか、「勘」を身に付ける人を育成するのか。

前者を選ぶ限り、同じような不祥事は繰り返されます。

 

それではまた。

ドーピング検査は人道的か

日本経済新聞 2016年8月4日 9面)

「現代のアスリートは私生活やトレーニングの時間すら犠牲にして、反ドーピング活動への協力を求められる」

「インフルエンザで実家で寝ている時に外国人の検査官が来ました。自宅の狭いトイレに2人(選手と検査官)で入るのを見て、親はびっくりしてました。」

「予告なくやってくる抜き打ち検査の場所に、実家も合宿所も遠征先もない。」

「採尿はすり替えができないように同性の検査官の面前で行う。」

「国内トップクラスの実力があると認められたアスリートは検査対象リストに載り、3ヶ月先まで自分の居場所情報をWADA(世界反ドーピング機構)のウェブページに登録することが求められる。」

「情報提供を拒んだり、予定の場所にいなかったりすることは許されない。」

「アスリートは24時間365日検査に協力する義務がある。」JADA(日本アンチ・ドーピング機構

 

日本人だからここまでできると思った。

欧米人なら自由の侵害だとか言って訴える。

国威高揚のために手段を選ばずメダル獲得のために組織ぐるみでドーピングをする国もある。

☆★☆

「ドーピングは冷戦時代の1970年代、旧共産圏で選手強化に使われた後、スポーツの商業主義が進んだ1984年のロサンゼルス五輪をきっかけにまん延したとされる。」

社会主義は資本主義より優れていると政治宣伝をするために選手にクスリを使って強化した。

副作用で健康を損うおそれがあっても知らずにコーチに勧められるままに服用して健康被害に遭う。

サプリメントを摂るような感覚だったのではないか。

ドーピングをやっていない選手までも色眼鏡で見られることになる。

☆★☆

商業主義が進むと「スター選手になれば巨万の富が得られるとあって勝利至上主義が台頭。」

 

1988年 ソウル大会では 陸上男子100m ベン・ジョンソン(カナダ)が金メダルはく奪。

2004年 アテネ大会では 陸上男子ハンマー投げ アドリアンアヌシュハンガリー)が金メダルはく奪。

(2012年 8年後に尿検査のすり替えが発覚し、2位 室伏広治氏が繰り上がりで金メダルに)

 

表彰台に上がっても素直に感動できない。祝福できない。五輪の価値を損ねている。

☆★☆

検査と罰則を厳しくすればいいのか

 

ドーピングは許せない。もっと罰を厳しくしろ。検査を厳しくしろ。という声も冒頭の状況を知ったら素直に同意する気になれない。

 

組織ぐるみでやるチームは罰則を強化するほど結束を固めるだろう。

今度こそバレないようにと ※いたちごっこ がエスカレートする。

※いたちごっこ 江戸時代の子供の遊び いたちごっこ、ねずみごっこ と相手の手の甲をつねりながら上に手を重ねることを繰り返す遊び。から止め処ない様を表す意味になった。

☆★☆

医療行為もドーピングになってしまう。

 

風邪をひいて医者が処方した薬を飲んだら陽性反応。痛み止めを服用したら陽性反応。という事態も起こります。

パラリンピック選手は障害により健常者の感じない体の苦痛を和らげる薬を服用したら陽性反応になるんじゃないか。

禁止薬物を服用すれば陽性反応だから強化目的でも医療目的でも陽性反応になる。

☆★☆

(2016年8月8日 朝日新聞 14面)

「治療使用特例(TEU)の適用が認められれば、使うことは可能。」

「使用しないと健康に重大な影響が出たり、他の薬では代用できなかったりなど基準さえクリアすれば禁止薬物の使用が認められる。」

「2012年のロンドン大会では、日本選手が10件のTEUを申請して7件が承認された。」

承認されなかった3件は代用の薬は見つかったのだろうか。

常用薬を事前に申請することは可能。大会期間中の怪我や体調不良時に陽性反応の出ない薬が効かなかったら不運。

 

陽性反応の出ない強化目的の新薬が開発されて健康被害をひき起こす事態になれば何の為のドーピング検査かわからない。

検査にひっかからないなら服用を制止できない。

☆★☆

やらせる側を止める側に転換できないか。

 

選手を出場停止にしても、どんなに制裁を厳しくしても、とかげの尻尾切りの範疇を超えない。

 

選手の代わりにコーチやエライ人を開催期間中は入国禁止にしたらどうか。

選手はIOC WADA監視下で参加します。

ドーピングなしでも勝てるところを見せて名誉回復か。

コーチもいないのによくやった。

逆に結果を出せなければライバルに軽蔑されることになります。

 

入国禁止にされてはかなわないのでコーチはドーピングさせる側からドーピングをさせないように監視する側にならないか。

これがコーチ本来の姿ではないのか。

 

エライ人(国のオリンピック委員)は入国禁止という不名誉を避けるために、いや国の名誉のためにドーピングは許さない けしからん と止める側にならないか。

これがエライ人のあるべき姿ではないか。

 

このエントリー冒頭のような検査がなくなる日が来てほしいと思う。

それではまた。

新聞社を爆撃しないという戦略―終戦と占領のために

 

 

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新聞は戦時中を通して発行が続けられました。

新聞社は爆撃の目標から外されたからです。

新聞の発行を止めないために製紙工場やインクの工場も目標から外されました。

 

新聞関係のみならず、ラジオ局や丸の内や日比谷のオフィス街、霞が関の官庁街、国会のある永田町界隈も爆撃の目標から外されました。

終戦工作や占領統治に交渉相手は必要です。統治のために官庁は必要です。

占領政策を国民に知らせるためにメディアは必要です。

 

飛行場も潰さずに温存しました。

日本は燃料もパイロットも不足して迎撃機を満足に飛ばすことはできない。

戦後に米軍が使用するために飛行場も温存する。

昭和20年8月30日 60機からなる輸送機が先遣部隊として厚木基地に着陸しました。1000人を超える将兵や報道関係者がマッカーサー元帥の先陣として飛来しました。

☆★☆

新聞は検閲を受けているとはいえ見え透いた嘘までは書けません。

 

爆撃で被害を受けているのに伝えないわけにはいきません。

それまで規制してしまったら国民は新聞をまったく信用しなくなります。

新聞を通じた政府の発表も信用しなくなります。

国民をコントロールできなくなってしまいます。

 

敵国の厭戦気分を醸成するためには敵国の新聞は必要です。

こちらに都合のよいことを書かないまでも、隠すことのできない事実を報道してくれるだけで十分です。

往生際が悪いと書かれようが、まだ戦えると書かれようがすべての人が額面通りに受けとる訳ではない。

☆★☆

全国で天皇玉音放送を聴くことができたのはラジオがあったから。

ラジオがなければ全国民が8月15日に終戦を知ることはできなかった。

新聞がなければGHQの占領政策を全国津々浦々まで知らせることはできない。

新聞もラジオもなければアメリカ軍が上陸したら、終戦の事実を知らない人たちが立ち向かって戦闘が終わらない。

終戦の事実が知れ渡っても、GHQが日本政府を通して政策を実行しようとしても、何か訳のわからないことをしていると思うだけ。

デマが飛び交ってデマが信じられて暴動が起きる。

情報源がデマだけ ということも起こり得る。

☆★☆ 

占領統治をするためには相手国のマスコミが発達していることが条件になります。

 

アメリカは日本での占領政策はうまくいったのに、なぜアフガニスタンイラクで失敗したのか。

アフガニスタンイラクではマスコミやジャーナリズムが発達していなかったのも理由の一つです。

米軍や国連が何をやろうとしているのかよくわからない。

そんな不安にデマを流してつけいる。テロリストを養成する。さらなる混乱を引き起こす。

 

アフリカの紛争地帯で平和活動や難民救済にあたるスタッフが襲撃を受ける。

情報が伝わらず国連が何をしようとしているのかよくわからない。

そんな不安に武装勢力がつけいる。俺たちの縄張りに入って来るなと反攻する。

 

文字が読めない、義務教育が成立していない、マスコミが成立しない。

現地の言葉で伝える以外にコミュニケーションをとる手段がない。

☆★☆

マスコミが発達していない地域での占領方法をまだアメリカは確立していなかった。

 

フセイン政権を倒した後の統治を検討する際にマスコミの未発達の件は考慮されなかったのだろうか。

 

戦いを始めることだけを考えてどこで終わらせるかを考えない。相手の降伏しか想定していないのは最悪。

相手をやっつけること自体を目的化しているということです。

 

目的が達成できるのならこれ以上犠牲を出してまで相手をやっつける必要はないという判断にならない。

父は寸止めしたが息子は寸止めできなかった。

イラクを日本のような友好国にしたかったのだろうか。

 

戦時中の新聞を読んで、アメリカの対日戦争と対イラク戦争の決定的な違いは勝った後の計画性にあると ふと思った。

 

それではまた。

男も女も男にノーの東京都知事選挙―石原元都知事の逆襲

東京都知事選結果

 

2912628票 小池百合子  自民の一部応援

1793453  増田 寛也  自民 公明 日本のこころ 推薦

1346103  鳥越俊太郎  民進 共産 社民 生活 推薦

 

2位に100万票以上の差をつけての大勝です。女性票だけではこんなに差はつきません。

男性票も男にノーをつきつけたのです。

 

タカ派故に嫌う人がいる一方で強い支持を得るところは石原元都知事に似ています。

 政党が推薦する候補は真面目でいい人そう、伏魔殿に取り込まれるのではないか。

正直に正面衝突して刀折れ矢つきて時間切れになり任期も全うできないのではないか。

そんな不安を払拭させる迫力に欠ける。

 

待機児童問題で誰もがキレイ事を言う。しかし男は切実さがわからないんじゃないか。

定員割れ大学に補助金を注いで、保育園に予算を注がなかった教育福祉行政。

 

都知事選挙なのに憲法改正阻止とか国政のことを言う。

男はもう先天的にわからないんじゃないか と疑われた。

☆★☆

自由民主党東京都支部連合会 石原伸晃会長、内田茂幹事長 連名で命令書

 

自民党推薦候補以外を応援した議員(親族含む)は除名処分

そこまでやるか、そんなに小池候補が脅威なのか。

これでは自民東京都連は小池候補が脅威ですとPRしてるようなものではないか。

締め付けだ、感じ悪い、と反発を受ける。

「憎しみだけは買わないよう注意すべきである。なぜなら憎悪ほど、あらゆる種類のリーダーにとって、害あって益ないものはないからである。」

「ある人物が、賢明で思慮に富む人物であることを実証する材料の一つは、たとえ言葉だけであっても他者を脅迫したり侮辱したりしないことであると言ってよい。」

マキャベリ 政略論)

☆★☆

増田陣営で違和感を放つ 石原慎太郎東京都知事

 1999年の石原都知事が初当選した選挙で自民党森喜朗元首相の下 明石康 元国連事務次長を推薦しました。

石原元知事の対立候補を応援したのです。

選挙の結果は

石原慎太郎 1664558票 自民党の一部応援

鳩山 邦夫  851130 民主党 生活者ネット 改革クラブ 推薦

舛添 要一  836104 自民党都連の一部推薦

明石 康   690308 自民党本部、公明党推薦

 

自民党所属なのに自民党本部の応援を受けることができなかったという境遇がそっくりです。

森元首相の下で自民党が対立候補を応援するという構図もそっくりです。

嫌われる一方で強い支持を得るところも似ています。 

石原慎太郎氏も小池百合子氏も所謂(いわゆる)タカ派です。

増田氏 鳥越氏はハト派です。

 

それなのにどうして増田陣営にいるのか?

長男の伸晃氏が都連の会長だからか、人聞きの悪い言い方をすれば息子を人質に取られているような状態だから参加したのか。

☆★☆

「大年増の厚化粧の女にはまかせておけない」

83歳の人が64歳の人に「大年増」と言う。思わず吹き出してしまいました。

大阪であったら「あんたこそいくつや」とつっ込まれてお笑いになってしまうのではないか。

京都なら「自分の年を考えなはれ、いややわ」とあしらわれて終わるのではないか。

東京だから真正面から捉えて紛糾する。そこまで読んだのか。

 世間一般では差別的な中傷だと聴衆の怒りを買った。小池候補に追い風になった。

狙ってやったんじゃなかろうか。

親子ほど年の離れた相手を子供扱いせずに年増呼ばわりする。なんて素直ではない敬意の払い方なのでしょう。

☆★☆

http://www.asagei.com/excerpt/62458

二男の良純氏は7月13日放映 フジテレビの番組バイキングで鳥越氏支持の発言。

親父と弟にサンドイッチ状態の伸晃氏。父親強権の家庭だったのになんて自由な石原家。

 

http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160803/k00/00m/010/042000c 

石原伸晃経済再生担当大臣は8月2日に元総務大臣 増田寛也氏が東京都知事選挙で落選した責任を取って東京都連会長を辞任する意向を固めた。近く都連に辞表を提出する見通しだ。」

人質解放か。(なんて人聞きの悪い)

人質をとっても無駄、食えない親父だ。

☆★☆

やりたいことではなく、必要なことをする時間しか残されていない。

 ごたごた続きの結果、東京オリンピックまであと4年、小池新知事にも都議会にも都庁にも国にも政争で足を引っ張り合っている時間はなくなりました。

 

やりたいことをやろうとすると足を引っ張られます。

やりたいことに反対することが即、悪とは限らない。

 

必要なこと(やらなくてはならないこと)に反対すると悪者にされます。

必要なことだと世間で認識されると足を引っ張り難くなります。

 

「人間というものは必要に迫られなければ善を行わないようにできている。」(マキャベリ 政略論)

☆★☆

蓮舫氏は出馬しなくて正解だった。

 当初 民進党蓮舫氏を都知事選に担ぎ出そうとしました。

出馬したら 小池百合子VS蓮舫 女性対決、首都マドンナ決戦(古っ)とメディアが煽りたてます。

両氏とも五輪予算にメスを入れる構えですから争点にならない。

争点がボケる。

2人で潰し合いをしてくれた方が利権側にとっては都合がいい。

担ぎ出そうとした人たちはそういうことがわからなかったのでしょうか。

政治倫理とか言っているのに。

☆★☆

古い自民党みたいな野党共闘

 

後出しジャンケンみたいに公示の2日前に鳥越氏を擁立。

先に出るのは不利、他の陣営の動向を見てから最後に出すのが有利。

野党共闘実現のために宇都宮氏は辞退、2人とも出ればいい。昔の自民党の派閥間調整みたい。

☆★☆

候補は小池氏

推薦は増田氏と鳥越氏

自分で手を挙げた人と舛添知事を辞めさせてから泥縄で担ぎあげられた人。

どうして後者に期待を集められると考えるのかエライ人の考えることはわかりません。

☆★☆

不文律の公約は任期を全うすること。

都知事の任期途中での辞任が相次いでうんざりです。

どんな抵抗にあっても、スキャンダルに見舞われても(失礼)ビル・クリントン米国大統領(1992~2000年)のようにしたたかに任期を全うしてほしいと願う次第です。

 

それではまた。

 

 

石原家の人びと

石原家の人びと

 

 

 

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公約に期限はなぜないの?-公約違反は当選してはじめて成り立つ話です。

都知事選の選挙公報で各候補の公約を読んでいると、これって知事選?と思える公約があります。

知事が言ってもまったく動かない課題。国会で審議しなければ始まらない国政の課題。

どうして参議院選挙に出馬しなかったのか。

知事に当選したら即公約違反になる。当選即公約違反。

☆★☆

公約を読んで ふざけるな!まじめにやれ!と怒りだす人もいる。

ネタにして面白がる人もいる。

チラ読みしてスルーする。或いは読まないのが多数派ではないのか。

 

選挙公報は商業誌ではないから読んでもらおうという工夫をしたりしない。(できない)

公職選挙法 169条2項の規定により、掲載申請のあった候補者側から提出された原稿をそのまま製版の上に掲載される。とあります。

読んでもらえそうな候補者を前面に出したら差別になる。

特集を組んだり、掲載スペースに差をつけることは出来ない。

☆★☆ 

全員平等で定められたスペースの中に自分の主張を込める。

東京の未来のことを語る候補者もいれば、国政のことを語る候補者もいます。(なんで参議院選挙に出なかったんだ。すぐ前にやったのに。供託金は同じなのに(300万円))

 

「とにかく受けがいいことを何でも入れ込んでアピールしよう。それで入れてしまう有権者がいるかもしれない。」

☆★☆

選挙の供託金の没収ライン

 

 選挙に立候補するためには法務局に供託金を預けなければなりません。

売名行為、宣伝、を防ぐことが目的といわれます。

供託金の没収ラインは

参議院:有効投票数をその選挙区の定員数で割った1/8

都知事:有効投票数の1/10

乱暴な話 参議院選挙と都知事選挙の有効投票数が同じと仮定すると

議員の東京選挙区の定員は6名。

6で割ってからさらに8で割った数(有効投票数を48で割る)に満たないと供託金は没収になります。

1/10の都知事選よりも1/48の参議院選の方が没収ラインが低い。(没収される可能性が低い)

お金の計算上は国政を語るなら参議院選挙に出たほうがいい。

 

恥の計算

都知事選で供託金を没収されたら有効投票数の1/10を取れなかったで済む。

参議院選で供託金を没収されたら有効投票数の1/48も取れなかったのかと言われる。

 

計算の上での出馬なのだろうか。それとも計算なんか眼中にないのだろうか。

売名行為を防ぐ目的といわれてもお金があって出たい人は出るのです。

☆★☆

選挙に勝ってはじめて公約の履行を求められます。

 

イギリスのEU離脱国民投票では

6月30日 離脱派のジョンソン前ロンドン市長は与党保守党の党首選に出馬しないと表明。

7月4日 英国独立党(UKIP)のファラージュ党首が辞任を表明。

EUへの拠出金を社会保障に回すとした国民投票前の公約を撤回したことで非難を浴びていた。

投票に勝ったら即撤回、投票に勝ったら即公約違反。

離脱に投票した有権者は離脱のつもりであっても、政治家の離脱運動は離脱が目的ではなかったのではないか?

EUに政策の変更を迫るために揺さぶりをかけるための手段だったのではないか?

 

公約違反は投票で勝って初めて成り立つ話です。負けた場合はどんな公約を掲げても違反になりません。

蓋を開けてみたら勝ってしまった。逆に困った。

政治家は離脱派残留派も「残留支持」が勝つと思っていたんじゃなかろうか。

政治家が有権者に変革を迫られる事態になりました。

☆★☆

参議院選挙の公報や新聞に載っている各政党の公約を読むと、この政党は万が一勝ってしまったら困るんじゃなかろうか。勝利即公約撤回に追い込まれるんじゃなかろうか。

と思う公約もあった。

負けたら選挙で何を言っても帳消し、選挙で勝ったら実行しなければならない。

 

負けた政党の公約も検証された方が実のある論戦になるのではないか。

☆★☆

日本にも先例があります。

 

 2009年の衆議院選挙で沖縄県普天間基地移転について「最低でも県外」という公約を掲げて選挙に勝ったのに結局何もできずに辞任。

受けのいい公約に熱狂して投票した。反古になった。もう本土の人間の言うことは信じない。

辞任では済まない傷跡を残しました。

責任を取ろうとして余計なことをされたら余計ややこしいことになるからもういいです。

辞任表明とはいうものの、主君押し込めのような状態ではなかったのか。

 

そんなことになる前に「そんな公約はやめてくれ、後がもたなくなる。」と言えなかったのか。言える間柄ではなかったのか。

☆★☆

公約に期限がないのはなぜ?

 

待機児童をなくします。特養老人ホームの待機者をなくします。

当選した瞬間に実現するなんて誰も思っていません。

2020年まで、いやそれでは遅い、2018年までという目安を示さないと、いつ実現するの?

それとも任期が来た時に「まだ道半ばなので続けさせて下さい」というつもり?

スケジュールを立てられないということは、現状把握ができていないということか。

把握はしているけど言わない方が無難ということか。

☆★☆

アメリカ大統領ジョン・F・ケネディが1961年に「1960年代に人類を月に送る。」と表明したことによって関係機関が実現に注力した結果、1969年にアポロ11号の月着陸と帰還が成し遂げられました。(演説を聞いてビビった関係者もいたのではなかろうか。そんなの無理!って)

 

ケネディが期限を設けなかったらアメリカはベトナム戦争と石油ショックに疲弊して人類は月に辿り着けなかったのではないか。

☆★☆

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E8%A8%88%E7%94%BB

最初は慎重だったケネディ大統領

 

 ケネディ大統領は就任後、アポロ計画について直ちに決定を下すことはしませんでした。

宇宙開発技術の詳細についてはよく知らず、NASAの要求する有人月面着陸に必要とされる莫大な予算に対し二の足を踏んでいました。

 

1961年4月12日 ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンによる史上初の有人宇宙飛行を目の当たりにしたアメリカ国民はソ連との宇宙開発競争において立ち後れているという不安を増大させました。

 

ガガーリンの飛行の翌日、下院の委員会においてアメリカがソ連に確実に追いつくことを目的とした緊急プログラムの支持を多数の議員が表明したにも係わらず、ソ連に対するアメリカの対応については明確にはしませんでした。

 

4月20日 ケネディリンドン・ジョンソン副大統領に覚書を送り、アメリカの宇宙開発の現状と、NASAソ連に追いつく可能性を与えられる計画について検討するよう指示しました。

☆★☆

ジョンソンは翌日の返答で、「我々はいまだ、合衆国を世界の先頭に立たせるためのいかなる最大限の努力も果たしていないし、成果も出してはいない」との見解を示し、また「有人月着陸の実現は近くはない将来であり、だからこそアメリカが世界で初めて達成できる可能性がある」と結論づけた。

(翌日に結論を出したんだ、早い。)

 

1961年5月25日、ケネディは上下両院合同議会での演説で、アポロ計画の支援を表明した。

(それから約1ヶ月の検討、NASAや宇宙工学のみならず、他の科学分野、予算、世論、社会情勢を踏まえて改めて検討したのだと思う。)

 

「まず私は、今後10年以内に人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還させるという目標の達成に我が国民が取り組むべきと確信しています。

この期間のこの宇宙プロジェクト以上に、より強い印象を人類に残すものは存在せず、長きにわたる宇宙探査史においてより重要となるものも存在しないことでしょう。

そして、このプロジェクト以上に完遂に困難を伴い費用を要するものもないでしょう。」

 

1962年9月12日

「我々が10年以内に月に行こうなどと決めたのは、それが容易だからではありません。むしろ困難だからです。

この目標が、我々のもつ行動力や技術の最善といえるものを集結しそれがどれほどのものかを知るのに役立つこととなるからです。

その挑戦こそ、我々が受けて立つことを望み、先延ばしすることを望まないものだからです。

そして、これこそが、我々が勝ち取ろうと志すものであり、我々以外にとってもそうだからです。」

宇宙開発の国家目標について、ライス大学で行った演説から

☆★☆

周囲に流されず慎重に検討した上での大胆な決断。

 

思いつきで期限は言えない。

期限を言うためには情勢を踏まえた現状把握が必要になる。

「我々が10年以内に月に行こうなどと決めたのは、それが容易だからではありません。むしろ困難だからです。」

真摯に検討を行わずに、口から出まかせではこういう言葉は出てこない。

そこにワンフレーズはありません。

☆★☆

ワンフレーズはわかりやすい。ワンフレーズはメディアが記事にしやすい。

 メディアの需要に応えてワンフレーズを多用する。

ワンフレーズに慣れておかしいと感じなくなる。熱狂する。賛同する。

2000年代初期に日本では経験済みです。劇場型政治と言われました。

最初は与党側が使い、2000年代の終わりに野党側が使いました。

それが今 欧米で再現されています。

☆★☆

待機児童の問題は人類が月に行くことよりも難しいのだろうか?

期限のない経営計画とか期限のない開発計画とかありえない。

それでは予算も決算も成り立たない。

 

期限は言わない方が無難。期限を言うのは恥ずかしい。

仕事に期限があるのはフツーなのに、選挙になると期限がなくなるのはなぜ?

最低でも県外」に期限が入っていたら誰も騙されなかったのではないか。

期限を言うためには真摯な検討が必要になるから発言そのものが出てこなかったのではないか。

 期限までに100%実現しないこともあるかもしれない。

それでも内容や状況によっては続けてもらいたいと思うこともある。

数字の操作で100%実現したことにされるより正直な90%の方がまし。

 

人を変えない方が進捗する場合もある。人を変えないと進捗しない場合もある。

進んでいるか、進んでいないかが投票の判断材料になる。

☆★☆

期限を設けたら関係のない公約を掲げることはできなくなります。

 当選即公約違反になることがあからさまになるからです。

 

公約に期限を。

それではまた。

 

「国境に巨大な壁を築く」

「期限は?」と問われたら何と答えるのかな?

平和主義なのに戦争犯罪行為を推奨するという矛盾

戦争は人間を狂わせる。戦争になったらルールも何もあったものではない。

戦争反対の言葉です。

ところが戦争を実行する側も同じ考え方をしていました。

国際戦時法があるのにルールがないと思い込みました。

戦争だから何でもあり、勝てば何をやってもいい、負けたら何でも言いなり。

それは本当か?

☆★☆

国際法の創始

 16世紀17世紀における宗教戦争で荒廃した欧州では、スペインの神学者にして法学者のスアレス、その影響を受けたオランダの法学者グローティウスらが国際法を創始したと考えられています。

自然法(正しき理性の命令)は慣習法として成立し、それが実定法として国際社会全体を拘束すると考えた。

グローティウスの自由海論(海は私有権の対象とはならず公共のものである)は当時の国際法的思考に大きな影響を与え、国家間の紛争、通商および外交関係を規律する法として発展、成立していきました。

(だから国際法廷はオランダのハーグにある。)

☆★☆

明治時代は国際法の模範だった日本軍。

 日露戦争当時は指揮官から兵卒に至るまで国際法の教育が行き届き、日本軍の戦いぶりは欧米で称賛を受けました。

日本海海戦で海中に投げ出されたロシア軍人を日本の軍艦、民間船、沿岸の住民が救助しました。

延べ6000人の捕虜が収容所(松山)で過ごしました。

☆★☆

http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20140407/

http://tokio.msz.gov.pl/ja/bilateral_cooperation/politics/story_of_the_polish_siberian_orphans_in_a_japanese_historical_magazine

 

当時、シベリアには10数万人のポーランド人が取り残されていました。(ロシアに支配されていたポーランド人は独立運動に敗れてロシアに家族ごと捕われてシベリア開発に従事させられていました。)

親を失った子供たちもいました。そんな子供たちをポーランド救済委員会のアンナ・ビエルキェビッチ女史が助けようと働きかけました。

委員会は欧米諸国に孤児たちの救助を頼みましたが、各国の反応は芳しいものではありませんでした。外交関係を気にしていたのかもしれません。

アンナ女史の叔父は日露戦争で日本の捕虜になっていました。(ロシアの支配を受けていたポーランド人も日露戦争に従軍させられていました。)

松山での捕虜収容生活で日本人に親切にされたことから日本によい印象を持っていました。

日本なら助けてくれるかもしれないという淡い期待を抱いて委員会は日本に助けを求めることにしました。

アンナ女史は1920年6月に来日し、外務省を訪れ援助を懇請しました。

わずか17日後に外務省は動きました。1920年7月下旬、56人の孤児がウラジオストックから敦賀を経て東京に入り、渋谷の宿舎に収容されました。

1921年7月までの1年間に1~16歳の孤児375人、1922年3月 390人が

日本に運ばれ治療、静養の後に、

1921年はアメリカ経由で、1922年は日本船で故国ポーランドに帰国しました。

 

このような歴史的経緯からポーランド親日国になりました。

ポーランド民主化運動の立役者ワレサ氏は初の外国訪問先に日本を選びました。(1981年5月来日)

☆★☆

昭和に入って日本は国際法に無知になりました。

なぜか?

「戦陣訓」(1941年(昭和16年)制定)

「生きて虜囚の辱め(はずかしめ)を受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿れ」

捕虜になるなら自決しなさい ということです。

これでは捕虜に対する敬意が生じる余地はありません。

 

坂の上に辿りついて慢心してしまったと言われます。

日本は神の国だ。神風が吹いてけして負けることはない。

負けることがないのだから捕虜になることはありえない。

誇り高い神の子が捕虜になることなどあってはならない。

自決すべし。

☆★☆

捕虜の権利

 捕虜は敵軍に捕まっても、戦時国際法の保護を受けます。

生存が保障され、虐待することは許されない。

明治時代の日本軍は国際法を順守しました。

 

捕虜になれる権利

 捕虜になることができるのは正式な戦闘員です。

ゲリラやテロリストは捕虜になることができません。

 

市民の抵抗について

 ハーグ陸戦法規 第二条

侵入軍隊に抵抗するため自ら兵器を操る者が、公然と兵器を携行し、且つ戦争の法規慣例を遵守する場合はこれを交戦者と認める。

(公然と武器を携行する者が捕虜の扱いを受ける権利を得る。

武器を隠し持っていたら国際法違反で捕虜の扱いを受けることは出来ない)

ハリウッド映画のヒーローのように一般市民が忍び寄って侵入軍兵士をアーミーナイフで刺したりしたら国際法違反になります。

捕虜になる権利がない人が兵士に危害を加えたら両手を上げても白旗を掲げても撃ち殺されて文句が言えない。

 

相手がルール違反をした場合は当方の違反も許される。

 相手国がルールに違反した場合は報復として違反することも止むを得ないという法理です。

民間人に対する無差別殺人は禁止されています。

しかし、ドイツ、日本がそれぞれロンドン、アデレードを空襲したことで後の倍返しの理由にされてしまいました。

(ドイツ、日本がやらなければ連合国はやらなかったのか はわかりませんが)

☆★☆

自衛隊違憲非武装中立 という意見があります。

じゃあ実際に攻められたらどうするんだ。と問われたら。

 

「無抵抗主義を貫いて降伏する。」

(ってことは次の段階として他の国の侵略を手伝うってこと?

降伏しておいて嫌と言ったら勘弁してもらえると思っている?

若者を戦場に送るな!と言って降伏する。しかし占領国によって若者は次の戦争に嫌も応もなく連れて行かれます。

日露戦争(1904年)ではロシアにポーランドの若者が連れ出され、元寇(1274年)では朝鮮の若者が元に連れ出されました。矢面に立つのは被占領国の若者です。…630年経って時代が変わっても国や民族が違ってもやることは同じ)

 

レジスタンス活動で抵抗する。」

レジスタンスって非武装でも中立でもないじゃん。実際に攻められた後で最初のポリシーを捨てるんだ。)

 

正規の戦闘員の存在を認めない立場は国際ルールに反しているという認識がない。

戦後70年経って平和主義で思想が正反対のはずなのに国際感覚は昭和の軍人勅諭を信じた人と変わらない。

思想が正反対なのに似た者同士。(だから反発し合うのか)

☆★☆

「起きるかもしれない戦争に備えるべき」と言えば軍国主義者のレッテルを貼る。

平和を願えば平和が続くから願い続けましょう。

戦争のことを考えたら戦争になるから考えたらダメ。

 

日本は神の国、負けることを考えるのは非国民。

武器がない。食糧がない。人が足りないと泣き言を言うな、精神力で克服せよ。

 

念じれば戦争は起きない! 念じれば戦争に勝てる!

目標は正反対でも根は同じ。

 

開国前に先祖返りした状態を義務教育で是正するのが先決ではないか。

戦後も続く大人の犯した過ちを繰り返さないために、きわどい話は避けながらも国際ルールを守ることは伝えたほうがいいと思う。

 

それではまた。

 

 

国民のための戦争と平和の法―国連とPKOの問題点

国民のための戦争と平和の法―国連とPKOの問題点

 

 

 

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軋轢がないチーム は危ない。

危ないのはどっち?

 

Bチームでは業務中に言い合いになることが日常茶飯事、しまいには納得できないと他のメンバーにも意見を求めて 結果、指示が変更になることもある。

 

Aチームはみんな和気あいあい、言い合いなんてない、和やかな雰囲気の中で1日の業務を終える。

ストレスを避けたいと思えば、Aチームが望ましいと考えるかもしれません。

AチームのメンバーはBチームに同情します。「大変そう 大丈夫?」

☆★☆

油断がならないのは実はAチームの方です。

 

軋轢が生じるのは間違い見込み違い見当違いを指摘した時や意見の違いを表明した時です。

問題提起をして面倒臭がられた時です。

丁寧な言葉で言われても自分を否定されたように感じる人もいます。

 

軋轢がないということは間違いも見当違いも意見の違いもないということ?

メンバー全員が能力も性格も非の打ちどころがない?

 

対立がないということは誰も論争を引き起きすような問題提起をしていないということ。

ミスを見つけることはタブー、人の粗探しをするな、和を乱すな。

外部に迷惑をかけても仲間内で庇い合う。隠す。発覚したときには問題や被害が大きくなり関係修復に多大な費用を要す。

多大な費用をかけても信用を取り戻せるとは限らない。

※会社の常識は社会の非常識になる。

(※Company、Societyという英語から会社、社会という日本語を造語した人はスゴイ!)

(Railroad、Railwayから鉄道という日本語を造語した人もスゴイ!直訳したら軌道になる。撮り軌、乗り軌、軌娘じゃ語呂がよくない。撮り鉄乗り鉄、鉄娘じゃないと)

☆★☆

Bチームは諍いが絶えないように外から見えても中の人間は悩んでいない。

 

徒(いたずら)に争っているわけではない。

うまくいかないときに不満をぶつけ合うのは普通。

不満をぶつけられても人格を否定されているわけではない。

 

Aチームに諍いがないのは見て見ぬふりをしていること。

うまくいっていない現実はないと信じることにする、

雰囲気に慣れてしまうと不感症になる、問題を問題と思わなくなる。

 

指摘をする人は和を乱す人、協調性のない人、もっと大人になりなさい。

指摘をされると、人格を否定された、ひどい。

誰も傷つけないように躊躇する、根回しをする、言い方を反芻しては工夫を繰り返す、どんどん時間が経過する、その間に外部への影響が拡大する。

☆★☆

Aチームの和とは 付和雷同 の和

Bチームの和とは 和して同ぜず の和

 衝突を避けようとして、時間を浪費して問題を肥大化させて自滅。

外部からは衝突のように見えても内部ではルーチンワークで最短で問題解決。

 

誇らしいと思っていることが恥ずかしいことだった。

恥ずかしいと思われていることが誇らしいことだった。

 

Aチームは世間では外見で立派な組織と思われていました。

しかし(付和雷同の)和を尊んでリストラになりました。

Bチームの下剋上で後塵を拝することになりました。

 

それではまた。

 ☆★☆

前回7月9日のエントリーをUPしてから思った。

タイトルが「投票のやり直しはない」

まるで決定したみたいに断言してるじゃん。 一瞬ビビって曖昧な表現に直そうかと思った。(小心者め)

7月5日のエントリで「再投票をしない方が恥ずかしい。」と書いている。

矛盾しているじゃないか。

しかし考え直した。

やり直し?投票をなめるな!恥ずかしくたっていいじゃないか。と思って直すのをやめた。

そうしたら翌日7月10日に某国営放送が確定報道をしてるじゃん。

www3.nhk.or.jp

まいっか。 

 

恥ずかしくたっていいじゃないか をキーワードに書いたのが今日のエントリです。

 

日本史でも似たような話はあります。

Aチームが兵農兼業の諸大名、Bチームが兵農分離の織田家とその後継の秀吉

Aチームが秀吉亡きあとの豊臣家、Bチームが徳川家

Aチームが幕末の徳川家、Bチームが薩長

Aチームは薩長の末裔、Bチームはアメリカ

現在のAチームは?

 

それではまた。

 

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投票のやり直しはない、だから投票に行く。ー英国の国民投票報道から参議院選挙に思う。

責任を取るのは政治家でも投票結果の報いを受けるのは有権者です。

 

英国の国民投票の結果「離脱」を受けて

(6月27日 日本経済新聞 夕刊 1面)

離脱に投票したという男性が「僕の票なんて関係なくどうせ残留(が勝つ)だろうと思っていた。」

離脱に投票した女性が「投票所にもう一度行き、残留に投票したい」

投票のやり直しを求める署名は374万人(現地時間27日午後4時 日本時間28日午前0時)

☆★☆

だからと言って投票のやり直しはありえません。

 

投票結果が気に入らないから、やり直せ と言われて やり直す前例を作ったら悪用されます。

結果が納得できないから、この前の投票はなかったことにしろ。

政権が気に入らないから、この前の選挙はなかったことにしろ。

当選した議員が気に入らないから、投票をやり直せ。

選挙をやる意味がなくなります。

 

(英国の下院議員の任期は5年です。前回の選挙は2015年5月でした。

英国には任期固定制議会法があるため首相の解散権は制限されているので、議会の決議がなければ議会の解散はありません。議会の決議がない限り次回の選挙は2020年です。

議会がEUからの離脱に抵抗し続ければ政府は離脱の交渉を進めることができません。

議会が民意を問うために解散の決議をして総選挙で再度民意を問い、残留派の議員が過半数に達すれば民意は残留ということになります。

離脱派が過半数に達すれば国民の離脱の意思は固いということになり離脱交渉が進みます。)

☆★☆

軽い気持ちで自分の考えと逆に入れてみた。

 

 その結果が

6月24日 1日だけで世界の株式総額3兆3千億ドル(3300兆円強)が消失。(6月26日 日本経済新聞 朝刊 2面)

英国のEU離脱が世界経済の足を引っ張るとの懸念から金融株が売られた。

6月24日時点の世界の時価総額は64兆ドル  約5%が売られた。

(日本の年間の国家予算は96兆円です。国家予算の3倍強が1日で消失した。)

 

リーマンショック時は 

08年9月15日の時価総額 46兆ドル 消失1兆7千億ドル 4%弱売られた。

リーマンショックよりも消失額が大きいのは時価総額が大きい金融株が売られたのが大きい。

☆★☆

国民投票おそるべし。

 

(7月4日 日本経済新聞 夕刊 3面)

企業が国外に流出するのを防ぐ狙いで英財務省は、現在20%の法人税を15%以下と先進国で最低水準に引き下げる考えを明らかにした。

(7月6日 日本経済新聞 朝刊 2面)

英中央イングランド銀行は EU離脱で銀行が融資に慎重になるリスクが増しているため、

貸し渋りで景気が後退することを懸念して)銀行規制強化を凍結。

自己資本の積み増しを総与信の0.5%から1%に引き上げる予定を7月5日から2017年6月まで0%に引き下げ据え置くと発表した。

 

国の財政目標を破棄させてしまった。

☆★☆

繋がった世界では投票結果が投資家を動かす。

政治、経済、外交、安全保障が不安定になると懸念されると株、債券、不動産ファンドが売られる。

企業は守りに入って内部留保を貯め込み、結果、個人も家計の守りに入って景気が後退する。

投票結果が家計に影響を与えることもあります。

☆★☆

誰を選んでよいかわからない。

 

積極的に選ぶことができないなら消去法で選ぶという方法もある。

ひどい言い方だが、この人はイヤ、この人には議員になってほしくない。という人を消して残った人に入れる。

 

いい人は誰だかわからない。

いい人を選ぶのではなく、ましな人を選ぶ。

最高の人を選ぶのではなく最低の人を選ばないようにする。

☆★☆

自治体の首長(知事、市区町村長)を選ぶときは、

この人がなったら揉めてばかりで何も決まらない。政治と関係ないことで時間がつぶれそう。

面白そう、何かやりそう。

つまらない、何も変わらない。

変えてほしい。変わらなくていい。

 

自分の気持ちで入れてみる。

入れた人が当選したら何をするかしないか見ていく。

そして次の選挙の時の参考にする。

☆★☆

入れた人が落選したらどうするか。

ホームページで活動やSNSの発信を見ていく、次の選挙に出馬したらまた応援したいと思うか。

それとも現職の活動を見て次回は現職にするか。

☆★☆

nikoichiはどうしたかって?

自分のスケジュールに合わせて投票したいので期日前投票をしました。

 

選挙公報を見て おふざけ と思える公約を掲げる候補(個人的見解)に×をつけて

ましだと思った候補をGoogle検索してプロフィールや著作や報道や評判(主観が入っている)を見て自分の考えに近いと思う候補を選ぶ。

 

比例区は公約に×(個人的見解)をつける。

政党の代表が街頭演説で言ってることと党の公約が違うじゃないか、同じ党の中で公約と公約がごっつんこしているじゃないかとつっこみながら読む。

 

そんな時間はない。

 

「あなたが政治を考えなくても、政治はあなたのことを考える」

アウンサン・オンサン将軍(ミャンマー建国の父 アウンサン・スーチー氏の父)

国会中継やスキャンダルの報道を見てイヤになっても生活に無関係でいられないものが政治ですから。

 

それではまた。

英国は実際にEUから離脱できるのか。-その3 緊縮策が移民を呼び込む。

英EU離脱 :特集 :日本経済新聞

EU離脱問う国民投票に関するトピックス:朝日新聞デジタル

 

EUで発言権の強いドイツ、フランスは財政基盤の弱い南欧、東欧の加盟国に緊縮策を求めます。

借金はせずに、税収の範囲内で国家運営を行うべきであると。

正論です。

ところが、その正論のために南欧、東欧から豊かなドイツ、フランス、イギリスに移民が流入する事態を招くという皮肉な結果を招きました。

 

言われた通りに緊縮策を行いました。その結果、仕事が減りました。

南欧、東欧で仕事にあぶれた人々が南東欧から北西欧に移動しました。

「緊縮策を行いなさい」=「移民さんいらっしゃい」という話になりました。

☆★☆

(2016年7月3日 朝日新聞 グローブ 医者とカネ)

医者が逃げ出すルーマニア

 

「研修医として英国で働いた。月収はルーマニア時代の10倍程度の3000~4000ポンド(約41万円~55万円)だった。

ルーマニアでは医者の国外流出が止まらない。1990年には5万9000人の医者がいたが、2014年末までに2万2000人が母国を去った。英国やフランス、ドイツなどが主な行き先で、20~30代の若い医師が目立つ。

 

医者流出が激化したのは、07年のEU加盟以降だ。

EU圏内で自由に働けるようになり、より高い収入が得られる国への移住が本格化した。

「医者不足で困っている母国を出るのは罪悪感があるけど、自分の技術に見合った報酬が欲しい。とても難しい選択だ。」

 

とばっちりを受けるのは患者です。

EU域内での移動の自由化が東西、南北格差を拡大する事態になりました。

キャメロン英首相が要求した人の移動の自由を制限する非常ブレーキ条項は英国のためのみならず、東欧にも必要なのではないか。(結果はEU側が拒否←削除 まだ結果が出たとはいえない段階)

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意地の張り合い

 

(6月30日 朝日新聞 朝刊 1面)

「英国を除く欧州連合(EU)加盟の27カ国は29日、ブリュッセルで非公式な首脳会合を開いた。英国に対して、人の自由な移動を受け入れない限り、EU市場への自由な参加は認めないという厳しい姿勢で一致した。」

離脱派の主張は移動の自由を認めないというものだった。

主張を通すなら市場への自由な参加は認めないと。

 

主導役が表舞台から退場。

 

6月30日 離脱派のジョンソン前ロンドン市長は与党保守党の党首選に出馬しないと表明。

7月4日 英国独立党(UKIP)のファラージュ党首が辞任を表明。

EUへの拠出金を社会保障に回すとした国民投票前の公約を撤回したことで非難を浴びていた。

離脱に投票した有権者は離脱のつもりであっても、政治家の離脱運動は離脱が目的ではなかったのではないか?

EUに政策の変更を迫るために揺さぶりをかけるための手段だったのではないか?

どうせ勝つがわけないから公約違反になりっこない。

(公約違反は投票結果で勝って初めて成り立つ話です。負けた場合はどんな公約を掲げても違反にならないというのが投票のトホホな現実です。)

蓋を開けてみたら勝ってしまった。困った。

政治家は離脱派残留派も「残留支持」が勝つと思っていたんじゃなかろうか。

 

 

(7月3日 日本経済新聞 朝刊5面)

「フランスのオランド大統領は1日 キャメロン首相との会談後の記者会見で「英国の離脱は取り消すことも遅らせることもできない」」

後悔しても遅い、いい加減にしろ、と怒り心頭なんだろう。

英国の政治家に向かって言ってるんだろうか、国民に向かって言ってるんだろうか。

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国民投票やり直しの前例

 

(6月29日 日本経済新聞 朝刊7面)

1992年 デンマークはEU創設を定めたマーストリヒト条約国民投票で否決した。

(7月1日 朝日新聞 朝刊11面)

2001年 アイルランドは欧州統合をさらに進めるためのニース条約、07年 同条約に代わるリスボン条約国民投票で否決している。

デンマークアイルランドはEUから譲歩を引き出し、2度目の国民投票で条約を可決した。

デンマークは共通通貨ユーロ導入の免除を勝ち取った)

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英国で働くEU市民は300万人超 英国にとってはサービス、建設業に移民は欠かせない。

EUにとっても大きな労働市場。離脱は双方にとって痛み。

保守は自由競争と自己責任を謳い、左翼は人権と平和を謳い、中間層は放置された。

その不安と怒りを拾い上げて煽り勢力を拡大するポピュリズム

 

英国の離脱撤回は、英国の移民排斥を謳う離脱主義者とEUの理念先行の中央集権至上主義者の抵抗に遭う。

移民の排斥は英国の活力を奪う。

一方で無制限の移動の自由はEU域内の格差を広げてしまっている。

落とし所はあるのではないか。

 

英国とEUと世界が極端な意見に振り回されることはない。

意地の張り合いをする頑固な人たちはスルーして再投票を実施しても何ら恥じることはない。

誤りを修正できないことは過ちを犯すことよりも恥ずかしい。

 

再投票をしない方が恥ずかしい。

 

それではまた。

 

「豊かさは節度の中にだけある」(ゲーテ クリストフカイザーにあてた手紙より)

「紙から得た知識、また紙に書くための知識は、私はあまり興味がない。学問の中にいかに死んだもの、いかに殺すものがあるかは、みずから真剣にその中に入っていくまでわからない。」(ゲーテ対話集 ビーダーマン編)

「数人の人たちがそれぞれ満足しているのは、彼らが思い違いをしているのに間違いない」「無知な正直者が、しばしば、たくみなペテン師の悪事を見抜く」(ゲーテ 格言と反省)

 

「美徳自体も使い方を誤れば悪徳になり、悪徳も堂々とした行いによってときに美徳になる。」(シェイクスピア ロミオとジュリエット

「なんと呪わしい人間の考えか!過去と未来は最もよく、現在のことは最悪だと思うのだ。」(ヘンリー四世)

「きれいは汚い、汚いはきれい。」(マクベス

「神々は、我々を人間にするために、何らかの欠点を与えるのだろう。」(アントニーとクレオパトラ